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2024.01.16
体験談

東京都 経営者・田口史子さん 計画無痛分娩から緊急帝王切開へ

ご自身で会社を経営されている田口さん。産後は早期の仕事復帰を計画されており、出産による母体へのダメージを最小限にしたいとの考えから無痛分娩を選択されました。「無痛分娩」の体験談に加えて、お仕事やパートナーシップについてもインタビューさせていただきました。

【基本data】

■name/田口史子さん

■年齢/妻_38

■お住まいのエリア/東京都世田谷区

■家族構成/夫+妻+子ども(1人)

■出産施設/非公開

■無痛分娩回数/1回

■無痛分娩費用/非公開

■無痛分娩実施時期/2023年4月

取材時期:2023年11月

「こういう生き方がしたい」というゴールから逆算しました。

※妊娠期/田口さん提供写真

interviewer:本日はよろしくお願いします。

田口さん:こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。

interviewer:「無痛分娩」を知ったきっかけを教えてください。

田口さん:元々「無痛分娩」という単語は知っていましたが「麻酔を打つもの」というくらいの認識でした。出産方法を調べる過程で詳しく知ったという感じです。

interviewer:なぜ「無痛分娩」をしようと思われたのですか?

田口さん:自分の働き方からベストな出産方法を逆算して「無痛分娩」を選びました。会社を経営しているので、母子共に問題がなければ出産ギリギリまで仕事をして、産後もすぐに仕事に復帰したいと考えていました。

interviewer:「無痛分娩」のどのような点が田口さんの希望とマッチしたのですか?

田口さん:「産後の母体の回復」を最優先に考えた際に「無痛分娩」が一番良いのではないかという結論になりました。いろんな考え方があると思いますが、私の場合は「出産そのものを経験したい」というよりも、仕事復帰に備えて母体がスムーズに回復できることが1番の条件だったのです。

interviewer:実際に、産後どれくらいでお仕事に復帰されたのですか?

田口さん:産後2ヶ月を過ぎた頃に少しづつパソコン業務を開始して、産後3ヶ月目から本格的に仕事に復帰することができました。

interviewer:予定通りスムーズに仕事に復帰されたということですね。

田口さん:そうですね。

interviewer:田口さんのこれまでのキャリアや会社の事業内容についてお伺いしたいと思います。独立されて何年目になりますか?

田口さん:6年目です。フリーランスで活動した後、2022年1月に法人化しました。

interviewer:会社の事業内容を教えてください。

田口さん:中小企業・小規模事業主を中心に業務推進をサポートしています。

interviewer:今の事業を始められた経緯をお伺いしてもよろしいでしょうか。

田口さん:前職はリクルートで営業職をしておりました。その後に独立して今の事業を立ち上げたという流れです。

※妊娠期/田口さん提供写真

interviewer:「無通分娩」のお話に戻りまして「無痛分娩」の情報はどのように調べましたか?

田口さん:インターネットで情報収集しました。

interviewer:どのような情報を得ましたか?

田口さん:「和痛分娩」という単語を初めて知りましたね。他にも「無痛分娩をしたのに無痛じゃなかった」という体験談から「痛み」については「麻酔をどの段階から入れるか」が大きく関係しているようだと分かりました。

interviewer:徹底的にリサーチされていますね。

田口さん:ネット情報に加えて、知人友人の先輩ママにもヒヤリングさせてもらいました。そのようにリサーチした結果「理想の無痛分娩をするには希望条件に当てはまる病院をしっかりと選ぶことが大事」という結論に達しました。

interviewer:田口さんの病院選びの条件を教えてください。

田口さん:「24時間無痛分娩対応可」「セミオープンシステムを採用していてタクシーで自宅から15分圏内」それから、年齢が35歳を超えてたので万が一に備えて「NICUがある」という3つです。それらを満たす病院は3つしかありませんでした。

interviewer:「セミオープンシステム」とは何ですか?

