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2024.05.08
体験談

福岡 T.O.さん 至福!パラダイスのような病院/福田病院

元々「痛みに弱かった」というT.O.さん。お友達の話を聞いて無痛分娩を選択し、地元でも多くの人が出産するという評判の病院で初産に臨みました。ほぼ丸一日陣痛があったにも関わらず「あのパラダイスをもう一度」と思う理由とは?T.O.さんが感動した妊婦さんへの手厚いサービスなど、お話を伺いました。

【基本data】

■name/T.O.さん

■年齢/40

■お住まいのエリア/福岡県筑後

■家族構成/夫+妻+子ども(1人)

■出産施設/社会医療法人愛育会 福田病院

■無痛分娩回数/1回

■出産費用/1万6000円程度プラス(基本費用:43万円+無痛分娩費用:5万円-出産育児一時金:50万円)

■無痛分娩実施時期/2023年10月

取材時期:2024年2月

妹から「絶対いいよ!」と聞いて決めた病院

福田病院の外観/T.O.さん提供写真

interviewer:本日はよろしくお願いいたします。

T.O.さん:よろしくお願いします。 

interviewer:まず、無痛分娩を知ったきっかけを教えてください。 

T.O.さん:友達からすすめられたことですね。私は40歳なので、周りには既に出産した友達が多くいます。不妊治療して授かったのですが、結構早い段階でクリニックの方から産む病院を決めてくださいと言われたのです。でも、病院といってもどうやって決めればいいのかなと思って。 

interviewer:そうですよね。 

T.O.さん:熊本に住んでいる妹とは仲が良くて、病院選びについて話をしたら「絶対、福田病院がいいよ」と言われました。 

interviewer:妹さんは熊本にお住まいなのですね。

T.O.さん:はい。友達に妊婦さんや家族連れが多いらしく「熊本の人はめちゃくちゃたくさんの人が福田病院で産んでいるよ」と言っていました。 

interviewer:イチオシだったのですね。 

T.O.さん:「もうここしかないよね」と(笑)。でも実際にすごくいい病院で、実はもう1回入院したいくらいです。 

interviewer:それほどなんですね。「福田病院」で無痛分娩しようと考えるようになっても、ご自身でいろいろと調べられたと思うのですが、病院のホームページや他の病院との比較など、リサーチはしましたか? 

T.O.さん:「福田病院」に決めてからは、他の病院との比較はせずに、実際に妊婦健診に行って、助産師さんに分からないことを直接聞きました。「福田病院」には助産師さんがたくさんいて、聞いたところでは90人くらいがシフトで動いておられるようです。毎月300人もの赤ちゃんが生まれているらしいので。 

interviewer:そんなに!それなら90人くらい助産師さんが必要ですよね。 

T.O.さん:私が出産した時も、ベッドの周りに3人くらいの助産師さんがついてくれていました。お医者さんも含めて5人くらいが部屋にいて、もう万全の体制という感じでした。 

interviewer:それは、大病院並みの体制ですね。 

T.O.さん:本当にそうです。総合病院や大学病院ではなかったので、母子もしくは子どもに危険が及んだ時には、救急車で熊本大学病院や別の病院に運ばれることになっていました。私はそこまでではなかったので、この病院の中で完結しました。 

interviewer:なるほど。ちなみに、どういったことを助産師さんによく質問していましたか? 

T.O.さん:産む前は「会陰切開」がすごく怖かったんですよ。その言葉自体も。 

interviewer:そうですよね。 

T.O.さん:怖いから、どうしたら会陰切開にならないか、対処方法などを事前に聞いたり「母乳が出るか不安です」と言ったりもしていました。あと、実際にはならなかったのですが、妊娠糖尿病のギリギリ手前の状態だったので運動をしていて、食生活についても助産師さんにたくさんアドバイスをもらいました。 

interviewer:産んだ後もいろいろと質問をしましたか? 

