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2021.10.17
体験談

横浜市 Sさんご夫妻 2人目を無痛分娩にした理由/ワキタ産婦人科

1人目のお子さんを自然分娩、2人目のお子さんを無痛分娩で出産されたSさんご夫妻にお話を伺いました。

基本data

■name/Sさんご夫妻

■年齢/夫_36 妻_37

■お住まいのエリア/神奈川県横浜市

■家族構成/夫+妻+子ども2名(5歳と1歳)

■出産施設/藤が丘「ワキタ産婦人科

■無痛分娩回数/1回

■出産費用総額/50万円台-42万円(出産一時金)

■無痛分娩実施時期/2020年

取材時期:2021年10月

2人目の妊娠の途中から無痛分娩を選択

Sさん提供写真

interviewer:Sさんは2人目を無痛分娩で産まれたとのことですが、その理由を教えて下さい。

妻:私の場合は1人目は自然分娩、2人目を無痛分娩にしました。1人目は里帰りで岩手県の盛岡で出産しています。2人目はいま住んでいる家の近くで産みました。無痛分娩にした理由は、やっぱり上の子がいると環境が変えにくいというのが大きかったです。保育園にも通っていますし、上の子を連れて里帰りというのは難しかったんですね。ですので2人目は最寄り駅から数駅で気軽に通えるクリニックで産むことにしました。

interviewer:そこの病院は24時間無痛分娩が可能な病院でしたか?

妻:24時間は対応していないと思います。無痛分娩に必要な設備(機械)が1つしかないということで、完全予約制で無痛分娩をするという「無痛分娩=計画出産」の病院でした。あとは他にも条件があって、1人目の出産の場合だと無痛分娩は不可。経産婦さんのみ無痛分娩可能ということでした。

interviewer:無痛分娩に必要な設備(機械)ってどのようなものなんですか?

妻:麻酔を入れるための機械です。麻酔の注射自体は先生がしてくれるのですが、その注射が機械につながっていて、スイッチを押すと自分で麻酔を追加できるというものでした。この機械が1台だけしかないので、完全予約制の計画出産というスタイルをとっているそうです。

interviewer:計画出産とのことですが、出産日はどうやって決めたのですか?

妻:もともと私が病院に「無痛分娩で産みたい」ということをはっきりとお伝えしていなかったんです。本来の出産予定日が1月中旬だったんですが、12月くらいに先生に「私、無痛分娩がやりたいんですけど」と言ったら「え!?Sさん無痛分娩するつもりだったんですか!?早く言ってくださいよー!」と驚かれ「じゃあ、1月○日しか無痛分娩用の機械が空いてないから、Sさんは○日に出産で決定!」という感じで決まりました。だから機械が空いてる日がその日しかなかったから、その日に産んだと言う感じですね。

interviewer:途中から無痛分娩に変更できたのはラッキーでしたね。他の病院だと途中で無痛分娩に変更することはできないところが多いって聞きましたよ。

妻:そうだったんですね。それは運が良かったです。もともと近隣でも評判の良い病院でした。

interviewer:無痛分娩という出産スタイル自体は、1人目のお子さんを産んだ時から知っていましたか?

妻:一応、存在は知っているという程度でしたね。それもメディアでよく取り上げられるような「後遺症のリスクがある」みたいな、不安を煽る系のニュースで知っていたので、そんなに良いイメージはありませんでした。だから、まさか自分が無痛分娩をやることになるとは思ってもいませんでしたね。

夫:ボクは1人目の時は無痛分娩という存在を知らなかったですね。2人目を妊娠して、奥さんから聞いてはじめて知りました。

interviewer:良いイメージがなかったのに、2人目の出産の時に無痛分娩をしたのはなぜでしょうか?

妻:学生時代の友人が3人目のお子さんを無痛分娩で産んだんです。その友人は上の子ども2人を自然分娩で産んでいるのですが、話を聞いてみると「無痛分娩マジで最高だった!」と言っていたんです。私は1人目の出産がすごくしんどいお産だったんです。長時間かかったし、痛みも凄まじかったし、上手く子どもを出せないし。だからお産にあまり良い思い出がなかったんですね。だから友人の話がきっかけで「無痛分娩ができたら良いな」と思うようになりました。それで私が2人目を妊娠してから通っていた病院が、無痛分娩もやっているということを知って、先生に相談してみたというのが流れですね。だから先ほども話したように先生にはびっくりされましたね。

interviewer:では最初から無痛分娩をしたくて、そこの病院を選んだわけではなく、妊娠してから無痛分娩にしたということですか?