田口さん:妊娠後期までは妊婦健診を最寄りの診療所やクリニックで受けられるというシステムです。

interviewer:海外ではよく聞くシステムですね。日本でも採用されている病院があるとは知りませんでした。

田口さん:私も無痛分娩を調べている中で偶然このシステムを知りました。検診の度に、移動や待ち時間などで長時間を要するのは避けたいと思い「セミオープンシステム」を採用している病院がいいと思いました。

interviewer:3つの候補からどのように1つに絞ったのですか?

田口さん:各病院についてインターネットで情報収集をしたり、実際にその病院でお産をした知人に話を聞きました。3つとも特に悪い話は聞かなかったので「どこを選んでも大丈夫そうだな」と思ったのですが、空きを確認したところ1つは既に埋まっていたので候補から外れました。

interviewer:人気の病院だったのですね。

田口さん:残った候補のうち1つは「母子同室」で入院中にしっかりと母乳指導をしてくれるという特徴があり、もう1つは子どもを預けてゆっくりと休むことができるという感じで方針が真逆でした。

interviewer:どちらを選ばれたのですか?

田口さん:産後は早い段階での仕事復帰と保育園入園も考えていたので、しっかりと休める方の病院に決めました。最初は「母乳育児」を手厚くサポートしてくれる病院に予約を入れていたのですが、産後の生活のイメージが具体的になるにつれ、母乳育児の負荷について理解が深まり、私自身が母乳にこだわりがなかったことから病院を変更しました。

interviewer:そういった経緯があったのですね。

田口さん:ちなみに、最終的に選んだ病院はいわゆる「御三家」と呼ばれる病院の1つになります。しかし特に「御三家」にこだわりがあったわけではなく、条件を絞っていったら結果としてそうなったという感じでした。「御三家」をブランド化しすぎることに疑問はありますが、やはり設備や医療が充実しているのでそういった点が多くの人に選ばれる理由でもあるんだなと思いましたね。

interviewer:「御三家」と聞くと出産費用も高いイメージがありますが、実際はいかがでしたか?

田口さん:私の場合は帝王切開で保険がおりたので支払いは100万円を大きく下回る金額で、想定していたよりもかなり安くすみました。「御三家」でもこんな金額で済むこともあるんだと思いましたね。

出産にあたり「事業計画書」を作成して夫に共有しました(笑)。

※住んでいる街の風景/田口さん提供写真

interviewer:お産は「計画無痛分娩」ですか?

田口さん:「計画無痛分娩」でした。入院日を決めて、バルーンを入れて人工的に破水を誘発するという方法です。

interviewer:本人が希望すれば自然陣痛を待ってからの「無痛分娩」も選べましたか?

田口さん:強い希望があれば選べますが、基本的には病院も「計画無痛分娩」をオススメしている感じですね。

interviewer:入院は何日間されましたか?

田口さん:当初の予定では6日間でしたが、破水で早めに入院することになったので7日間です。

interviewer:パートナーやご両親は「無通分娩」をすると伝えた時、どのような反応をされましたか?

田口さん:「どうぞ」という感じでした。

interviewer:驚きや反対はなかったのですね。

田口さん:お産に向けて「こういう方針なので、こういう風に産みます」といった感じの事業計画書を作成して家族にプレゼンしたんです(笑)。産後の体制やスケジュールも作り込みました。

interviewer:なんと!普段の仕事ぶりが伺えるエピソードですね。

田口さん:仕事柄、私がそういう人だとよく分かっているので「無痛分娩」も「事業計画書」も家族にとっては想定の範囲内という感じです。夫は「チェックリスト作ったんだね。本当に好きだね〜。これ、noteで有料記事にしたらいいんじゃない?」という感じの反応でした(笑)。

interviewer:それ、買いたいです(笑)。ご両親の反応はいかがでしたか?

