埼玉で無痛分娩予定 airi_ozonoさん【前編】/恵愛病院
間もなく無痛分娩でのお産を控えているairi_ozonoさん。「無痛分娩以外の選択肢は0.1%もなかった」とのこと。フランス滞在の経験があり、ご主人もイギリス人というairi_ozonoさんは日本の無痛分娩事情に直面して色々と驚きがあったようです。出産前のお気持ちをお伺いしました。
【基本data】
■name/airi_ozonoさん
■年齢/妻_42 夫_45
■お住まいのエリア/神奈川県横浜市
■家族構成/夫+妻
■出産施設/医療法人 恵愛会 恵愛病院
■無痛分娩回数/0回
■無痛分娩費用/約74万円(基本費用64万円+無痛分娩費用10万円)(予定)
■無痛分娩実施時期/2023年4月(予定)
取材時期:2022年11月
日本での産院探しに苦戦。シンガポールでのお産も検討!?
interviewer:本日はどうぞよろしくお願いいたします。簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか。
airi_ozonoさん:よろしくお願いいたします。北海道で生まれ、幼少期は埼玉の山の中で育ちました。今はイギリス人の夫と横浜に住んでいて、仕事は四柱推命鑑定士をしています。
interviewer:無痛分娩を知ったきっかけは何でしたか?
airi_ozonoさん:21歳と30歳の時にそれぞれ1年間フランスに住んでいたのですが、フランスでは無痛分娩が当たり前なんです。ちなみに最初は留学、次はワーキングホリデーでの滞在でした。
interviewer:それで自然と無痛分娩を知っていたのですね。
airi_ozonoさん:はい。ただ、個人的には無痛分娩という言い方に違和感を感じるんですよね。『無痛分娩って無痛じゃない』と思うので。
interviewer:なるほど。確かに「無痛」という言葉ですと「全く痛くない」ということを連想するかもしれませんね。
airi_ozonoさん:そうです。実際に全員が痛みがゼロになるわけではないので。
interviewer:ご主人はイギリス人とのことですが、どのように出会われたのですか?
airi_ozonoさん:共通の友人からの紹介がきっかけです。彼は若い頃から日本に興味があったとのことで。
interviewer:国を超えて、素敵なご縁ですね。
airi_ozonoさん:ありがとうございます。
interviewer:ご自身が妊娠されて、実際に無痛分娩を選択する際に迷いはありませんでしたか?
airi_ozonoさん:私の中では無痛分娩以外の選択肢は0.1%もありませんでした(笑)。
interviewer:全然迷っていませんね(笑)。
airi_ozonoさん:ワーキングホリデーを終えて帰国してからもフランスには度々訪れていて、欧米人の友人も多いので「無痛分娩が当たり前」という環境にいることも大きいかもしれません。
interviewer:無痛分娩についての情報収集はどのようにされましたか?
airi_ozonoさん:病院から無痛分娩に関する資料をいただいたので、それを読みました。
interviewer:産院はどのように探されましたか?
airi_ozonoさん:インターネットで探しました。
interviewer:産院選びはスムーズでしたか?
airi_ozonoさん:それが、なかなか思うようにいかず大変でした!まず、最初に妊婦健診で通っていた産院があるのですが、そこでは平日の朝の9時から夕方の5時の間しか無痛分娩に対応していないと知り「どうして!?そんなふうに決められた時間内にちゃんと生まれてくるものなの!?」と驚きました(笑)
interviewer:日本ではむしろ、24時間無痛分娩に対応している産院が少ないという現状を知らなかったのですね。
airi_ozonoさん:そうなんです。他の産院も検討する中で、その産院だけが特別なのではなく同じように対応時間に制限がある産院は結構あるのだと知りました。
interviewer:「カルチャーショック」を受けたのですね(笑)
airi_ozonoさん:そうとも言えますね(笑)。分娩にかかる時間は人それぞれですし、長い人だと何十時間もかかる場合もあるというじゃないですか。時間制限がある産院でのお産は、不確定要素が多いので確実に無痛分娩をしたい私にはなかなかハードルが高いと感じました。決められた時間を過ぎてお産になった場合は、自然分娩になると聞いて「それは無理!」と思いましたね。麻酔を使用した時点で無痛分娩費用は発生するのにも関わらず、自然分娩になるかもしれないというのでは意味がないと感じました。
interviewer:他の産院はすぐに見つかったのでしょうか?
