大分県 Uさん 山口県での里帰り無痛分娩/やかべ産婦人科医院
2023年現在から5年前となる2017年に第一子を無痛分娩でご出産されたUさん。なんと、看護師さんと和やかに談笑している間に赤ちゃんが産まれたそうです。通院中に麻酔の効き具合をテストしてから望んだお産当日は、痛みを全く感じることがなかったとのこと。そんなUさんの無痛分娩体験談を詳しくお伺いしました。
【基本data】
■name/Uさん
■年齢/妻_38 夫_38
■お住まいのエリア/大分県
■家族構成/夫+妻+子ども(1名)
■出産施設/やかべ産婦人科医院
■無痛分娩回数/1回
■出産費用総額/約52万円(基本費用42万円+無痛分娩費用10万円)-42万円(出産一時金)=約10万円
■無痛分娩実施時期/2017年7月
取材時期:2023年1月
無痛分娩についての不安な点は先生に質問して全てしっかり解決!
interviewer:本日はどうぞよろしくお願いいたします。
Uさん:よろしくお願いいたします。
interviewer:では早速、Uさんが無痛分娩を知ったきっかけを教えてください。
Uさん:妊娠が分かってから読んだ「たまひよ」などの妊婦さん向けの雑誌で知って「私も無痛分娩にしよう」とその時に決めました。
interviewer:無痛分娩を選択する際にはご主人にも相談されましたか?
Uさん:主人にも意見を聞きました。「無痛分娩がいいんじゃない」という感じで、主人も賛成でしたね。
interviewer:ご両親にも事前に「無痛分娩でお産をしようと思う」というようなことはお話されましたか?
Uさん:はい。両親にも事前に話しました。
interviewer:そうなんですね。周りからの反対は特になかったのですね。
Uさん:心配している様子は多少ありましたが、お産をするのは私自身ということで周囲は「自分が選択した方法で産んだらいいよ」という感じでした。
interviewer:スムーズに周りの理解を得られたのですね。お産をされたのはいつ頃、どちらの産院でしょうか?
Uさん:2017年に山口県下関市にある「やかべ産婦人科」で出産しました。
interviewer:「やかべ産婦人科医院」に決めた理由を教えてください。
Uさん:検討していたエリアでは、無痛分娩に対応している産院が2つしかなかったんです。里帰り出産だったため自分で下見に行くことができず、母が下見に行ってくれて「やかべ産婦人科医院」の感じが良かったということでそちらに決めました。
interviewer:なるほど。「やかべ産婦人科医院」では無痛分娩の費用はどれくらいかかりましたか?
Uさん:出産育児一時金の42万円+10万円でした。
interviewer:ということは、自己負担が10万円ということですね。
Uさん:そうです。
interviewer:手付金などはあるのでしょうか?
Uさん:最初に2万円をお支払いし、残りは産後にという感じでした。
interviewer:産院によって、麻酔の効かせ具合に程度の違いがあると思いますが「やかべ産婦人科医院」ではどのような感じでしたか?
Uさん:完全に痛みを感じないところまで麻酔を効かせるというものでした。私から「全く痛くない方がいいです」と希望したように記憶しています。痛みに耐えるのが苦手なので。
interviewer:なるほど。痛みに耐えるのが得意という人はあまりいないと思います(笑)。
Uさん:そうですね(笑)。
interviewer:無通分娩について不安に思うことはありましたか?
Uさん:初めての体験だったので「本当に無痛になるのか」ということと「麻酔によって胎児に影響がないか」というのはすごく心配でした。
interviewer:なるほど。未知の体験ですから、心配ですよね。ちなみに当時、Uさんの周りで既に無痛分娩を体験された方はいらっしゃいましたか?
Uさん:体験者はいなかったのですが、兄が病院に勤務しているので無痛分娩について色々と質問しました。「赤ちゃんへの影響は心配しなくて大丈夫だと思うよ」とのことだったので安心できました。
interviewer:周りに誰も体験者がいないのは少し不安になりますよね。質問できる人が近くにいてよかったですね。
Uさん:そうですね。
interviewer:先ほど、妊婦さん向けの雑誌で無痛分娩を知ったとおっしゃっていましたが、それ以外にも無痛分娩について情報収集はされましたか?