T.O.さん:はい。7日間の入院で、体がしんどくて新生児室に預けたこともあり、母子同室は半分くらいでした。その時に、母乳がなかなか出ない、母乳のあげ方がわからない、赤ちゃんを抱くときの手の位置がわからない、抱っこしても泣き止まないという状態で、自分もちょっと泣きそうになっていました。だから助産師さんに来てもらって、抱っこしてもらったり、分からないことをいっぱい質問したりしていました。 

interviewer:部屋に来てくれる人が、毎回同じ助産師さんというわけではないですよね。どの助産師さんも親切に対応してくださったということでしょうか? 

T.O.さん:本当にそうですね。「福田病院」は、自信を持ってサービスを提供されていると思いますし、全国から助産師さんや産婦人科医が研修など勉強しに来ると聞きました。どの助産師さんも素敵でした。 

少し痛みを残す麻酔でしたが、効いてくると天国でした

T.O.さん提供写真

interviewer:無痛分娩は、やり方、進め方など病院によって違いがあります。例えば麻酔の効かせ方も、あえて少しだけ痛みを残すのか、それとも完全に痛みをなくすのか、病院の方針によって違いますが「福田病院」はどうでしたか? 

T.O.さん:まず計画無痛分娩ができない病院でしたね。「陣痛が来たら、もしくは破水したら病院に来てください」みたいな感じで「え?大丈夫かな」と思いました。前もって分娩する日を決めて出産する人もいるのに、それができなくてちょっと怖かったです。 

interviewer:いつになるのか、落ち着きませんよね。 

T.O.さん:そうなんです。無痛分娩については痛みを残すタイプだったので、やっぱり多少痛かったです。陣痛がしんどすぎて、立ち会いをしていた夫いわく、3000回くらい「痛い」と言っていたそうです。麻酔が効いてからはそんなに苦しくなかった、というかまだ耐えられる感じになりました。もう少し早く麻酔をしてもらえばよかったと思います。 

interviewer:そう言われる方は結構多いです。初めてだと分からないですよね。 

T.O.さん:しかも針をブスッと刺すまでの準備があるじゃないですか。 

interviewer:背中に刺すのですよね。 

T.O.さん:そうです。あの準備の時間すら「早く、早く!」という感じです。でも、麻酔が効いてくるのがわかったら、みんなが神様に見えて「ありがとう…」みたいな(笑)。ここで一仕事終えた感がありました。あとは痛いけど耐えられる痛さで、そのまま出産して。麻酔が切れてからは、体が動かず、まるでゾンビみたいで「なんかいろいろ痛いぞ」という感じになりました。 

interviewer:なるほど。 

T.O.さん:麻酔が効いているうちは、その前の痛さに比べれば天国のようで、本当に救われました。 

interviewer:まず「無痛分娩しよう」と考えた時に、夫さんやご両親は、どういったリアクションをされましたか? 

T.O.さん:夫は「あなたが無痛分娩にしたいのならいいんじゃない?」と言ってくれて、特にやめた方がいいとか疑問の声もなかったです。ちなみに相談した時、夫はアメリカに住んでいました。

interviewer:そうなんですか! 

T.O.さん:そうなんです。元々予定日は10月下旬だったのですが、実際には1週間早く生まれて。でも、早まることもあるだろうからと、夫が10月前半には帰国していて、立ち会うことができました。 

interviewer:そうだったんですね。 

T.O.さん:母については、私から「今は無痛分娩を選ぶ人が多い」とか「無痛分娩でも痛みを少し残すみたい」とか、助産師さんに聞いた話をいろいろと伝えていたので「あなたがよければ、それでいいんじゃない?」という感じでした。 

interviewer:なるほど。 

T.O.さん:母自身は、自然分娩で子どもを4人産んでいます。世の中には「痛みを経験した方がいいよ」というようなことを言うお母さんも結構いると思いますが、母は「産んだ後の方が大変よ」と言っていて、その通りでした(笑)。 

interviewer:確かにそうですよね。先ほど、夫さんはアメリカに住んでおられるということでしたが、T.O.さんも元々アメリカ在住だったのでしょうか? 

