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2024.03.10
体験談

東京都Iさん 精神的な持病が理由で…/東京衛生アドベンチスト病院

「出産時の不安を1つでも先に取り除きたかった」というIさん。無痛分娩を選択し、痛みへの不安を感じることなく「え、生まれたんですか?」というほどの超スピード出産をされたそうです。誰もが感じる“出産に関わる不安”への対処法も含めてIさんの無痛分娩体験談を伺いました。

【基本data】

■name/Iさん

■年齢/39

■お住まいのエリア/東京都

■家族構成/夫+妻+子ども(3人)

■出産施設/東京衛生アドベンチスト病院

■無痛分娩回数/1回

■無痛分娩費用/約21万円(基本費用(無痛分娩含む)約63万円 ー 出産育児一時金約42万円)

■無痛分娩実施時期/2022年8月

取材時期:2023年9月

病院選び、実は“食事”と“無痛分娩”で迷いました。

Iさん提供写真

interviewer:本日はよろしくお願いします。

Iさん:よろしくお願いします。

interviewer: まず、Iさんが無痛分娩を知ったきっかけを教えてください。

Iさん:中学時代からの友達が、子どもを2人産んでいるのですが、2人目が無痛分娩だったんですね。私が妊娠したときに、友達がinstagramで無痛分娩について「イラスト付きコラム」のような記事を書いていて「無痛分娩ってこんな感じ」と教えてくれました。それを見ていいなと思ったのが最初です。

interviewer:その後、いろいろと無痛分娩について調べたりされたんですか?

Iさん:そうですね。自然分娩ではないので、心配な部分もあり、色々調べていました。検索で出てくる病院関係のサイトを見たりしていると、お医者さんが色々と書いているのですが、リスクがクローズアップされている部分もあるので「怖いな」と思って。まずは実際の声が知りたくて、instagramとかyoutubeを見ていました。その時に、無痛分娩の記事がまとまっているサイトがあればいいなって思っていました。

interviewer:そうなんです。このサイトの立ち上げは、そういう発想がきっかけです。

Iさん:そうなんですね。

interviewer:病院はどうやって決められましたか?

Iさん:まず「うちから近い病院」ということで探していましたが、2番目に近い病院で、無痛分娩ができる病院があったんです。近くで無痛分娩をできる病院があったことも大きな決め手でした。 

interviewer:なるほど。では迷わなかったわけですね。

Iさん:いえ、実は食事面で少し迷いました。2番目に近い「東京衛生アドベンチスト病院」は、「穀菜果食(卵乳菜食)」が産後に提供されるって書いてあって、身体にはいいと思うのですが、私はできれば普通の食事がいいなと。1番近い病院は、食事は普通だけど、無痛分娩はやっていなくて。食事面を優先するか迷いましたけど(笑)無痛分娩を取りました。

interviewer:食事は大事ですよね。

Iさん:そうなんです。ただ、「東京衛生アドベンチスト病院」では、産後にデザートビュッフェがありました。美味しいケーキやオートミールのクッキーなど身体にいいデザートを食べられたのはよかったです。

超スピード出産で、シャワーを浴びていた夫がギリギリ到着。

Iさん提供写真

interviewer:無痛分娩といっても、病院によってやり方が違いますが、Iさんはどうでしたか?

Iさん:私が出産した時はコロナウイルスの影響があったので、初めの段階で計画無痛分娩になると言われました。病院でもらった冊子によると、自然に陣痛が来るのを待って無痛分娩することもできるようなのですが、コロナ禍でそれだとPCR検査をクリアするのが難しいようでした。

interviewer:そうだったんですね。計画無痛分娩の時は、麻酔のタイミングで痛みを少し残すタイプの病院と、全く痛みなしを目指す病院があるのですが、どちらでしたか?

Iさん:一応、痛みは少しあるという話だったんですが、実際に産んだ時は、痛みはほぼなかったです。でも陣痛の時に、ある程度子宮口が開くまで麻酔は入れられないため、しばらく麻酔なしの時間はありました。

interviewer:「何cmまで子宮口が開くまでは…」っていうのは病院によって基準があるようですね。

Iさん:私の病院では、初産婦は子宮口が5cm、経産婦は3cmと言っていました。それで有効な陣痛が来たら、麻酔を再開しますということで。

interviewer:なるほど。

Iさん:計画無痛分娩だと、前日の15時半頃に入院して、いろいろと書類の手続きをしてから、そこで1回麻酔を打つんですよ。その後バルーンという硬膜外針を入れて、処置が終わった後に麻酔をまた抜いて、一晩そのまま様子を見ます。朝にどれくらい子宮口が開いているかを見て、その状況で5cm以上開くまでは麻酔なしで、子宮口が開いたら麻酔を入れるという流れです。その間、陣痛促進剤も少し打っています。

interviewer:ちなみに、入っている医療保険によっては、出産時の医療措置としての誘発分娩、つまり陣痛促進剤を使った場合に保険適用になるケースがあると聞きましたが。

