福岡県 看護師いまゆさんの無痛分娩【後編】キュン♡ → 痛い /井槌病院
地元の福岡県で看護師として働き、第一子を無痛分娩でご出産されたいまゆさん。後編は後陣痛で苦しんだ様子と「井槌病院」の魅力について語っていただきました。
【基本data】
■name/いまゆさん
■年齢/妻_27 夫_31
■お住まいのエリア/福岡県福岡市
■家族構成/妻、夫、娘(4ヶ月)
■出産施設/井槌病院
■無痛分娩回数/1回
■出産費用総額/約67万円(無痛分娩費用:10万円+入院料・個室費用・その他:約57万円)-42万円(出産一時金)=約25万円
■無痛分娩実施時期/2022年3月
取材時期:2022年7月
前編はこちら
福岡県 看護師いまゆさんの無痛分娩【前編】 反り腰でトラブル発生/井槌病院
可愛い(キュン)と感じると痛くなる、ままならない後陣痛。
interviewer:無事に出産が終わってからは特に問題なく過ごせましたか?
いまゆさん:「無痛分娩PRESS」の記事でも読んだので、無痛分娩あるあるだと思うのですが、私の場合、後陣痛がかなりつらかったですね。
interviewer:それよく言われてますね。
いまゆさん:自然分娩で産んだ友達は本陣痛を経験しているので「後陣痛ってこんなもんか」という感じだったらしいし、個人差があると思いますが私は痛かったですね。私も少しの間だけ本陣痛の痛みを経験したので、それに比べれば耐えられる感じでしたね。あれと比べたら楽勝ですね。痛いのは痛いんですけど。
interviewer:赤ちゃんが産まれてから、どれくらいの時間で後陣痛が来たのですか?
いまゆさん:赤ちゃんがオギャーと産まれて、親に電話したりして、血圧を測ってもらったりしてから、母乳をあげたんですけど、そのあたりから痛みがきました。
interviewer:割と産まれてすぐなんですね。
いまゆさん:母乳を与えると、母親の脳内にはオキシトシンという幸せを感じるホルモンが分泌されます。オキシトシンが分泌されると胎盤とか子宮が縮むんですね。それが痛いんですよ。
interviewer:なるほど。
いまゆさん:赤ちゃんを見るとたまらなく愛おしくて可愛くてキュンとなるんですけど、そしたら子宮が縮んで痛みが来るんです。
interviewer:「可愛い(キュン) → 痛い → 可愛い(キュン) → 痛い」のループってことですね(笑)。人体のシステムって不思議ですね(笑)。
いまゆさん:そうなんですよ。出産後は赤ちゃんをベビー室で預かってもらうのですが、無痛分娩だからか身体は元気なので産後当日からベビー室に行ってガラス越しに赤ちゃんを見て「可愛いな(キュン)」と思ったら「いててててッ」ってなって(笑)。
interviewer:可愛すぎてお腹が痛いんですね(笑)。
いまゆさん:本当そうなんですよ。だから本当はもっと赤ちゃんを見ていたかったんですが、サッと自分の部屋に戻りましたもん(笑)。
interviewer:後陣痛はどれくらい続きましたか?
いまゆさん:もちろん個人差はあると思いますが、私の場合は1週間くらいでしたね。出産を経験した友達に聞くと「3週間くらい続いた」という子もいれば「入院期間中に後陣痛が終わった」という子もいました。
interviewer:個人差大きいですね。
いまゆさん:母乳の出方にもよるのかなって思います。
interviewer:そうなんですか!
いまゆさん:母乳がいっぱい出る人って、子宮復古が早いんですよ。戻るスピードが早い分、ギューッと痛いと思うんですけど。
interviewer:あと、会陰切開の傷が痛いというお話をよく伺うのですが、いまゆさんは大丈夫でしたか?
いまゆさん:会陰は切れたんですけど、そんなにひどい切れ方じゃなかったから、産後もそこまでつらいという訳ではありませんでした。
interviewer:日常動作も問題ないレベルですか?