T.O.さん:いえ、夫とはアメリカと日本との遠距離を経て結婚しました。私が日本での出産を選択したため、立ち会い出産のために帰国してくれたんです。 

interviewer:それは嬉しいですね。 

T.O.さん:アメリカは日帰りが多いって聞いてびっくりしましたね。

interviewer:そうみたいですね。 

T.O.さん:初産ということもあっていろいろ怖くて。「福田病院」は、評判もよかったので「自分が安心できる日本のこの病院で産みたい」と言って進めていきました。 

interviewer:では「アメリカで産む」という選択肢はなかったのでしょうか? 

T.O.さん:選択肢としてはあったのですが、私のビザが取れていないため、保険が効かないのです。アメリカで出産すると400〜600万円はかかると聞いて、それなら日本でいいかなと思いました。 

interviewer:それは高い!そりゃ日本で産みますよね(笑)

夕食時に破水、そこから陣痛が丸1日続く

T.O.さん提供写真

interviewer:無痛分娩の当日のことについて教えてください。先ほど計画分娩ではなく、自然に陣痛が来てからというお話でしたが、陣痛はどんなタイミングで来たのでしょうか? 

T.O.さん:今回、出産には28時間くらいかかりました。熊本に移動してから、毎日1万歩くらい夫と2人で歩いていたのです。その日も、チョコレートアイスクリームを食べてから、歩いて近所の神社に行きました。そこで「水みくじ」という水に浮かべるおみくじを引いたら大吉が出て「わぁ大吉だよ!」と喜んでホテルに戻って、ご飯を食べていたら破水したのです。 

interviewer:出産直前の大吉だったわけですね。 

T.O.さん:はい。それで病院に電話して「どんな感じですか?」と聞かれたので説明したら「破水ですね。そのまま入院になるので、入院セットを持ってすぐに来てください」と言われました。ちょうど夕食時でしたが、準備をしてタクシーに乗りました。 

interviewer:なるほど。 

T.O.さん:でも病院に着いても、まだ全然お腹は痛くなかったので、テレビをつけてボーっと携帯電話を見ていました。そのうちにだんだんお腹が痛くなって、呼吸もうまくできなくなって、呼吸器をつけてもらいました。 

interviewer:そうだったんですね。 

T.O.さん:苦しかったのですが、陣痛の波があったので「しんどい」と「ラクになった」の繰り返しでした。でもその間隔がどんどん短くなってきて。子宮口も開いてきたのですが、めちゃくちゃ痛いわりには「まだ4センチです」と言われる。「えー!まだ?」みたいな感じで、しんどかったです。 

interviewer:確かに。 

T.O.さん:病院の門限が21時で家族は帰らないといけないのですが、その段階で私が痛みに耐えられない状態だったのと、夫に帰ってほしくなかったので「麻酔を入れてください」とお願いしました。麻酔を入れたらもう出産準備なので、夫も滞在OKとなるそうなのです。 

interviewer:立ち会いということになるのですね。 

T.O.さん:はい。その時は痛すぎて、もう号泣でした。夫も「これだけ痛がっているので、麻酔を入れてください」と言ってくれて。そこから部屋の移動など、いろいろと準備に入りました。麻酔が入ってからは、おそらく1時間半くらいで生まれたと思います。 

interviewer:陣痛の本当に痛いところをがまんして…という感じだったのですね。 

T.O.さん:そうですね。部屋でテレビはつけているけれど、途中からテレビを見る余裕がなくなって、ベッドの端とかいろんなところを掴んでいました。泣いたり、体勢を変えたり、夫に背中をさすってもらうのですが、全然痛みがなくならないという。 

interviewer:聞いた感じ、ほぼ自然分娩に近い感じの状態ですね。 

T.O.さん:本当ですか? 

interviewer:病院によって麻酔を入れるタイミングや子宮口が何センチ開いたらといった決まりも違っているのですが「福田病院」はどうでしたか? 