Iさん:そうですよね。吸引分娩など処置によっては保険適用になるかもしれないというので、一応事前に保険会社に資料をもらって確認はしました。無痛分娩の場合、吸引分娩になる確率が高いと言われていたんです。

interviewer:確かに、それは聞いたことがあります。

Iさん:でも実際の出産はめちゃくちゃスムーズでした。私は初産婦で38歳と高年齢だったんですけど、お産時間が5時間12分だったんです。

interviewer:早いですね。

Iさん:超スピード出産でした。前日にいろいろと処置をして、夜には「麻酔がないので、痛みがあるよ」と言われていました。でも元々子宮筋腫で、生理痛が重い方だったこともあり、夜中も「いつもの生理痛より、ちょっと痛いかな」くらいの感覚で。「これは陣痛じゃなくて、前駆陣痛かな」って思いながら寝ていました。

interviewer:なるほど。

Iさん:でも朝になったら「子宮口が5cm開いている」と言われたので「あ、陣痛だったんだ」みたいな感じでした。それで少し待ってから、麻酔を入れました。

interviewer:そうだったんですね。

Iさん:自分のイメージでは、出産は夕方から夜だったんですけど、子宮口がどんどん開いてしまったので、結局生まれたのが、お昼の12時少し前くらいでした。「イキんでください」って言われて「どうするんだろう・・・」と思って、うんうんってイキんだら「はい、生まれました」みたいな。

interviewer:すごいですね。

Iさん:だからイマイチよくわかっていなかったです。「え、生まれたんですか?」みたいな感覚でした。分娩台に行ってから、本当に10分~15分くらいの出来事でした。もっと大変だと思っていたのに(笑)。

interviewer:コロナ禍だったということで、立ち合いはなく1人でしたか?

Iさん:分娩室に関しては、立ち会いが1人だけオッケーで、事前にPCR検査を受けて夫が立ち会いしました。ただ、その前に入る部屋から手を握って「頑張れ」みたいなことが普通はできるんですが、そこには入れなくて。本当にもういきなり分娩室に通されて「じゃあ、枕元で応援してください」って言われて、ちょっと声かけたら、スポッて生まれたみたいな感じだったと思います(笑)。

interviewer:ご主人も「あれ?結構すぐ生まれたな」って思われたでしょうね。

Iさん:そうですね。夫にも、私は初産婦だし、夕方ぐらいに生まれる前提で「とりあえず午前中にはやれることやっといて」とか「日をまたぐかもしれないからシャワーを浴びておいた方がいいよ」って伝えていたんです。それが、あれよあれよという間だったので「夫さんはいつ来られますか」と急に看護師に言われて連絡したら、全然つながらなくて。

interviewer:きっと「さすがにまだだろう」と思っておられますよね。

Iさん:そうなんですよ。実はちょうどその時、夫は、私から言われていたので、シャワーを浴びていたらしくて。浴室から出たら何度も電話がかかってきていて「何?」って思ったら「もう生まれるみたい」っていう。そこから急いで自転車に乗ってきて、何とか立ち会いに間に合ったという感じです。一方、私は「もう夫を待っていられないんで、もういいです!」と言っていました(笑)。

interviewer:ちなみに、自転車だったらどれくらいの距離感なんですか?

Iさん:病院までは10分ぐらいですね。

interviewer:それは近いですね。

1日7回、授乳室で“コの字”に並んで授乳しました。

入院中の食事/Iさん提供写真

interviewer:費用についてですが、出産一時金を差し引いて21万円が無痛分娩費とのことなんですが「ちょっと高い」とか「これくらいかな」など、どんな印象ですか。

Iさん:安いと思いました。最初にいくつか病院を見ていた時に、他の最寄りの病院だと、自然分娩でも概算で50万〜60万円くらいはかかっていて。「東京衛生アドベンチスト病院」だと詳細は覚えてないんですけど、そこと20万〜30万円くらいの差がありましたが、もっと高いものだと思っていたんです。

interviewer:そんなにも違うんですね。

Iさん:42万円の出産一時金もあるし、安い分の差額を無痛分娩費用に充てればいいと思って選びました。実際に入院して、個室ではなかったし、分娩時の処置もなかったので、この金額で収まったような気がします。都内の病院で無痛分娩したと考えると、割と安かったと思います。

interviewer:個室ではないということは、大部屋だったんですか?