Uさん:産院の先生や看護師さんに直接、色々と質問しました。無痛分娩について不安に思う点や不明点は全て解消してから決めましたね。
interviewer:専門家に直接質問されたのですね。
Uさん:そうですね。雑誌の情報が全て正しいかどうかは分からないと思いますので。
麻酔が切れた直後は痛みで歩くことができず車椅子で移動。
interviewer:では、ここからは無痛分娩当日のお話を聞かせていただければと思います。当日はどのような心境でしたか?
Uさん:当日は「いよいよ始まるんだな」という感じでした。朝8時から促進剤を打ち始めたのですが、なかなか陣痛が波に乗らず、結局産まれたのは夕方の18時でした。
interviewer:約10時間かかったのですね。
Uさん:そうですね。ただ、ずっと陣痛室にいたわけではなくて、緊急帝王切開の手術が入るということで、14時ごろ1度病室に戻りました。お昼を食べていなくてお腹が空いていたので、おにぎりを食べたりして過ごしていると、少しお腹が痛くなってきて。看護師さんに伝えたら「これは陣痛じゃないかな」ということでまた分娩室に戻りました。
interviewer:一旦小休憩を挟んだような形ですね。
Uさん:そうなんです。陣痛促進剤を入れたらすぐに産まれると思っていたのですが、薬がうまく作用しなかったのか、お腹の中の赤ちゃんが「まだお腹にいたい」と思ったからなのか・・・なかなか出て来ませんでした。
interviewer:陣痛促進剤を使用したということですが、計画無痛分娩ですか?
Uさん:はい、計画無痛分娩です。母体にも子供にも影響がない週数を見極めていただき、お産の日にちを決めました。前日に入院をして、当日の朝から陣痛促進剤を入れるという感じです。
interviewer:麻酔はどのタイミングで入れましたか?
Uさん:陣痛が波に乗るギリギリまで待ってから入れるという感じですね。おにぎりを食べている最中に痛みを感じたので「麻酔はいつ入れてもらえますか?」と看護師さんに聞くと「入れたい時で大丈夫ですよ」とのことだったのですぐに麻酔を入れてもらいました。30分くらいで麻酔が効いてきて痛みを感じなくなったと思います。
interviewer:なるほど。本格的な陣痛が来てから赤ちゃんが生まれた18時までは大体何時間くらいでしたか?
Uさん:3時間もかかっていないんじゃないかなと思います。
interviewer:ちなみに促進剤を打ってから陣痛が来るまでの間はどうやって過ごされましたか?
Uさん:必ず1人は看護師さんがついていて下さったので、看護師さんと「まだ少しかかりそうですね〜」「出てきたらきっと、とっても可愛いですよね〜」という感じで色々とお話ししていました。
interviewer:それは安心ですね。
Uさん:はい。
interviewer:Uさんは「痛みに耐えるのが苦手」とのことでしたが、実際に痛みはどの程度感じましたか?
Uさん:全く痛くなかったです!
interviewer:おぉ!
Uさん:本当に、全く痛くなくて。お産の経験者には「子宮口が何センチくらい開いた状態だと、もう笑ってなんていられないよ!」と言われていたのですが最後まで全然痛くなくて、普通にお話しをしている時に「 あ、出ました」というくらいの感じでした(笑)。
interviewer:余裕ですね!
Uさん:「うぅーっ」という感じでイキむのですが「はい、 もうイキまなくていいよ〜」と言われた直後にスッと出てきてくれました。痛みがない分、とても冷静でいられたので赤ちゃんが出てきた瞬間もハッキリと覚えています。それがとてもよかったです。
interviewer:ちなみに夫さんは立ち会いされましたか?されませんでしたか?
Uさん:立ち会いはしませんでした。
interviewer:産後、麻酔が切れてから痛みはありましたか?
Uさん:それはありました。かなり痛かったですね。痛み止めも飲みました。処置をしてもらうために処置室に歩いていく必要があったのですが、痛みで歩くことができなくて車椅子で運んでいただいたくらいです。
interviewer:それは相当な痛みでしたね。どれくらいの期間、痛みは続きましたか?