T.O.さん:子宮口が7cmくらいになってから、麻酔を入れた方がスムーズに産めると言われました。でも私は4cmくらいで「もう無理!」という状態になって、この後イキめなくなると言われても「麻酔を入れてください」とお願いしました。 

interviewer:それで「はい、わかりました」となったのでしょうか? 

T.O.さん:はい。麻酔科の先生が来て、体調などチェックを受けて「麻酔を入れましょう」と言われました。毎日10人くらい生まれている病院なので、まだ分娩室が空いてないからと、分娩手前の部屋を3回くらい移動して、ようやく分娩室に入りました。 

interviewer:その後1時間くらいで生まれたということですが、麻酔が効いてからは耐えられるくらいの痛みとはいえ、どのように過ごしましたか? 

T.O.さん:隣に夫がいたので、普通に喋っていて、目の前には助産師さんが2人いました。「ヒ、ヒ、フーって、こんな感じで呼吸しながらやってみましょうか」と言われて、やってみると「あーそうそう、上手上手」って。それを繰り返していました。 

interviewer:そうなんですね。 

T.O.さん:麻酔前の陣痛に比べたら、痛みはずいぶんマシだったので「私はできる」と思っていました。夫も「大丈夫!You can do it」と声をかけてくれて。ちょっと休憩をしたり、助産師さんに「もう1回やりましょうか」みたいな感じで促されたりしながら、時間が過ぎていった気がします。そのうちに「今、ちょっと赤ちゃんの髪の毛が見えてきましたよ」と言われて。 

interviewer:そこから何時くらいに生まれたのでしょうか? 

T.O.さん:夕方、17時くらいです。母は夫から「今、麻酔が入りました」と連絡を受けて、福岡から来て待合室で待っていました。熊本にいる妹も駆けつけてくれて、ちょうどその時に「おぎゃ~!」と生まれました。ホッとした時に母と妹も部屋に入ってきて「わぁ、可愛い」と言ってくれました。真夜中ではなかったので、家族も立ち会えてよかったです。 

T.O.さん提供写真

interviewer:なるほど。でも前日の21時が病院の門限だからというお話がありましたが、そこからずっと陣痛だったということですよね。 

T.O.さん:そうですね。陣痛がめちゃくちゃ長い。 

interviewer:自然分娩に近いくらい耐えていると思います。 

T.O.さん:もうどれだけ泣いたのかというくらい泣いて、汗だくになって。涙と汗が混じっている感じです。 

interviewer:大変でしたね。 

T.O.さん:でも無痛分娩でよかったです。本当に無痛分娩以外は考えられないくらいよかったと思います。

食事も、部屋も、うれしいサービスがいっぱい

福田病院内のレストランにて/T.O.さん提供写真

interviewer:出産後は1週間入院ということでしたが、「福田病院」では1週間の入院が標準的なのでしょうか? 

T.O.さん:そうですね。自然分娩より帝王切開の方がさらに1〜2日長いそうです。入院中はめちゃくちゃご飯が美味しくてよかったです。和・洋・中など日替わりで食事をするレストランが違っていたりしていて。 

interviewer:え〜!すごい。

T.O.さん:部屋もすごくきれいで、ホテルのようでした。普通のビジネスホテルというよりは、ちょっと高級ホテルのような感じの部屋で。夫の両親も来てくれたし、自分が赤ちゃんの抱っこの仕方に悩んだり、授乳に苦しんだりしたこと以外は、すごくハッピーに過ごせた気がします。 

interviewer:そうなんですね。 

T.O.さん:会社の先輩が妊婦さん向けのサービスの立ち上げをしたことがあって、全国の産婦人科についてかなり詳しいのですが、その先輩に事前にいろいろ聞く中で「福田病院はめちゃくちゃご飯が美味しいらしい」という話がありました。他にも、お笑いコンビのサンドウィッチマンがテレビの特集で「福田病院」にロケに行っていて、番組を見た私の友達が「サンドウィッチマンが行っていた病院だよね」とか「私、東京に住んでいるけど、産むなら福田病院がいいな」と言っていました。実際に評判どおりで、本当に幸せな産後1週間でした。 

interviewer:費用もそんなに高くなかったですよね。 

T.O.さん:そうですね。1万6000円くらい戻ってきました。 

interviewer:戻りがあったのですね!