いまゆさん:さすがに問題はありました。痛いのでゆっくりゆっくり動くようにしていました。この時は円座に助けられました。
interviewer:円座はどれくらいの期間使用されたんですか?
いまゆさん:円座がなくても大丈夫になったのは、出産後3日目くらいですかね。
interviewer:「1ヶ月は円座が手放せなかった」という話も聞くので、それはめちゃくちゃ早いですね。
いまゆさん:たしかにそうかもしれないです。
「ジェンダーリビール」にまで、病院が協力してくれました。
interviewer:「井槌病院」の良かった点を教えてください。
いまゆさん:良かった点、ありすぎて伝えきれるかわからないんですけど。まず感じたのは、スタッフの皆さんが本当にベテランの方ばかりなんですよ。プロフェッショナルが揃っているイメージというか。
interviewer:それは安心感ありますね。
いまゆさん:私の働いていた病院は総合病院だったため、けっこう若手のスタッフも多かったんですね。それに比べたら熟練のスタッフさんたちが揃っている印象でした。
interviewer:ベテランスタッフが多いことの魅力ってどんなところですか?
いまゆさん:産後ってけっこうメンタルがボロボロになるんですね。たとえ無痛分娩でも。
interviewer:やっぱり無痛分娩でもそこは影響するんですね。
いまゆさん:そういう時って、普段だったら何も思わないような一言でも、グサッと心にダメージを受けちゃったりするんですよ。
interviewer:はい。
いまゆさん:「井槌病院」のスタッフさんは、おそらくそういったメンタルケアのことも分かっている人たちだったと思うんですけど「これはこうだから大丈夫だよ」など、励ましてくれたり、安心させてくれる一言をくれることが多かったんです。
interviewer:忙しいとなかなかメンタルケアまで気が回らないと思うんですけど、それはうれしいですね。
いまゆさん:はい!なんというか、お母さんみたいな安心感がありましたね。
interviewer:けっこうスタッフさんの一言で落ち込んでしまったという話も聞くので、それは素晴らしいと思います。
いまゆさん:この話と関係する話なんですけど「ジェンダーリビール」ってご存知ですか?
interviewer:初めて聞きました!
いまゆさん:ジェンダーは性別、リビールは明らかにするという意味で、要はお腹の中の赤ちゃんの性別をパパに伝えるサプライズイベントですね。
interviewer:なんかアメリカっぽい!
いまゆさん:私が結婚式をした時って、もう妊娠6ヶ月目だったんです。タイミング的には性別が分かっていてもおかしくない時期。だから「井槌病院」の助産師さんに「結婚式でジェンダーリビールをしたいと思うんですけど・・・」って相談したんです。
interviewer:その相談ができる時点で、かなり話しやすい病院だということがわかります。
いまゆさん:相談したら「パパだけではなく、ママ(いまゆさん)にも性別が分からない方がいいですか?」って私のことまで配慮してくれたんです。元々、結婚式当日まで私も知らなかったら面白いのになとは思っていたので、「男、女」と記載したメモを持参しました。でも忙しそうにされているのでいざ診察の時に、なんてお願いしたらいいんだろうと悩んでいました。とりあえずジェンダーリビールがしたい旨を伝えようと。
interviewer:確かにその方が、夫婦でドキドキ感を共有できて楽しそうですね!
いまゆさん:相談したら「パパだけではなく、ママ(いまゆさん)にも性別が分からない方がいいですか?」って私のことまで配慮してくれたんです。元々、結婚式当日まで私も知らなかったら面白いのになとは思っていたので、「男、女」と記載したメモを持参しました。でも忙しそうにされているのでいざ診察の時に、なんてお願いしたらいいんだろうと悩んでいました。とりあえずジェンダーリビールがしたい旨を伝えようと。
interviewer:確かにその方が、夫婦でドキドキ感を共有できて楽しそうですね!
いまゆさん:私も看護師として働いていたので、スタッフさん的にジェンダーリビールに協力しても何の得もないこともわかるんですよ。ただでさえ仕事の手間を増やしてしまうのに、さらにプラスアルファの計らいをしてくれたので、すごく感動しました。
interviewer:そうですよね。別にジェンダーリビール代という項目で追加請求できるわけでもないですもんね。完全に善意ですよね。
いまゆさん:スタッフさんの大変さをわかっている分、感動もひとしおでした!
interviewer:実際に結婚式でジェンダーリビールはどうやって行われたんですか?