田口さん:私の両親も、義理の両親も「考えた上でそれをやりたいって言うんだったら、もう、どうぞどうぞ」という感じです。

interviewer:無通分娩をするにあたって、不安なことや疑問はありましたか?

田口さん:産後の回復を最優先に考えていたので「本当に無痛になるのか」という点と「麻酔のリスク」について気になっていました。

interviewer:お産の前にその疑問は解消されましたか?

田口さん:担当医に質問して不安が払拭できました。分娩予約をした際に、病院から「無痛分娩」や出産の流れなどの説明動画ををいただいたのですが、それが非常に分かりやすかったです。

interviewer:それは親切ですね。

田口さん:多少の事前知識はありましたが「無痛分娩」にも関わらず痛みを感じるというのは「麻酔を入れるタイミング」が深く関係すると、その動画を見てさらに理解が深まりました。自分が実際にお産をする病院の方針を知ることができて安心感が増したのもよかったです。

interviewer:動画は具体的にはどのような内容でしたか?

田口さん:「計画無痛分娩でも、予定日よりも前に破水してしまったら麻酔を入れるまでの間に痛みを感じる可能性があります」という感じで痛みを感じる時の条件が詳しく解説されていました。

interviewer:なるほど。「無痛分娩PRESS」でも【麻酔科医監修】無痛分娩の痛みの「なぜ?」という記事を公開していますが、その中でも「痛み」について触れています。お産の前にしっかりと知識をつけておくことで「こんなはずじゃなかった!」というトラブルが回避できるのでとても大切ですね。

田口さん:そう思います。

母体の高血圧と、赤ちゃんの心拍低下で緊急帝王切開に。

※田口さん提供写真

interviewer:それではここからはいよいよお産当日のお話を伺っていきたいと思います。無痛分娩当日の様子を教えてください。

田口さん:お産は入院予定日の前日に破水から始まったんです。夜中の3時にタクシーで病院に向かいました。 ただ、その1週間くらい前からおしるしと呼ばれる出血はあったので「そろそろかな」とは思っていました。

interviewer:破水から始まったのですね!

田口さん:破水と言ってもドバーッと出る感じではなく、少量で「え?おしっこ漏らしちゃったかも!?」という感じで。病院に電話をして状況を伝えたところ、来院するよう指示をいただき病院に向かいました。量は少なかったのですが、マーカーで羊水の反応が出たので入院することになりました。

interviewer:入院した後の流れはどのような感じでしたか?

田口さん:その日は安静に過ごし、翌日の14時に陣痛を誘発するためのバルーンを入れました。

interviewer:元々予定していた日時に、予定通りバルーンを入れたのですね。

田口さん:そうです。

interviewer:バルーンはどれくらいの時間入れておくのですか?

田口さん:ゆっくりと子宮口を広げるため、私の場合は翌日の朝まで入れたままでしたね。

interviewer:バルーンを入れたまま一晩過ごしたのですね。

田口さん:バルーンを入れている間は、定期的に助産師さんが来て子宮口の開き具合をチェックしてくれました。「子宮口の開くペースが少し遅いですね」とのことでしたので「何をすればいいですか?」と聞いたら「100回スクワットをするといいですよ」とのことだったので「やります!」って言ってスクワットをしました(笑)。

interviewer:すごい!

田口さん:翌朝バルーンを抜いて、同時に麻酔も開始しました。当日に記したメモを見ると、その後すぐに陣痛が始まっています。

interviewer:促進剤は使わず、バルーンだけで陣痛が始まったということですね。痛みは感じましたか?

田口さん:バルーンを入れている状態の時には重い生理痛のような鈍痛がありましたが、耐えられる程度でした。順調に陣痛が始まったのですが、その後すぐ緊急緊急帝王切開になったんです。

interviewer:えぇ!何が起こったのですか?