T.O.さん:入院中にもらえる産後のグッズやプレゼントもすごく充実していました。みなさん入院中はパジャマやワンピースを持っていくじゃないですか。でも手ぶらでよかったんです。 

interviewer:着替えがいらないということですか? 

T.O.さん:そうです。ワンピースやカーディガン、靴下などいろいろともらえて。だから化粧水くらい持っていけば大丈夫でした。しかも最後のプレゼントは、授乳クッションです。赤ちゃんの洋服も3着、靴ももらえて「こんなもらっていいの?」という感じでした。 

interviewer:その上、費用が戻ってくるという。 

T.O.さん:すごいですよね。赤ちゃんのミルクも看護師さんたちが回ってきて「はい、 次のミルクです」と瓶を持ってきてくれるのです。 

interviewer:病院側が調合してくれたミルクということですよね。 

T.O.さん:そうです。ミルクを哺乳瓶に移し替えたり、赤ちゃんにミルクを作る練習をしたりはしましたが、とにかく産後のお母さんたちに負担なく、ハッピーに過ごせるような手厚いサービスでした。 

interviewer:なるほど。 

T.O.さん提供写真

T.O.さん:夫もここにずっと住みたいと言っていました(笑)。1回だけパートナーか家族を招待できるディナーがあったのですが、フレンチのコースのお祝い膳がすごく美味しくて。 

interviewer:その機会に夫さんも病院で一緒に食事をされたのですね。 

T.O.さん:はい。病院の中にレストランが4つもあって、入院中にシュラスコ、お寿司、てんぷら、目の前で打ってくれる蕎麦とか、疲れている時は部屋で担々麺をいただいたことも。とにかくパラダイスでした。 

T.O.さん提供写真

interviewer:病院内にレストランが4つもあるのはすごい!確かに夫さんも住みたいと思いますよね。 

T.O.さん:ずるい!と言われました(笑)。 

interviewer:食事で「美味しい」と感じられることは大切ですよね。妊婦さんが病院を選ぶ時の大きな基準になるので、力を入れている施設は多いのですが、この病院は本当にすごいと思います。 

T.O.さん:竹籠に入ったご飯やたくさんの小鉢、お琴の音色のなか、日本庭園を眺めながらお抹茶と最中を食べるみたいなこともありました。 

interviewer:もはや料亭で体験することですよね(笑)。 

T.O.さん:そうなんです。あと、端の方でフルートを弾いている人もいました。 

interviewer:もはや一流レストランじゃないですか(笑)

病院内のレストラン/T.O.さん提供写真

T.O.さん:ケーキやパフェを食べて、紅茶を飲んでといったおやつの時間もありました。その摂取カロリーはおそらくすごいことになっていると思いますが、それまで苦しい思いをしているので(笑)。 

interviewer:妊娠の期間や出産前後は、カロリーが必要らしく、ある程度食べても大丈夫だと栄養士さんに聞いたことがあります。 

T.O.さん:私も授乳という活動は、人間が 300mを全速力で何往復かしたくらいカロリーを消費するという話を聞き、それは疲れるはずだし、食べてもいいはずだと思っていました(笑)。本当にいい思い出ですね。これは無痛分娩にしたことも大きいです。次は早めに麻酔入れてもらえたら「あのパラダイスをもう一度」と思いますね。 