airi_ozonoさん:ちょうど引っ越しを予定してたのですが、住むエリアが決まっていなかったのでしばらくその産院で妊婦健診を受けていました。引っ越し先が横浜と決まった妊娠19週くらいの時に、新居から通える範囲で24時間無痛分娩に対応している産院を探したのですが、既にどこも空きがなくて分娩予約が取れなくて。それで最終的には、実家から通える「恵愛病院」で受け入れていただけたので、里帰り出産することにしたんです。
interviewer:それで里帰り出産をすることにされたのですね。
airi_ozonoさん:そうなんです。「こんなことになるなら最初から里帰り出産にすると決めて産院を探しておけばよかった」と後悔しています。でもなかなか産院が決まらず不安だったので、最終的には24時間無痛分娩に対応している産院の分娩予約が無事に取れて安心しています。夫は私が病院探しにすごく苦労してるのを見て「日本での産院探しはなぜそんなに大変なの?」と驚いていて、事情を説明すると「もし日本で無痛分娩ができる病院が見つからなかったら、シンガポールで産もう」とまで言ってくれていました。
interviewer:えぇ!まさかのシンガポール!なぜシンガポールなのですか?
airi_ozonoさん:イギリスよりも近くて、医療が発達しているからという理由です。
interviewer: さすが、選択肢がグローバル!!
airi_ozonoさん:私は「さすがにシンガポールまでは・・・!」と思っていたので、無事に、安心してお産できる病院が日本で見つかって本当によかったです。大きいお腹で飛行機に乗るのは大変ですからね。
interviewer:できれば移動は少ない方が身体への負担が少ないですよね。出産費用はおいくらの予定でしょうか?
airi_ozonoさん:分娩費用が約64万で、無痛分娩費用が約10万円です。
interviewer:合計すると約74万円ですね。費用についてはどのように感じましたか?
airi_ozonoさん:高いとは思いましたが、自然分娩という選択肢が私の中にはなかったので費用については受け入れています(笑)。
interviewer:お産は計画無痛分娩でしょうか、それとも自然陣痛を待ってからの無痛分娩でしょうか?
airi_ozonoさん:特に問題がない限り、自然陣痛を待ってからの無痛分娩と病院から言われています。
interviewer:airi_ozonoさんのご希望はありましたか?
airi_ozonoさん:四柱推命鑑定士という仕事柄「できれば誕生日を選びたい」という思いがあったので、最初はどちらかというと計画無痛分娩がいいなと思っていました。ですが病院の方針として「基本的には初産の場合は自然陣痛を待つ」ということでしたので、それを聞いて自分で少し調べてみたんです。「陣痛促進剤を投入しても思うように子宮口が開かなった」「バルーンを入れたけど思うようにお産が進まずとても痛い思いをした」などの体験談をネットで見て「そういうこともあるなら、赤ちゃんが出てきたいタイミングを待った方がいいかな」と思いました。
interviewer:そうだったんですね。「お誕生日を選びたい」というのは四柱推命鑑定士のairi_ozonoさんならではのエピソードですね。
airi_ozonoさん:そうですね(笑)。できれば避けたい日にちがいくつかあって、その1つが予定日の翌日なんです。
interviewer:翌日ですか!
airi_ozonoさん:そうなんです。なので「もし予定日ちょうどに陣痛が来て、お産が長引いて翌日に持ち越したりしたら・・・」などと考えてしまいますね。「この日だけは本当にやめておいた方がいいよ」とお腹の赤ちゃんに言い聞かせています(笑)。それでもその日に産まれてきたらそれは「この子の選択なんだ」と受け止めるつもりですけどね。できれば苦労は少なく、気楽に生きられる命式(四柱推命で使用される、生まれた生年月日と時刻であらわした「表」のこと)で産まれてきてほしいなと思っています。
interviewer:無痛分娩をするにあたって、 不安なことはありますか?
airi_ozonoさん:無痛分娩について不安は全くありません。日本では「無痛分娩のリスク」にフォーカスされることが多いのかなと感じます。例えば医療ミスによる死亡事例や、下半身麻痺の事例などですね。私は無痛分娩に限らず、自然分娩でも同じようにリスクはあると考えていますので、万全の備えをした上で挑んだお産で万が一何かが起こってしまった場合はそれはそれと受け止めます。
interviewer:無痛分娩に限らず、どのようなお産スタイルでもリスクはつきものということですね。
airi_ozonoさん:無痛分娩についての不安はありませんが、麻酔を入れる前の陣痛がどれくらい痛いのかは不安です。あとは、万が一横浜にいる間に陣痛がきてしまったらどうしようと思ったりはします。
interviewer:ご自宅から産院までは2時間かかるのですものね。
airi_ozonoさん:そうなんですよ。電車での移動は難しいですものね。
interviewer:それは無理です!(笑)。
airi_ozonoさん:そうですよね(笑)。余裕を持って早めに里帰りしておかないといけないなと思っています。
日本のママは悩みが多い!?もっと自分の選択に自信を持って。
interviewer:無痛分娩に関して、ご家族のリアクションはどのような感じでしたか?