Uさん:確か、1日〜2日くらいで痛みはなくなったと思います。
interviewer:それでは次に、出産をした後の流れを教えてください。
Uさん:出産当日に私の両親、それから夫と義理の両親も大分県から会いに来てくれました。
interviewer:普段は大分県にお住まいで、里帰りで山口県でお産されたんですね。
Uさん:そうです。その後は夕ご飯をいただいて、娘は看護師さんに預かっていただいて寝ました。
nterviewer:夜間も赤ちゃんを預かってもらえる産院だったんですね。退院までは何日間入院されましたか?
Uさん:7日間入院しました。
interviewer:少し長めの入院ですね。
Uさん:夫の仕事が休みの日に家族そろって退院したかったので、退院が週末になるように調整していただいた関係で少し長くなりました。
interviewer:Uさんが感じた「やかべ産婦人科医院」の良かった点を教えてください。
Uさん:まずは院内がとても綺麗なところです。それから先生も看護師さんも優しいところでしょうか。ある日、先生が汗だくで手術室から出てくるのを見かけたので「先生、なぜ汗だくなのですか?」と聞いたら「赤ちゃんが寒いといけないから、お産の時は冷房をつけないんです」とのことで。「赤ちゃんのことを第一に考えてくれてるんだなぁ」という風に思いました。
interviewer:確かに、生まれてすぐ冷房で冷え切ったお部屋では寒くて赤ちゃんも嫌ですよね。先生、優しい!
Uさん:看護師さんもとても話しやすくて良かったです。産後、私は貧血がひどかったのですが、とても気にかけてくださり、こまめに声もかけていただきました。母乳の飲ませ方を教えていただいたり、ミルクの測り方もすごく丁寧に教えてもらいましたね。
interviewer:親身なサポートがとても心強いですね。産後の貧血はどのような感じだったのですか?
Uさん:お産を終えた後、最初にお手洗いに行く際に動こうとしたら、頭が上がらず自力では立てないという感じになってしまいました。
interviewer:えーっ!
Uさん:なので、看護師さんに補助していただきながら四つん這いで個室内にあるお手洗いまで移動しました。貧血改善のために点滴も何本か打ってもらったのですが、元々貧血がある体質なのでそれも関連しているとは思います。
interviewer:貧血が治るまでどれくらいかかりましたか?
Uさん:1日〜2日くらいだったと思います。
産後のお母さんたちとゆったり「おやつの時間」を満喫
interviewer:病院のお食事はいかがでしたか?
Uさん:とても美味しかったです!和食から洋食まで種類も豊富で嬉しかったですね。当時はコロナが流行る前で厳しい規制がなかったので「おやつの時間」というものがありました。他のお母さん達と一緒に、美味しいケーキと紅茶をいただいてとても楽しい時間を過ごすことができました。
interviewer:他のお母さんと交流する場が設けられていたんですね。病院にいながら楽しいお茶会ができるなんて素敵ですね。
Uさん:そうですね。そんな機会でもないと出会うことがないような方達とつながることができて面白かったです。
interviewer:ちなみに、お話された方々の中には無痛分娩でお産された方はいましたか?
Uさん:無痛分娩は私だけでした。他のみなさんは自然分娩と帝王切開でしたね。
interviewer:そうなんですね。
Uさん:当時は今ほど無痛分娩が浸透していなかったんだと思います。
interviewer:なるほど。そうかもしれませんね。
Uさん:下関には産院はけっこうありますけど、先ほどお話したとおり無痛分娩に対応している産院は2つしかなかったので。自宅の近辺でも1つしか見つからなかったのでまだまだ無痛分娩でお産する方は少ないんだと感じました。
interviewer:そうなんですね。Uさんがお産されてから5年の間に、身近で無痛分娩をされる方は増えてきたと感じますか?
Uさん:親戚で1人、無痛分娩でお産した人がいるくらいですね。「無痛分娩どうだった?」と聞かれたので、私の体験談を伝えて「不安がなければやってみたら」とオススメしました。
interviewer:その親戚の方はUさんのオススメがあって無痛分娩を選択されたんですね。
Uさん:そうですね。
interviewer:無通分娩を終えて「もっとこうしておけばよかったな」と思うことはありますか?