interviewer:「パラダイス」とまで言われた方は初めてです(笑)。 

T.O.さん:もし第2子を授かったら、おそらくアメリカで出産になりそうなのですが、日本だったら同じ病院がいいなと思います。 

interviewer:アメリカで出産した人のインタビューで「アメリカの病院のごはんはちょっと…」という話を聞いたことがあります。 

T.O.さん:そう、期待しない方がいいですね。この病院が良すぎて次が怖いくらいです。 

interviewer:確かに。 

T.O.さん:出産間近の時に夫と毎日散歩していたのですが、途中で立ち寄ったカフェやレストランで「今、何か月ですか?」みたいな会話がよくありました。「福田病院で産む予定です」と言うと、「私もそこで2人産みました」とか「3人産みました」とみなさんが言うので盛り上がりました。 

interviewer:おぉ、すごい! 

T.O.さん:街の人みんなが「福田病院」で出産しているのではないかと思うほどでした。ただ、妊婦健診の待ち時間が長くて、毎回3〜4時間かかっていました。 

interviewer:人気すぎてということでしょうね。 

T.O.さん:はい。妊婦健診の日は福岡から通っていたのですが、マタニティプールも利用していました。そこの先生もすごく優しいし、25mプールでアクアビクスや、お腹が大きくてもバタフライができるようなコースも。ジムの設備もあって、ヨガもできました。それで1回500円なんです。 

interviewer:それって病院内の施設ですよね。住みたくなるはずです(笑)。 

T.O.さん:他にも両親学級や分娩クラスという40分くらいの無料の講座がよく開催されていて、例えば、赤ちゃんの歯の磨き方とか妊婦さんの歯の管理方法とか、そういう講座も健診に行った時にいくつか受けていました。 

interviewer:手厚いですね。この病院のInstagramを見ると稲刈りの写真が出ていましたが。 

T.O.さん:病院が無農薬のお米づくりや畑をしていて「ここで採れたもので料理を作っています」と言われていたのも安心でしたね。 

interviewer:なるほど。 

入院中はゆったりと回復、その後1ヶ月が壮絶でした

T.O.さん提供写真

 interviewer:先ほど、麻酔が切れた後は痛みが出てきたというお話だったのですが、翌日や翌々日の体の疲れや消耗はどういう感じでしたか? 

T.O.さん:麻酔が2時間くらいで切れたので、そこからは痛くて。「痛み止めを飲みますか」と言われたので、けっこうしっかりと飲んでいました。だから、痛みはおそらく軽減されているのですが、骨盤がバーっと開いているので、少しずつしか歩けないし、会陰切開もしていたので下半身が全部痛いという感じです。入院したうちの最初の4日間ぐらいは、本当に亀のようなスピードで歩いていました。 

interviewer:そういう時は、ますますご飯が楽しみに? 

T.O.さん:本当にそうです。だからレストランまでのろのろと壁を伝って行くのですが、美味しいものを食べて、めちゃ笑顔でのろのろ帰ってくるという感じです(笑)。 

interviewer:美味しいというモチベーションがないと、その体の状態だったら、歩くのを極力避けたいですよね。 

T.O.さん:そうなんです。しんどいので部屋食にしてもらおうかなと思っていたのですが、部屋食とレストランではメニューが違うのです。一度、お肉を切るシュラスコの日に、少ししんどくて部屋食にしたらビーフシチューが出てきました。もちろん美味しかったのですが、シュラスコが食べたかったなぁと少し後悔したのです。それからはちょっと無理してでもレストランに行っていました。 

interviewer:ちなみにその日に行くレストランは選べるのでしょうか? 

T.O.さん:いえ、スケジュールが配られていて、決められたところに行きます。 

interviewer:なるほど。痛みのダメージが元に戻ってきた、だんだん良くなってきたと感じることは、入院中にありましたか?もしくは退院してからでしょうか? 