airi_ozonoさん:夫にとっても無痛分娩でのお産は当たり前なので、私が「お産は無痛分娩がいいな」と話すと普通に「うん、そうして」という感じでしたね。
airi_ozonoさん:ちなみに彼も45年前にインドで無痛分娩で産まれたそうです。
interviewer:45年前のインドで、無痛分娩!
airi_ozonoさん:聞いた話によると、陣痛のあまりの痛さに耐えきれず、途中で麻酔を希望したそうです。インドの医療は意外と最先端なんですよ。
interviewer:そうなんですね。
airi_ozonoさん:夫はそんな感じでしたが、私の母には反対されました。母はどちらかというと自由な考え方の持ち主だと思っていましたので、まさか反対されるとは思っておらずとても意外でした。
interviewer:お母様はどのような反応をされたのですか?
airi_ozonoさん:「帝王切開で産まれたチンパンジー」のお話をご存じですか?
interviewer:初めて聞きました。どのようなお話しですか?
airi_ozonoさん:アメリカの動物園で、お産がうまくいかず帝王切開でチンパンジーが生まれたというニュースなのですが、産後しばらくして、毛布に包まれた赤ちゃんチンパンジーと再会したお母さんチンパンジーは、最初は赤ちゃんの存在に気がつかない様子だったとか。でも、赤ちゃんチンパンジーが手を伸ばした瞬間に、慌てて近づいてしっかりと抱きしめたというんです。母はそのニュースを見てとても感動したと言いつつも「でもやっぱり自然に産まないとダメなのよね」というふうに言っていました。お母さんチンパンジーがすぐに我が子を認識できなかったことに対して「やっぱり自然に産まないと」と思ったようです。
interviewer:とても遠回しな反対パターンですね(笑)。
airi_ozonoさん:人に何か言われたからといって、自分で決めたことを簡単に変えることはないという娘の性格をよく分かっているので「この子にはストレートに言っても意味がない」と思ったのかもしれません(笑)。
interviewer:お母様はairi_ozonoさんの性格をよくご存じなのですね(笑)。
airi_ozonoさん:あと、母と同世代の女性からも「やっぱり自然に産まないと。痛みを知らないとダメよ」というようなことを言われました。
interviewer:お母様と同じような意見ですね。
airi_ozonoさん:母もその女性も「痛みを経験しないと、母性がちゃんと湧かないのではないか?」ということを心配しているようでした。ちなみに私の姉は帝王切開でのお産でした。なかなか赤ちゃんが出てこなくて、途中で臍の緒が巻き付いていることが分かり緊急帝王切開になったんです。母としては「痛みを知っている」から同じ帝王切開でもそれはOKということのようです。
interviewer:お母様に対して、airi_ozonoさんはどのように返したのですか?
airi_ozonoさん:「産むのは私だからね」と伝えました(笑)。「産むのは私だし、育てるのも私だからさ」と。
interviewer:お母様の反応は?
airi_ozonoさん:それ以来何も言われていません。母と同世代の女性にも同じように伝えたら「そうよね。私の時代にはそういう選択肢はなかったのよね」と言っていました。
interviewer:お2人とも「無痛分娩」に馴染みがなかったのでしょうね。
airi_ozonoさん:日本では「なんだか引っかかるな」と思うことが他にもありました。例えば、NIPT(新型出生前診断)という、妊娠中に血液検査で赤ちゃんの疾患リスクを判定する検査がありますが、欧米では保険が適応されますし、実施すること自体が当たり前です。
interviewer:欧米では当たり前なんですね!知りませんでした!
airi_ozonoさん:私はその検査を受けたのですが、日本ではまだ一般的な検査とは言えず、賛否があるみたいですね。日本のメディアではNIPTを受けることを「命の選別」などと表現されたりしますが、そのような言い方がNIPTを受けること自体に「罪悪感」を植え付けるような結果になるのではと感じました。NIPTでは赤ちゃんの性別が分かるのですが、日本では性別を教えてもらえない病院も多いみたいですね。
interviewer:たしかに性別を教えてもらえない病院はありますね。
airi_ozonoさん:そうなんですよ。アメリカ在住の友人に話したら「なぜ母親と赤ちゃんのことなのにお産をする本人は知ることができないんだろうね。病院がそれを決めるのはおかしいよね」と言っていて、夫も同じ意見でしたね。
interviewer:NIPTの検査で性別が判明しても伝えないというのは、日本特有なのですね!ちなみにairi_ozonoさんはどうして出生前診断を受けようと思ったのですか?