いまゆさん:妊娠6ヶ月ですので、性別確定ではないのですが、その時点で「おそらくこの性別」というのを紙に書いて封をしたものを手渡してくれました。それをそのまま結婚式のプランナーさんに渡して、式の進行の中で発表してもらいました。
interviewer:結婚式がより楽しみになりますね。
いまゆさん:ちゃんと結婚式でジェンダーリビールしてもらった時の映像も残っていて、それはすごく思い出に残っています。ただの1人の患者のイベントさえも大切にしてくれるという姿勢がすごいなと思って。
interviewer:これは本当にうれしいですよね。
いまゆさん:実際に産後すぐ赤ちゃんの診察があるんですが、先生に声を掛けたら私のことを覚えていてくれて「ジェンダーリビールの通り、女の子だったね!よかったよかった、おめでとうございます!」と言ってくれたんです。
interviewer:プロフェッショナルかつアットホームな病院なんですね。
いまゆさん:ただでさえ人気殺到で忙しい病院なのに、こんなに全力で協力してくれるとは思いませんでした。
interviewer:たしかに!
いまゆさん:結婚式後の診察の時、先生も「ジェンダーリビールの時の動画を見たい」って言ってくれて、一緒に見たんですよ。「めっちゃ楽しいじゃん!」って言ってくれました。
interviewer:むしろ「あなたと、この病院が最高です!」って感じですよね。
いまゆさん:後から「井槌病院」で出産した他のママ友と話したら「あの先生、最高だよね」という評判でした。
interviewer:その先生にこの感謝の気持ちが届いてほしい!
いまゆさん:最後の検診の時も「卒業だね」と言われて寂しい気持ちになりましたもん。なんていうか、たくさん患者を診ている中で、こんな1人の患者のことも覚えていてくれるって、めちゃくちゃすごいことだと思うんですよね。
interviewer:以前も「井槌病院」で出産された方のインタビューをさせてもらったのですが、その方からの評価も高かったですし、すごい病院なんですね。
いまゆさん:はい!ホスピタリティや食事も、すごくレベルが高いんですけど、こういう心に刺さることもやってくれるとは思いませんでした。助産師さんもめちゃくちゃ親身になってくれて、お姉ちゃんみたいに付き添ってくれて、本当に感謝しています。
interviewer:本当にいい病院ですねぇ。
いまゆさん:周りの友人・知り合いでも「井槌病院」で産んだ人がいるんですけど、みんな「井槌病院は本当に良かった」って言ってます。
interviewer:ベタ褒め記事みたいになっちゃいましたけど「無痛分娩PRESS」は「井槌病院」さんとは無関係です(笑)。
いまゆさん:(笑)
interviewer:話が尽きないですが、いまゆさんが感じた無痛分娩のメリットを教えてください。
いまゆさん:色々とメリットに思うことはあるんですけど、1つにまとめると「また出産したい」って思えることですね。これはやはり無痛分娩をしたから芽生えた想いだと思います。
interviewer:たしかにそうかもしれません。
いまゆさん:出産って本当にかけがえのない瞬間だと思うんです。自分の中から子どもが出てくる瞬間って、もう本当に驚くほどの感情になっていて、感動とか、驚きとか、これを全部しっかりと噛み締められたというのが良かったと感じています。
interviewer:たしかに!自然分娩をした方から「つらすぎて記憶もおぼろげだった」という話を聞いたこともあります。
いまゆさん:無痛分娩だと子どもが産まれたのって、赤ちゃんが泣いた声で初めて気づくんですよ。ついに出てきたって。その時に自分の子どもにやっと会えたっていう気持ちと、10ヶ月の妊娠期間を乗り越えてきた気持ちがグワーッとオーバーラップするんですよ。
interviewer:妊娠期間も大変ですもんね。
いまゆさん:妊娠期間中から「どんな声で泣くのかな?」とか「どんな顔をしているのかな?」って出産を経験した皆さんが想像したと思うんですけど、無痛分娩だと、そうやって噛み締めていた想いへの回答が全部味わえるんですよ。
interviewer:ほう!