田口さん:陣痛が増すにつれ高血圧が出てきてしまったんです。妊婦健診で高血圧を指摘されたことはなく、初めてのことでした。13時に担当医が来て、破水した際の羊水の状態があまり良くなかったということ、赤ちゃんの心拍を見ると少しストレスがかかっているということを説明してくれました。説明の後、少し様子を見ることになったのですが、30分程経過した時点で先生が「赤ちゃんの心拍が下がってきたのでもう出します。いいですか?」という感じで14時に帝王切開を決定しました。

interviewer:突然の展開でしたね。

田口さん:15時10分には開腹処置をして赤ちゃんが無事に産まれていました。帝王切開の決定からあっという間でしたね。結果的に帝王切開で本当に良かったと思っています。

interviewer:それはなぜですか?

田口さん:陣痛中、痛みはないのですが圧迫感が結構あったんですね。便秘の便が出そうな、押される感じといいますか。圧はどんどん強くなり、周期も短くなるので「あとどれくらいかかりそうですか?」と先生に聞いたら「24時間ぐらいかな」と言われて「えぇ〜!24時間も〜!こんな感じがあと24時間ずっと続くのか・・・」と思いました。「身体は耐えられるかもしれないけど気持ちが持たないな」と思っていたので、先生のスピード感のある判断に感謝しています。

interviewer:産まれた瞬間はどのような感じでしたか?

田口さん:産まれたばかりの赤ちゃんの泣き声を聞いて、言葉にできない気持ちが込み上げてきましたね。「あぁ、ちゃんと泣いてる。よかった。やっと会えたね」という安堵感がありました。

interviewer:帝王切開が終わった後の流れはどのような感じでしたか?

田口さん:帝王切開の麻酔が効いていたというのもあり、安心したら眠くて仕方なくなりました。赤ちゃんの手を触ったり、助産師さんが私の涙を拭いてくれたのはうっすらと覚えています。あとはカチャカチャカチャという音がして、その後にストレッチャーで病室まで運ばれていく私の顔を夫が覗き込んでいました。夫が「無事に産まれたね」と話しかけてくれるのですが、眠くて反応できずといった感じです。

interviewer:眠かったんですね。

田口さん:病室に戻って、夫と赤ちゃんと3人で撮った動画を後から見たのですが、眠くて全然記憶にありません。「やっと会えたねぇ。かわいいねぇ。眠いねぇ・・・」と言っているのですが、最後の「眠いねぇ」は「それは私がね」という感じでした(笑)。鎮痛のためさらに麻酔を追加して、そのまま翌日のお昼までぐっすりと寝ました。

interviewer:母子別室で、たくさん眠れましたね。

※田口さん提供写真

田口さん:帝王切開の後ということで水分を取ることを制限されていたのですが喉が乾いて大変でした。看護師さんが氷を配ってくれるのですが、私は「氷を・・・氷を・・・」みたいなって感じで(笑)

interviewer:お水を飲めないのは辛いですよね。

田口さん:眠いので、目はほとんど開いていないんですがずっと「氷をください」と言っていた記憶があります。

interviewer:お産された病院の良かったと思うポイントを教えてください。

田口さん:先生と助産師さんの連携が取れていた点がよかったです。そのおかげもあり帝王切開の判断もスムーズにいったのだと思います。

interviewer:それは安心できますね。

田口さん:担当の先生が「なぜ帝王切開が必要なのか」ということを素人でも理解できるようにきちんと説明してくれたのがとても好印象でした。「どうしてもこだわりたいのであれば意志を尊重しますが、医師として母子の安全を最優先にしたいので僕は帝王切開でいきたいです」という感じで方針を明確にした上で、選択肢を提示してくれるというスタンスが私はすごく良いと感じましたね。妊婦健診の時も不安が残らないように、疑問点については丁寧に説明してくださいました。

interviewer:先生に対する信頼感が伝わるエピソードですね。

田口さん:あとは、入院してから何人もの助産師さんが対応してくださいましたが、居心地の悪さを感じる方が1人もいなかったというのもよかったです。人数が多ければ相性が合わない人もいたりすると思うのですが、みなさんしっかりとこちらの話を聞いてくださり「プロフェッショナルに徹してくださっているな」と感じました。不安を感じる要素がなかったというのが1番大きいですね。

interviewer:それは本当に重要なポイントですね。他には何かありますか?