Iさん:はい。

interviewer:「大部屋で大変でした」っていう人が結構多いのですが、どうでしたか?

Iさん:大部屋の予定だったんですけど、6日間の入院のうち最初の3日間は大部屋が空いていなくて2人部屋だったんです。その後、部屋が空いてからは4人部屋でした。窓側のベッドだったので、特に困ることもなかったです。誰かのいびきがうるさいとかもないし、あと、赤ちゃんも一緒じゃないので。

interviewer:そうだったんですね。

Iさん:母子は別室っていうのがここのルールで、個室の場合は母子同室も可能なんですけど、基本的に別室です。だから皆さん、それぞれ体を休めていらっしゃって。面会もないし、静かで何も困ることはありませんでした。

interviewer:確かに「大部屋で大変だった」という人は、誰かの赤ちゃんが夜泣きをしたりして、眠れなかったという話が多い気がします。

Iさん:ただ、母子別室ということで、決まった時間に授乳に行かなきゃいけないんです。授乳時間のお知らせはないので、自分で時計を見て、時間になったら授乳室に行きます。部屋の中は、コの字形に椅子が並んでいて、そこでそれぞれが授乳するんですが、ちょっと辛かったですね。

interviewer:どういうことで辛かったんですか?

Iさん:経産婦じゃないので、やっぱり最初は母乳が出ないんです。赤ちゃんに飲ませようとするんだけどうまくいかないみたいな感じでした。一応、助産師さんが指導についてくれるんですけど、いろんな方がいらっしゃって、手がいっぱいなんですよね。

interviewer:コの字型に座って、一堂に会しているんですね。仕切りはない?

Iさん:仕切りなしで、みんな隠すことなく授乳して(笑)。その後、生まれた体重も加味して追加のミルクをあげて、ケアもして、赤ちゃんが寝るためのベッドの部屋に連れて行ってから戻る。それが1日7回あるんです。

interviewer: 1日7回ですか?

Iさん:そう、それがしんどかったですね。赤ちゃんの口の大きさや母乳の出方などで、皆さんがちょっとずつ違ったトラブルがある。困って「助産師さんに声をかけたい」と思っても、緊急性のある人の方に行ってしまうとか、アドバイスが受けられない状態が続いちゃって。もう1人ぐらいアドバイスしてくれる人が欲しいとは思いました。

interviewer:確かに、そうですよね。

Iさん:最初の3日間ぐらいは、母乳があまり出なくても、気にしていなかったんです。でも、だんだん母乳が出る準備ができてきたのに、赤ちゃんがちょっと吸いづらかったようで、結局入院してる最中は、母乳が出るのにあげられなかったんです。

interviewer:それは焦りますよね。

Iさん:なかなか相談できず困っていたところ、退院する前日に、助産師さんが退院間近な人にアドバイスに回ってくださって。そこでようやく相談できて「退院後に専門の助産師のところに行って、見てもらった方がいい」と聞いたので、すぐに予約を取りました。

interviewer:なるほど。

Iさん:それで退院した後、専門の助産師のところで「乳頭保護器を使うと、うまく飲める」という指導を受けて、やっと母乳をあげられるようになったんです。

interviewer:確かに助産師さん1人で皆さんを見るのは難しいですよね。コの字型の部屋には何人くらいおられましたか。

Iさん:私が産んだ日は、他に2人だったんですけど、1日に4、5人生まれている日もあって、かなりハイペースで赤ちゃんが生まれて、最後の方は10人くらいいたんですよね。入院されている方自体も多くて、フォローするのが大変なんだろうなって思いました。

interviewer:続々と授乳に来るっていう感じなんですね。

心配していた産前産後のメンタルは“幸せホルモン”が支えてくれました。

Iさん提供写真

interviewer:「無痛分娩で産もうと思う」と言った時のご家族のリアクションはどうでしたか?

Iさん:うちは家族全員みんな大賛成でしたね。

interviewer:ご家族は無痛分娩について、ある程度の知識をお持ちだったのですか?