Uさん:特にないです。あえてあげるとすれば「やかべ産婦人科医院」は麻酔科医が24時間常駐している産院ではないので、赤ちゃんが産まれてくるタイミングによっては自然分娩になる可能性があります。私は「無痛分娩ができる!」と嬉しくて舞い上がっていたので、その説明を聞いた時にはがっかりしました。
interviewer:産院選びの際にはそこまで確認していなかったのですね。
Uさん:はい。それに気がつくのが遅かったので、自然分娩で産まれてくる場合については全く準備をしていかなかったんですよね。結果的には無事に無痛分娩ができたのでよかったのですが、その点はもう少ししっかりと把握して準備しておけば良かったなと思います。
interviewer:なるほど。産後の体力消耗はどのような感じでしたか?
Uさん:体力消耗はなかったです。麻酔が切れた後の痛みと貧血が収まってからはとても元気でした。早く子供の顔を見たくて、赤ちゃんを預かっていただいているナースステーションと病室を何度も往復していました(笑)。
interviewer:元気ですね〜!
Uさん:けっこう自由な時間があったので、電話をしたり、テレビを見たりもしました。
interviewer:退院されてから、日常生活に戻るのもスムーズでしたか?
Uさん:そうですね。実家に戻っていたので色々と身の回りのことを手伝ってもらえる環境でしたが、それを加味しても体力的には全く問題なかったです。
5年経った今でも、我が子が産まれてくる瞬間を昨日のことのようにハッキリと覚えています。
interviewer:無痛分娩をやってみてよかったと思いますか?やらなくてもよかったと思いますか?
Uさん:やってよかったですね。
interviewer:その理由は?
Uさん:私の場合は「全く痛くなかった」ということですね。それから、子供が出てくる瞬間をハッキリと覚えていられたことです。「こういう風に出てきて、看護師さんがキレイにしてくれて、お顔を私に見せてくれて、一旦ベッドに置いて・・・」そういった手順を全部覚えています。子供が産まれる瞬間は1度しかない場面ですよね。その1番大切な瞬間をしっかりと見ていられたのがよかったですね。
interviewer:5年前のことなのに、記憶がとても鮮明ですね。
Uさん:そうです、そうです!今でもまるで昨日のことのようにハッキリと覚えています。
interviewer:無痛分娩についてUさんが「デメリットだな」と思う点はありますか?
Uさん:麻酔の効き具合に個人差があるという点でしょうか。
interviewer:麻酔は相性があると言いますものね。
Uさん:そうなんですよね。ちなみに「やかべ産婦人科医院」では事前に麻酔のテストを受けました。
interviewer:どのようなことをするのですか?
Uさん:実際に少量の麻酔を入れて、保冷剤を足につけて冷たさを感じるか、感じないかという方法でテストをしました。私はその時も全く冷たさを感じませんでした。
interviewer:事前の麻酔テストはいつごろ受けましたか?お産の直前でしょうか?それとも通院中ですか?
Uさん:妊婦健診に通っている時に受けました。
interviewer:他にデメリットだと思うことはありますか?
Uさん:無痛分娩に24時間対応していない産院の場合、無痛分娩が確約されない点がデメリットになると思います。
interviewer:最後に、これから無通分娩をしようか迷っている方にメッセージをお願いできますでしょうか。
Uさん:私は無痛分娩をオススメしたいのですが「産みの苦しみを味わってこそ母親だ」というような考えが根付いてる産院もまだまだ多いと感じます。里帰り出産を決める前に、自宅近くの産院で無痛分娩をしているか質問をしたら「産みの苦しみをぜひ味わってもらいたい。当院ではそれが大切だと考えているので無痛分娩はしていないです」と言われたんですね。そういう風に言われると、なんだか無痛分娩自体が悪いことのように感じてしまう妊婦さんもいると思うんです。
interviewer:そうですね。
Uさん:無痛分娩をしたい理由はそれぞれにあると思うので、無痛分娩に興味がある方は、無痛分娩に対応している病院に分からないことを納得するまで質問したり相談して決めると良いんじゃないかなと思います。
interviewer:Uさん、実体験に基づく貴重なメッセージをありがとうございます!