田口さん:お部屋の清掃スタッフさんや、お食事を運んでくださるスタッフさんもしっかりと教育されていて、ホテルのコンシェルジュみたいでした。ホテルライクなホスピタリティや、美味しいご飯も確かに良かったですが、私は「医療従事者のクオリティがとても高かった」という点が1番満足度が高かったです。

※妊娠中の夫の手料理/田口さん提供写真

interviewer:ご出産後の疲れはどのような感じでしたか?

田口さん:お産の時に無駄に力が入って産後に不調が出るということはありませんでしたが、帝王切開でお腹を切っているのでそのしんどさはありました。

interviewer:産後、体力が通常に戻ったと感じるまでにどのくらいかかりましたか?

田口さん:1ヶ月健診の時に久しぶりに長い距離を歩いたのですが、上手く歩けないことに驚きました。普段通り生活できるなと感じたのは、産後3ヶ月目くらいでしょうか。そういえば、入院中に理学療法士さんがお部屋に来て、立ち上がり方など指導してくれたのですが、それはとても良かったですね。

interviewer:至れり尽くせりのサポートですね。

田口さん:ただ、産後7ヶ月たった現在もまだ完全に通常に戻ったとは言えず、疲れやすいなと思います。

お産方法を自分で選ぶということは、自分を大切にするということ。

※お宮参り/田口さん提供写真

interviewer:「無痛分娩」をやってみてよかったと思いますか?やらなくてもよかったと思いますか?

田口さん:今回お産した病院だから、やってよかったと思います。

interviewer:それはどういうことでしょうか?

田口さん:いろんな人の話を聞くうちにどのような出産方法でも「お母さん自身が心から納得できる方法を選ぶ」ということが重要なんだと思ったんですよね。「助産院でお産して、とても楽に産めました」という方もいたし「無痛分娩は魅力的だけど、麻酔が怖いから自然分娩を選びました」という方もいて。「無痛分娩」は確かにいいけれども万能ではありませんので、他の選択肢も一通り知っておくというのは大切だと思います。

interviewer:なるほど。

田口さん:重要なのは、自分が1番信頼・安心できる「医療従事者」と「環境」を選択するということですね。 そういう意味で、私の場合は「無痛分娩」ができればどの病院でも良いという訳ではないので「今回お産した病院だったから、やってよかったと思う」ということです。

interviewer:もしも、2度目のお産があったらどのような方法でお産されますか?

田口さん:現実的には次も帝王切開になると思いますが、そういった制約が一切ない前提で考えると・・・。コンディションが良い状態であれば、助産院で産むスタイルも検討するかもしれません。

interviewer:「無痛分娩」に満足された方で「次は他の分娩スタイルを選択するかもしれない」というのは珍しいと思います。理由が気になります!

田口さん:その時の自分の状態に合った方法を選択するので「可能性があるなら違うやり方を試してみたい」という感じですね。

interviewer:その時の状態とお気持ちでベストな方法を選択されるということですね。

田口さん:はい。

interviewer:田口さんが感じた無痛分娩のメリットを教えてください。

田口さん:一番はやはり「産後の回復スピードの違い」ではないでしょうか。ゼロにはなりませんが、母体への身体的ダメージが少ないと思います。それから計画無痛分娩であれば入院日をコントロールできるので仕事のスケジュールを管理しやすいというメリットは大きいですね。

interviewer:「無痛分娩」をする上で気をつけた方がよいと思うことはありますか?