夫:はっきりと覚えてないけど、事前に2人目を無痛分娩で産もうっていう話はしてなかったよね。

妻:そうだね。ぼんやりと「無痛分娩やりたいな」くらいの気持ちはもってたと思うんですけど。そもそも、この少子化のご時世だと、産院自体がなかなかないんですよ。うちの区で産科をやっている病院を検索したら5件くらいしかヒットしなかったんです。その中で私が電車で通える範囲の病院を絞っていくと、2つしか選択肢がなかった。そこであとは口コミなどで評判を調べて、病院を決めました。

interviewer:無痛分娩に興味を持ちはじめてから、無痛分娩の情報はどこで仕入れましたか?

妻:やっぱり先ほど話に出た無痛分娩を経験した友人に色々と話を聞きましたね。その後は、ネットで色々と調べました。すると「アメリカでは無痛分娩の方が一般的で、自然分娩は少数派」という情報がでてきたので、アメリカに住んでいる友人数名にまた話を聞きました。アメリカの友人も無痛分娩はしていないので、その周りのママ友の話だったり、アメリカでは無痛分娩に対してどういう感覚なのかとかを聞きました。

無痛分娩で産むまでと産んでから

Sさん提供写真

interviewer:Sさんの体験した無痛分娩について教えて下さい。

妻:出産当日は朝8時に1人で病院に行きました。「産みに来ましたー」くらいの感覚で。そのあいだ夫は上の子を保育園に連れていってくれましたね。病院に入ったら「じゃあここで横になってください」と言われて、陣痛促進剤を打たれました。麻酔を打つより先に陣痛を促すのが先でした。そこからは30分ごとぐらいに看護師さんがやってきて「陣痛きた?」「陣痛きた?」って聞かれる感じでしたね。なかなかこれといった陣痛が来なかったんですが「まだ遠くの方にチラチラ感じるくらいです」と答えたら「じゃあそろそろ分娩室に移動しよう」と言われ、お昼前ぐらいに背中に麻酔を打ってもらいました。でもその時はまだ陣痛自体もぜんぜん痛くなかったので、麻酔の出番はあまりなかったんですけど。とにかく促進剤を使って、陣痛が来るのをずっと待っていたというのが印象に残っています。麻酔をしてからも、まだまだ陣痛が来なかったので、夫は途中で病院を抜けてラーメンを食べ行きました。私はたしか麻酔が効いていたので、病院のお昼ごはんは食べられなかったように記憶しています。

interviewer:無痛分娩だとお産が長引くケースもけっこうあるみたいですね。

妻:そうですね。そんなこんなで全然陣痛が来なかったんですが、私たちにはタイムリミットがありまして。夫が子どものお迎えをしないといけないので、17時までには産まないといけなかったんです。だから先生に「私、17時までに子どもを出さなきゃいけないんです」って言いました。すると先生をはじめスタッフの皆さんも奮闘してくれて。助産師さんが指を入れてグリグリと子宮口を広げるという方法で、こじあけてくれましたね。もちろん麻酔が効いているのでぜんぜん痛くなかったです。そうやって何回か刺激してもらい、タイムリミットギリギリの16時50分に無事に2人目が生まれました。

interviewer:本当にギリギリだったんですね。

妻:そうなんです。だから夫も「おつかれさまー!じゃあお迎え行ってくるね」という感じで病院を後にしましたね。

夫:本当にそんな感じでした。ちょっと写真を撮って、すぐにお迎えにいくみたいな感じでした(笑)。

interviewer:産まれるまでの間は、男性側はどんな感じで見守っていたのですか?