Iさん:知識はそんなになかったのですが、説明したら「痛くないんだったらそれの方がいいじゃん」みたいな感じです。

interviewer:なるほど。

Iさん:費用面でも「高くてもいいんじゃないの?」という反応でした。私自身、実は持病で精神的な疾患があります。 うつ病ではないんですけれども、ちょっとうつ症状になりやすい病気なんですね。だから事前に心配ごとがあると不安になってしまう。ただ、パニックになるところまでではないので、医療が必要というほどではないんです。 

interviewer:そうなんですね。

Iさん:出産っていろいろと不安なことがいっぱいあるじゃないですか。だからその不安が1つでも先に取り除けるのであれば、取り除いておきたいなって思いました。最後まで食事面で病院選びに迷ったんですけれども、夫は「絶対無痛分娩の方がいいよ」と言ってくれました。あと、すごく心配だったのがお姑さんの反応です。その世代の方って「痛みを乗り越えて」みたいな思想があるじゃないですか。

interviewer:確かに。反応が気になりますね。

Iさん:でも、お姑さんは「いいんじゃない」って。無痛分娩がどうというよりは、病院自体を調べてくれて、長く無痛分娩をやってきた実績があるし「知り合いのお嬢さんがそこで産んでいて、よかったって言っていたから大丈夫じゃないの」というような話をしてくれました。

interviewer:協力的なお姑さんですね。

Iさん:そうですね。家族の反対も全くなく、本当にありがたいなと思いました。

interviewer:先ほど、精神的にちょっと落ち込みやすいというお話がありましたが、妊娠出産でどんな影響があったのでしょうか。

Iさん:一応、病名は双極性障害(Ⅱ型)です。薬もずっと飲んでいましたが、妊娠がわかったタイミングで薬はやめていました。そこから少し不安はあったんですけれども「幸せホルモン」のおかげで、妊娠中は精神的に一番安定していました。

interviewer:母乳をあげている時にも出るという幸せホルモンですよね。

Iさん:そうです。病気を持っていて、しかも断薬していると、産前産後にうつ状態になるんじゃないかと心配でいろいろ調べたんです。ホルモンバランスが崩れた時になりやすいというような学術的な論文も結構出ていたので心配しましたが、母乳をあげていたおかげなのか、産後もずっと幸せでした。子どもがかわいくて。もちろん、夜泣きとかもありましたけど(笑)

interviewer:そうだったんですね。今もまだ母乳育児をされていますか?

Iさん:はい。ミルクとの混合でやっています。本当は母乳だけでも大丈夫なんですけど、夫もミルクをあげたいというので。

interviewer:よく分かります。

Iさん:ミルクをあげる楽しさがあるようです。

interviewer:そうですね。母乳の場合、男性は直接的にやれることがあんまりないですからね。

Iさん:そうなんですよね(笑)

不安を感じた時は、自分を客観視することが回復のカギに。

Iさん提供写真

interviewer:でも、Iさんのように精神的な持病があって妊娠・出産を控えている方は、たくさんおられるような気がします。

Iさん:そうなんですよ。だから私のような事例もあると思っていただきたいですね。実は結婚した時に主治医から、子どもを持つことはあまり薦められなかったんです。「もし子どもを持つのであれば、夫さんには相当の覚悟が必要。相当なストレスがかかるため、もし妻さんが入院しても1人で育児ができるぐらいの覚悟がないと、厳しいかもしれない」と、最初にクギを刺されていたので。

interviewer:そうなんですね。

Iさん:お互いに子どもは欲しいなと思っていて、夫婦共に高齢だったので、場合によっては不妊治療も考えようかと思っていましたが、持病のことがあったので不妊治療はせず、できた時に考えようみたいな感じで過ごしていました。

interviewer:なるほど。

Iさん:幸い、それで子どもができて、その時に主治医にも相談しました。「東京衛生アドベンチスト病院」では、精神疾患があるということで「症状によっては精神科併設の病院に転院してもらう必要があるかもしれない」と最初に言われていたので心配していたんです。

interviewer:確かに。心配ですよね。

Iさん:でも精神科の主治医が病状を書いて、病院の産科の方へ情報共有した上で「精神的な疾患はあるけれども、症状は安定しているから大丈夫」と言ってくれました。

interviewer:それは安心ですね。

Iさん:しかも精神科の主治医さんが「(産科の)病院は近いから何かあった時は駆けつけますよ」って言ってくれました。

interviewer:めちゃくちゃいい先生ですね。

Iさん:そんなサポートもあって、メンタルで不安な部分も、出産の部分も両方うまくいきました。

interviewer:本当によかったですね。

Iさん:だから、うつ病歴があって「ちょっと心配だな」って思うのであれば、私としては、少しでも不安を取り除ける無痛分娩を選ぶのがいいんじゃないかなと思います。

interviewer:なかなかIさんのような経験って語られることがないんですよね。だから同じ境遇の方は参考になるし、勇気づけられると思います。

Iさん:私も、自分と同じ状況の人がいないかと思って、すごく調べたんです。どうしても精神疾患がある人はナーバスになりやすいので、妊娠のところで「どうしよう、どうしよう」ってなると思うし、私も実際に不安でした。でも、精神科の主治医さんからは「妊娠中は幸せホルモンでメンタル安定している人の方が多いよ」と言われました。