田口さん:事前リサーチをしっかりとした上で、「24時間無痛分娩可」「麻酔科医在中」「計画無痛分娩」「実施件数が多い」など自分の希望にあった病院を選択することが大切だと思います。

interviewer:「無痛分娩」をオススメしたいと思いますか?

田口さん:特に働くお母さんにオススメしたいですね。「計画無痛分娩」であれば予定日を決められるので、仕事のスケジューリングもしやすいです。あとは35歳以上の高齢出産の方にもオススメです。特に長時間のお産にリスクがある人にも良いのではないでしょうか。

interviewer:田口さんの「出産に対する価値観」を教えてください。

田口さん:自分のnoteの記事にも書いたのですが、私は「妊娠、出産」に対してあまりファンタジーを抱いておらず、割とフラットに捉えています。「妊娠、出産」は確かに大きなライフイベントの1つですが「出産経験の有無、子供の有無で、その人自身の価値が左右されることはない」という風に考えています。大切なのは、常に「どう生きたいか」を明確にして進むことです。

interviewer:分かる気がします。

田口さん:もちろん我が子はめっちゃ可愛いくて「人生において推しができました」という感じです(笑)。

interviewer:田口さんはご自身で事業をされていて共働きですが、子育てや家事分担、働き方についてご主人とどのようにバランスを取られていますか?

田口さん:出産前から色々と計画しましたが、我が家の場合は、夫と妻の2人だけで育児と仕事をやってくというのがそもそも「ムリゲー」という結論でした(笑)。

interviewer:実際、産後にやってみていかがでしたか?

田口さん:想定どおり「やはりムリゲー」ですね。でもそれを「しんどいゲーム」にするのか「楽しいゲーム」にするのかは中心人物である私たち夫婦が「楽しむ余裕をどれだけ持てるか」という点においてコントロールの余地があるかもしれないと思っているところです。

interviewer:なるほど。

田口さん:我が家の特徴として、夫が私に対して「いい妻」「いいお母さん」を望んでないということがあります。私は「妻・母である前に1人の人間なので」というスタンスなのですが、夫も同じ価値観なのでやりやすいですね。「夫」「妻」という枠にハマらず「できる人ができることをやればいいよね」という感じです。

interviewer:素敵なパートナーシップですね。

田口さん:他の家庭に応用がきくかというと難しいかもしれませんが(笑)。

interviewer:最後に「無痛分娩PRSS」の読者のみなさまにメッセージをお願いいたします。

田口さん:「出産方法を選ぶ」というのは、自分を大切にすることに通じると思います。家族が増えるという大きなライフイベントにおいて、自分が本当に納得できる選択をすることが大切です。

interviewer:はい。

田口さん:誰かの意見を優先して自分の望みの優先順位を下げてしまうのはもったいないと思います。お産で大変な思いをするのはお母さん自身ですから、自分が自分の味方をしてあげないとですよね。そのためにはパートナーや周りの人との対話も重要です。「新しい家族を迎えるのにふさわしい場所はどこか」「誰と一緒に、どんな気持ちで赤ちゃんを迎えたいのか」などしっかりと話し合うことが大切なのではないでしょうか。

interviewer:おっしゃる通りですね。

田口さん:そうやってしっかりと選んだお産方法であれば、何を選んだとしても産後の生活のクオリティを必ず上げてくれると思います。

interviewer:素敵なメッセージをありがとうございました!

田口史子さんのインスタ&HPはこちら。

※田口さん提供写真

田口史子さんの会社に関する情報やプライベートについては下記にて発信されています。ぜひチェックしてみてください!

【田口史子さんのインスタグラムはこちら】

https://www.instagram.com/fumiko_taguchi/

【田口史子さんの妊活・妊娠・出産・育児の体験をまとめたnoteはこちら】

https://note.com/migiude_me/

【田口史子さんの会社「合同会社アセンブルのHPはこちら】

https://migiude.me

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