airi_ozonoさん:私たち夫婦にとってはNIPTを受けることは自然なことでした。検査をすれば知ることができるものを、知ろうとしない理由が思いつきません。特に、私たちは夫婦共に40歳を超えているのでリスクは低いとは言えませんし、万が一子供が1人では生きていけない障害を持って生まれた場合、私たちがいつまでも面倒を見る保証ができないと考えました。
interviewer:なるほど。
airi_ozonoさん:正解は人の数だけあると思いますが、そういった未来をある程度予想できていながらも産むことの方が私は無責任だと思うのです。検査の結果は幸いなんともありませんでしたが、重大な病気等が見つかった場合は産まないことを夫婦で決めていました。
interviewer:事前に夫婦でしっかりと話し合ったんですね。日本だとそこまで話し合うケースは珍しいと思います。
airi_ozonoさん:疾患が見つかっても産むことを選択する場合においても、生まれる前から治療の計画を立てたり治療の資金準備ができたりしますよね。感情論ではなく、私は知れるリスクは事前に知っておきたいと考えます。
interviewer:日本ではNIPTを受けるには保険適応外ということもあり、アメリカのように当たり前になるにはまだまだ時間がかかりそうですね。NIPT以外にも、日本のお産事情について何か思うことがありましたら教えてください。
airi_ozonoさん:そうですね「日本でお産をするってある意味大変なのかもしれない」と感じる時があります。
interviewer:それはどういった場面でそのように感じるのでしょうか?
airi_ozonoさん:親に無痛分娩を反対されて、予想していなかった干渉に驚いたので少しネットで調べてみたんです。「無痛分娩 反対された」という感じのキーワードで(笑)。そうすると、結構同じようなことを言われる人がいるみたいで。私が驚いたのは、それに対して「どうやって説得しよう」と悩んでいる方が結構多いということです。
interviewer:確かに、親から反対されてどう返そうかと悩む方も少なくないと思います。
airi_ozonoさん:そもそも説得する必要はあるのでしょうか。産むのも、費用を出すのも、子供を育てるのも本人ですから、周りに完全に理解してもらうことは必須ではないと思うのです。どのような出産スタイルを選ぶかは本人の問題ですから。
interviewer:たしかにその通りですね。
airi_ozonoさん:私は20代の頃から「自分がお産をする時には、自分で出産スタイルを選ぼう」と決めていました。私は他人に何か言われても「そんなふうに言われる筋合いは全くないよね」と思うのですが(笑)。そういうふうに思えない人たちは悩んでしまうだろうなと思います。
interviewer:親に反対されて悩んでいる方がいたらなんと声をかけますか?
airi_ozonoさん:「周りの意見はスルーでいいと思うよ」と伝えたいです。全ての意見をスルーするということではなく「ネガティブ意見は」という意味で。もっと自分の選択に自信を持つことをオススメしたいですね。周りの意見を気にしていては悩みが尽きませんから。
interviewer:周りにそういうふうに声をかけてくれる人がいると、自分の気持ちに正直に選択ができそうですね。
産後の仕事・生活スタイルは、どうする予定?
interviewer:お仕事は自営業でいらっしゃいますが、産前産後の働き方はどのように計画されていますか?
airi_ozonoさん:お仕事はなるべくセーブする予定です。特に産後1年くらいの間はママ業に専念できたらと思っています。
interviewer:産後の家事分担についてご主人と話し合われたりしていますか?
airi_ozonoさん:夫に「全部お願いね」と伝えています(笑)。
参加者:ご主人はなんとおっしゃっていますか?
airi_ozonoさん:「もちろん!できるだけ休んでね」と言ってくれています。夫は家事・料理はできないのでドゥーラ(家事や育児をサポートする産後ケアの専門家)さんや家政婦さんにお願いするために色々と調べてくれています。
interviewer:ご主人がドゥーラさんを手配してくれるんですか!日本では「ドゥーラ」という言葉を知らない妊婦さんもまだたくさんいるかもしれません。しかし、行政から利用料金の補助が出る地域も出てきたりしていて以前よりは認知度が上がってきている印象です。ご主人の口から「ドゥーラさん」というキーワードが最初から出てくるあたりが羨ましいです。快適な産後は間違いなしですね。
airi_ozonoさん:彼は私と結婚するまで家事をやったことがない人だったので(笑)。自分ではできないことは外注するという考え方ですね。いろいろと調べて「このドゥーラさんはどうかな?」と聞いてきてくれます。
interviewer:素敵ですね。ちなみに、性別はもう分かっているんですか?
airi_ozonoさん:男の子です。
interviewer:楽しみですね!!出産の準備はもう始めていますか?
airi_ozonoさん:まだ全然できていません。里帰りしてから取りかかろうと思っています。
interviewer:いつ陣痛がきてもいいように、早めの準備をおススメします!(笑)。
airi_ozonoさん:そうですね。やっぱりもう少し早めに準備します!(笑)。
interviewer:本日はありがとうございました!ご出産後に落ち着いたらまたお話をお伺いするのを楽しみにしています!
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