Iさん:その後、母乳指導してもらったり、あとは、元々の持病なので、自分で認知行動療法というのをやったりしました。「なぜメンタルが崩れたんだろう」みたいなことを自分で分析をして「いや、この問題はこれで解決できるから、大丈夫じゃん」みたいになって、回復した感じはあります。

interviewer:認知行動療法って、例えば「自分は今こうだから、緊張しているんだ」みたいに自分を客観的に捉える療法だと聞いたことがあります。

Iさん:そうです。疾患がない方でも、入院している時に不安になることがあると思うんですね。子どもが生まれた後、なぜ自分が悲しくて涙が出ているのかっていうのを「なんで?なんで?」という風に分解していくと「人と喋れてないから」とか「誰かに会いたい」とか、どんどん理由が出てきます。さらに「それはいつまでに解決するのか」とか「どうしたら解決できるのか」みたいなことを考えていくと「あ、そんなに重い問題じゃないな」って気づくんです。

interviewer:なるほど。

Iさん:そうやって、崩れそうなメンタルを、回復することもできるんじゃないかなと思っています。

interviewer:そうだったんですね。

Iさん:問題を抱えた時って、当事者になってしまうと「わー」って混乱しますが、気持ちを客観視することで「あ、全然大したことなかったわ」みたいなことが割とあるし、誰かに相談したらすぐ解決することも、実はあったりします。

interviewer:大事な考え方ですよね。

退院後、実家の大掃除ができるほど元気でした。

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interviewer:無痛分娩で感じたメリットを教えてください。

Iさん:まず不安が少ない。痛みに対する不安ってすごく大きいと思うんです。だから、その痛みに対する不安が少なくなること、産んだ時が楽で、産後の回復も早い気がしました。

interviewer:産後の経過はいかがでしたか?

Iさん:会陰裂傷しているので、そこはすごく痛かったんですけど、それ以外に関しては、麻酔が切れてからすぐ歩けましたし、身の回りのこともすぐにできました。

interviewer:そうだったんですね。

Iさん:1週間後に退院して、自宅ではなく実家に帰ったのですが、実家の部屋が汚かったので、帰ったその日に大掃除しました。

interviewer:実家の大掃除ができたって、すごいですね。

Iさん:部屋のホコリとかがすごくて。

interviewer:確かに。子どもが生まれる前は気にならなかったことが、目についたりしますよね。 

Iさん:そうなんです。エアコンのフィルターのホコリが気になっちゃって。子どもがいるのにこんな部屋では住めないと思って、その日の夜に徹底的に掃除して、やっとスッキリしたって感じでした。相当体力はあったと思います。

interviewer:きっとご両親も「掃除はしっかりできている」という感覚なんでしょうね。

Iさん:そうなんです。こちらからすると「汚れているじゃん」って思うっていう(笑)

interviewer:では、無痛分娩のデメリットはありましたか。

Iさん:私はあまり感じなかったです。お金がかかることがデメリットなんだと思いますが、20万円ぐらいだったら、そこまでデメリットでもないと思います。あとは「生まれた時の感覚が少しわかりづらい」ことでしょうか。「何かが落ちたみたいな感じ」で、あまりにもスムーズに行きすぎてびっくりしちゃって。その時は「あ、もう1人産める」と思いました(笑)。自然分娩で産んだことがないので、比較はできないですけど。

interviewer:そうですよね。

Iさん:私としては、無痛分娩はメリットばかりでした。

interviewer:最後に、無痛分娩を考えている人や、同じようなご病気を抱えている方にも、メッセージをお願いします。

Iさん:誰でも妊娠出産は常に不安がつきものだと思うので、その不安を少しでも和らげることができるというのが、無痛分娩の良いところだと思います。自分の環境や周りの協力があるのであれば、無痛分娩を選んだ方が、出産前も産後も基本的には楽になるのでおすすめですね。

interviewer:今日はありがとうございました。

Iさん: ありがとうございました。

※ご注意ください

体験談で語られている病院のサービス等に関する情報は、体験者様がご出産当時に体験されたものです。これらは時期や状況によって変わる可能性があり、現在も同じとは限りません。詳しく知りたい方は病院のホームページ等から最新情報をご確認ください。

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