T.O.さん:入院中は痛み止めを飲んでいたので、ひどいダメージを感じることはなく、でも産む前の体力は全然ありませんでした。退院時には、スタスタではないけれど、ゆっくり歩けるぐらいには回復していました。 

interviewer:そうだったのですね。 

T.O.さん:食事もそう、部屋の環境もすごく清潔に保たれていて、赤ちゃんを何回か新生児室のプロに預けられました。よい環境でしっかりと体を休められたことで回復できたのかなと思います。実は、そのあと実家に帰って最初の1ヶ月の方が壮絶で。 

interviewer:え、そうなんですか?

T.O.さん:最初の1ヶ月で、体のトラブルもあったし、メンタルもやられました。本当にしんどかったです。夫が一緒に子育てしてくれているので、かなり助かったのですが、それでも夜中に涙が出てきたりしました。 

interviewer:なるほど。 

T.O.さん:産後1か月は無理のないようにしたかったのですが、抱っこしたり、寝かしつけたり、授乳したり、いろいろと苦戦して、相当メンタルが落ちました。 

interviewer:その頃はホルモンの変化で、気分の浮き沈みがあるなど影響が出ると言いますね。 

T.O.さん:そうですね。 

interviewer:では大変な1ヶ月を経て、本格的に回復したなと感じたのはいつ頃だったのでしょうか? 

T.O.さん:産後の体が次第に回復してきたのは2ヶ月目くらいからだと思います。でも、実は腕が腱鞘炎になって、膝も「もう少しで半月板損傷です」と言われて、ドクターストップが出たのです。畳生活の中での育児だったので、体中がボロボロになっていて。 

interviewer:それは大変!出産後の腕の腱鞘炎はけっこう多いみたいですね。 

T.O.さん:それで3ヶ月目でベビーベッドを買って、ちょうど今4ヶ月目に入ったのですが、まだ腱鞘炎のままです。でも今になって体も戻ってきて、メンタルもようやく大丈夫になってきた感じです。 

interviewer:なるほど。腱鞘炎を防ぐような抱き方もあると聞いたことはありますが。 

T.O.さん:そうですね。Instagramなどで出ている先輩ママたちのヒントや経験談も事前に見ていました。例えば、泣き止まない時はこうするとか、抱っこもこうすればいいとか。でも、実際に産んでやってみて、苦しまないとわからない部分がありますよね。 

interviewer:そうですね。 

無痛分娩は、出産時の“心の余裕”につながる

T.O.さん提供写真

 interviewer:最後に、無痛分娩を考えている方に向けてメッセージをお願いします。 

T.O.さん:私の場合、痛みの感じやすさもあって、陣痛の痛みが凄まじかったので、あの状況で麻酔を入れてなかったら「あぁ、もう1人で十分」となっていたかもしれません。でも無痛分娩だったことで、産んだ1分後くらいに「もう1人欲しい」と思えるほど“心の余裕”につながりました。 

interviewer:それはすごい! 

T.O.さん:あとは評判のいい病院に身を預けることで、安心してドーンと構えられる気がします。事前に麻酔の危険性やリスクを説明されて「意識を失うこともある」と聞くと、一瞬「えー!」と思いますよね。でも「この病院なら、いざという時でもきっと大丈夫。何も考えずに身を任せよう」と思えたことは大きかったです。 

interviewer:確かに、病院選びは大切ですね。 

T.O.さん:無痛分娩だったからこそ、出産時の痛みがトラウマになることもなかった気がします。入院期間中は、産後の痛みはあっても、気分はルンルンで軽かったです。 

interviewer:なるほど。 

T.O.さん:ただ、いろんな人の話を聞くと、自然分娩でそれほど心理的に負担なく産む人もいます。痛みに弱い人には無痛分娩がオススメですが、自然な形で出産したいとか、例えば自宅出産したいとかいうこともあっていいのだろうなと思います。 

interviewer:それぞれ自分の望むスタイルで産めるといいですよね。 

T.O.さん:本当にそう思います。 

interviewer:今日はありがとうございました。

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