いまゆさん:産まれて間もない赤ちゃんを見て「手はこんな形なんだな」「こういう声で泣くんだな」「顔のこのパーツはパパ似だ」とか明確に感じられるんです。
interviewer:なるほど!
いまゆさん:痛みがなかったからこそ、出産の歓びを余すことなく味わえたと私は思っています。
interviewer:すごく納得できます!
いまゆさん:あと、これは全然小さなメリットだと思うんですけど、病院によっては出産直後に記念の写真を撮るところってあるじゃないですか。
interviewer:けっこう多そうですよね。あとは夫さんが出産直後の写真を撮ったり。
いまゆさん:その時にちゃんと笑顔でいられます(笑)。
interviewer:(笑)。
いまゆさん:出産直後でボロボロっていう感じではなくて「ちゃんと写真を見せれるぞ」みたいな(笑)。
interviewer:たしかに(笑)。SNS等で「奥さんボロボロっぽいな」と感じる出産直後の写真をちょいちょい見たことあります。
いまゆさん:本当に産んだ時のあの一瞬ってすごく大切だと思うんですよね。いろんな感情が一気にブワーって押し寄せてくるというか。看護師時代もママさんたちから「出産の瞬間って何にも代えがたい貴重な経験だよ」と聞いていたのですが、実際に自分で出産して「あの時聞いてたのは、これか!」って思いました。
interviewer:頭で認識していた以上の実体験の感動があったんですね。
いまゆさん:そうです!
interviewer:では逆にデメリットだと思う点はありますか?
いまゆさん:よく言われるコストがかかる面はそうだとは思うんですけど、あとは人気で腕が確かな病院ほど予約が取りづらいことですかね。
interviewer:人気の病院には無痛分娩の予約が殺到するってよく聞きます。
いまゆさん:「無痛分娩をしたいと思っても予約が取れなかった」というケースが多いのが、現状なのかなと感じています。
interviewer:予約は早めにしないと大変みたいですね。
いまゆさん:福岡でも中心部を離れるとなかなか無痛分娩ができる病院はないので、もっと無痛分娩できる病院や産科が各地に増えてほしいなとは思いますね。
interviewer:現状、大都市を離れると無痛分娩をできる施設はグッと減りますもんね。
いまゆさん:夫が医師なので産婦人科が医者の中でもハードな分野ということはわかるんですよね。女医さんが多い分野なんですけど、男性並みに体力が必要だったり。無痛分娩の管理ができる助産師さんもそうだと思います。だから単純に無痛分娩ができる病院を増やしたいというよりも、産婦人科で働く方々の働き方を変えられれば良いのかなとは思うんですけど。
interviewer:最後に、これから無痛分娩をしようか迷っている人へのメッセージをお願いします。
いまゆさん:「無痛分娩」というワードで検索したら、ネットやSNSには色々な意見があるし、それを見ていくことによって不必要に落ち込んでしまうこともあると思うんです。特に出産、子育てという領域では他者と比べて落ち込むことも多いのですが、出産ってあくまで自分のもので、変に誰かと比べなくて良いと思うんです。
interviewer:たしかに、無意識ですけど比べがちですよね。
いまゆさん:母乳が一番という人もいたり、子どもの発達が早い遅いだの、色々と比較してしまう現状において「出産の時がどうか」というものもその延長でもあるかと思います。「お腹を痛めて生みたい」「できるだけ痛みを少なくして生みたい」どれもステキな意見の1つだと思います。「周りがどうだった」というのは考えずに、自分にとって無痛分娩がどうなのかということを考えてもらうことが大切なのかなと思います。
interviewer:無意識に誰かと比べてしまうこともありますもんね。
いまゆさん:だから、もし迷ったりしても、ネット・SNSの意見に一喜一憂するよりも、ちゃんとした専門機関に相談してほしい、その上で自分がどうするのかを選択してほしいと思いますね。