妻:基本的にはお話相手っていう感じだったよね。

夫:うん。自然分娩で産んだ1人目と比べると、無痛分娩は僕の方もぜんぜん気楽でしたね。妻の横に座って話をしている感じでした。部屋には陣痛の波が表示されるモニターがあって、その波を見ながら「いま陣痛きてる?」と聞いたら「来ているような来ていないような」みたいな返しをされました。でも産まれる前にはちょっとずつモニターの波に合わせて「痛い痛い」って言ってた気がします。

妻:うん。激しい痛みというわけではないけれども、痛いは痛かったね。

interviewer:麻酔をしていても痛みはあるんですね。

妻:あー。なんて言ったらいいんでしょうか。いわゆる「痛み」っていうのともまた違ったやつなんですけど、なんかしらの感覚はあるんです。他にもぜんぜん子どもが出てこないから。先生が吸引をかけてくれたんですよ。吸引しつつ、先生が上に乗ってお腹を押すみたいな。それ自体もぜんぜん痛くはないんですけど、息苦しいみたいのはありましたね。これ、本当になんて表現していいのかわかりません。本人にしかわからない感覚のもので。あとは、子どもが出てくる途中も、ちょうど股の部分で止まっちゃって。「ここで止まられると苦しいな」というのもありましたね。無理やり言語化すると、肌が引っ張られて限界になっている感じかな。だから直接の陣痛の痛みはないんだけど、例えば肌が限界まで引っ張られている感じとか、お腹を押されている圧迫感のようなものは感じましたね。

夫:1人目の出産は時間もかかったし、泣き叫ぶような感じだったし、立ち会っている側も凄い大変だったけれども、無痛分娩は楽だったね。

interviewer:麻酔を自分で追加できる機械は、どんな感じで使用しましたか?

妻:その機械は、麻酔の注射とつながっていて、5分おきぐらいに自動的に適量の麻酔が入るようになっていました。点滴みたいな感じですね。ナースコールみたいに手で握れるようなボタンがついていて、自分が痛みを感じたらさらに追加で麻酔を入れられるというものです。もちろん制限なしに麻酔が出るわけではなく、一定の時間が経つと規定量の範囲内で麻酔を追加できる感じです。私の場合は、陣痛が近づくにつれて痛くなってきたので、生まれる直前はボタンを押しまくりでした。

interviewer:生まれてからの流れはどんな感じでしたか?

妻:産んだ後は、麻酔をいっぱい体の中に入れたから、ちょっと具合が悪くなってしまいました。貧血みたいなこともあるだろうし、まぁちょっとクラクラしちゃってて。「すいません気持ち悪いです」と先生に伝えて、回復するまではしばらく分娩台の上に横になっていました。しばらく経って落ち着いてから部屋に戻りましたね。そのまま晩ごはんの時間が来て「夕飯どうする?多分吐いちゃうと思うけど」と聞かれたんですが、お腹が空いてきたので「食べます」と答えました。そしたら案の定、気持ち悪くなって吐いてしまいましたね。やっぱりまだ麻酔が体内に残っていて、消えるまでは食べれないとわかったので、その日は水をちょびちょびと摂取しつつ、赤ちゃんにおっぱいをあげながら朝まで過ごすという感じでした。翌朝になるとちゃんとご飯も食べられるようになりました。

夫:ボクは子供を保育園に迎えに行って、そのまま家に帰ってご飯を食べさせて寝ました。次の日の朝に、子どもを連れて病院にいきましたね。

妻:そうだったね。写真を撮ったりしたのを覚えてる。

Sさん提供写真

interviewer:退院までは何日間かかりましたか?

妻:5日間です。

interviewer:初産の場合は、入院期間中にミルクのあげ方など、子育ての方法を教わったりすると思うんですが、2人目の出産の場合って、入院期間中は何をするんですか?

妻:特にやることはなかったですね。とにかく体力を回復させることに徹するというか。もちろん毎日先生が様子を見にきてくれますが、元気なことを確認してもらったら、あとは特別やることはありませんでした。

interviewer:無痛分娩後、体の疲労感などはどんな様子でしたか?

妻:いまになって思えばなんですが、私が1人目を産んだときって産後ハイになっていたんですよね。だから痛みや疲れとかも感じていなくて、出産から1ヶ月経ってから、実は自分の骨盤がすごく痛いことに気づいたり、後から突然体中が痛いことに気づいたりしていました。そしてそこから1ヶ月ぐらい具合が悪くなっちゃったり。2人目の時は、出産してすぐに「あ、ここ痛い」「尾てい骨痛い」とか感じられたので、体の不具合をすぐに見つけられたというか。だからそこからの回復は全然早かったですね。1人目の時と比べると「体が痛いから寝ておこう」みたいな冷静な判断ができてましたね。

interviewer:通常まで体力が戻ったと感じたのはいつぐらいでしたか?

妻:通常までとなると、3ヶ月ぐらいかかったと思います。あとは無痛分娩とは全く関係ないんですが、メンタル的なバランスが崩れてしまって、そっちの方が長引きましたね。

出産というものに冷静に向き合える

Sさん提供写真

interviewer:色々と事前に情報は調べていたと思うんですが、無痛分娩をするにあたって、不安や疑問はありましたか?

妻:もちろんネガティブな情報が目に入るというか、聞こえてきたりもしました。でも実際にちゃんと調べてみると、事故とかになった件数ってぜんぜん少なかったんですよね。そもそも、日帰りの軽い手術でも、歯医者の麻酔でも、体に麻酔を入れる場合、メリット・デメリットが出てくるのは当たり前だと思うんです。だから、ネガティブな情報を見ても、そんなに不安になるようなことはなかったですね。

夫:麻酔を使うから危険性がゼロってことにはならないけど、だからといって「無痛分娩をやめよう」とか、そういうことにはならなかったですね。

妻:どちらの両親も地方に住んでいて、サポートをその場で受けられない。私と夫でどうにかこの出産を乗り越えなければという状況の方が、麻酔を使うリスクよりも全然ハードでした。その状況下で生活サイクルをキープしつつ、出産するということを具体的に考えると、やっぱり無痛分娩は私たちには必要なことだったと思います。

無痛分娩の具体的な費用は?

interviewer:ちなみに無痛分娩の費用は大体どれぐらいでしたか?

妻:費用は自然分娩プラス9万円ぐらいだったと思います。横浜市はそもそもの出産費用が割と高めで、出産一時金と相殺して、持ち出しは15万円ぐらいだったかな。なかなか子どもが出てこなかったから、吸引かけたりもしたのでその分の費用もかかっています。吸引の分の費用は保険が降りたんですが、額面的には15万円の持ち出しという感じでした。ちなみに盛岡で1人目を産んだ時は、自然分娩だったので、出産一時金と相殺して、持ち出しが4万円ぐらいだったと思います。やっぱり地域差によっても料金が変わりますね。

無痛分娩のメリット・デメリットは?

interviewer:無痛分娩のメリットだと思うところは、どんなところですか?

妻:そういう病院だったというのもありますが、あらかじめ日程を決めて出産できるのは私にとってはすごくよかったですね。あと、出産というものに冷静に向き合うことができました。「いまこういう状況だな」「いまこういうことが起きているな」というのを俯瞰して捉えることができました。助産師さんのアドバイスも冷静に耳に入ってくるので、焦ったりすることなく対応できましたね。

夫:計画的に産めるというのはすごいメリットだったね。ボクとしては「産む本人が苦しくない」っていうのが1番のメリットでしたね。1人目の時は、それはそれは痛がるわ、キレるわ、すごかったから。

妻:私にすごい八つ当たりされてたよね。

夫:それに関して言うと、1人目とは比較にならないぐらい楽だった。奥さんが落ちついていたし、穏やかだったし。

interviewer:無痛分娩のデメリットだと思うところは、どんなところですか?

妻:自然分娩と比べると、生まれた瞬間の達成感みたいのは少ないかもしれないですね。自然分娩の時は「つらい、つらい、つらい、痛い、痛い、痛い×100、、、終わったーーー!!」みたいな感じだったんですが、無痛分娩だと「ふう、終わった」みたいな感じでしたね(笑)。もちろん赤ちゃんに出会える喜びに変わりはありませんが。デメリットを強いてあげるとすれば、それぐらいですかね。

夫:麻酔のリスクがちょっと増えるのと、金銭負担がちょっと増えることぐらいですかね。あと無痛分娩ができる病院が近くになかった場合は、移動の疲れとかストレスとかも出てくるのかなと思いますね。

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