神奈川県Mさんご夫妻 帝王切開か無痛分娩の2択/北里大学病院
ご自身も弟さんも北里病院で生まれたというMさん。コロナ禍の里帰り出産。最初は自然分娩の予定だったそうですが、当日になって発熱や血圧上昇もあり急遽無痛分娩に変更。その詳しい流れをお聞きしました。
【基本data】
■name/Mさんご夫妻
■年齢/夫_38 妻_33
■お住まいのエリア/神奈川県
■家族構成/夫・妻・娘
■出産施設/北里大学病院
■無痛分娩回数/1回
■出産費用総額/約23万円(基本費用:約52万 + 無痛分娩費用:約13万円 ー 出産育児一時金:約42万円)
■無痛分娩実施時期/ 2021年9月
■取材時期:2023年2月
私も弟もここで生まれた。家族代々お世話になっている安心感。
interviewer:本日はどうぞよろしくお願いします。
妻:初めまして。よろしくお願いします。
interviewer:ではまず最初に、無通分娩を知ったきっかけを教えてください。
妻:私の場合は母からでした。私は2人兄弟で下に弟がいるんですけど、その(出産の)時に無痛分娩の人と同室だったと母から聞いていました。その同室の方が「これだったら何人も産める」とか「もう次は絶対に無痛分娩で産む」とか、みんなに勧めてきたと言っていました。
interviewer:ということは、お母様も無痛分娩には悪いイメージがなかったんですね。
妻:そうですね、ありがたいことになかったです。
interviewer:結構まだ親世代だと「痛みを感じない出産なんてダメ」って反対するパターンってもあるらしいんですけど、そういうのは全くなかったですか?
妻:全くないです。私の叔母も、子どもが5人いるんですけど、確か1番下か真ん中の子が無痛分娩でした。そういうこともあって、悪いイメージとか、母や親戚から反対されたというのはあまりなかったです。
interviewer:それは無痛分娩しやすい家庭環境だったのですね。では、実際ご自身が妊娠された時に「じゃあ、私も無痛分娩にしよう」と思われたのにはどういった理由、もしくは決め手の様なものがあったのでしょうか?
妻:実はですね、結局夫と話し合って、最初は自然分娩でいこうという話になっていたんです。北里大学病院で娘を生むことを決めた後、事前に講習会みたいな場で説明のビデオ等を見た時に、一応何かあった時の為に無痛分娩にもできるし、帝王切開にもできますって途中で変えれるような形にしたんです。
interviewer:なるほど、選択できるようにしていたんですね。
妻:はい。それでも、当日までは自然分娩の予定で待機をしていたのですが、血圧が上がってしまったのと、発熱とちょっと嘔吐もあったので病院の方から「これじゃあ、もう帝王切開の方がいいんじゃないか?」って話になったので「いや、だったら無痛分娩で!」って変えてもらいました。
interviewer:帝王切開よりは全然いいですもんね。
妻:そうですね。
interviewer:北里大学病院はどちらにある病院なのですか?
妻:神奈川県相模原市です。
interviewer:有名な病院ですよね。医学部の他にあと薬学とかでも。
妻:確か新しい千円札の肖像画になる「北里 柴三郎」氏がつくった病院です(笑)
interviewer:ああ、そうですね!では、その北里大学病院に決めて講習を受けた時以外には無痛分娩について、事前に調べたりは特にされなかったんですか?
妻:ほとんどしませんでした。北里大学病院に結構信頼を置いていたので。私も弟も北里大学病院で生まれていたということもありましたので「もう全部先生にお任せします!」みたいな感じで、あんまり調べたりとかはしなかったです。
夫婦そろって同意書にサイン。コロナ禍で夫は立ち会えず・・・。
interviewer:当日まで自然分娩の予定が、急遽、無痛分娩になったとのことですが、その時は夫さんも一緒に説明を受けられたのですか?
夫:ちょうどコロナ禍だったので、全然立ち会うことができませんでした。娘が生まれたのが2021年9月で、妻は9月中旬から1週間ほど入院していたのですが、その時がちょうどコロナ流行の真っ只中だったので。
interviewer:では、無痛分娩に変更したというのは後から知ったのですか?
夫:はい、後からでした。
妻:勝手に私が変えてたので、連絡するタイミングがなかったんです。
夫:今思うと立ち合いしないでよかったです。ボクは倒れてると思います、多分(笑)。
interviewer:無痛分娩に変更したと知った時はどんな印象を受けましたか?夫さんも無痛分娩の存在自体は知っていたのでしょうか?
夫:もちろん一緒にビデオを見たりとか講習を受けたので、一応は知っていました。先に承諾しとかないとできないということだったので、どっちに転んでもいいように、とりあえず承諾書にサインはしておきました。
妻:同意書は夫婦一緒に記入しないとダメだったので。
夫:揃って書きました。
妻:それで、その同意書を先に北里大学病院に提出しないと無痛分娩はできなかったんです。
夫:実は、意外と私が古い人間で、やっぱり痛みを伴って生まないと…みたいな考えがどこかにあって、「とりあえず自然分娩でいこうよ」っていう話はしてたんです。
interviewer:そうなんですね、男性側も意外と多いみたいですね。「自然分娩じゃないと」という方も。
夫:そうですね、あともし何かあったら…みたいな不安もありました。無痛分娩のリスクも講習会などでちょっと聞いていたりもしたので。「とりあえず頑張るだけ頑張って、きつかったら無痛分娩で…」って話をしてたんです。
interviewer:なるほど。
夫:でも、まさかの血圧が200ぐらいまで上がっちゃったみたいで。
interviewer:200?
妻:はい、血圧200くらいがずっと続いちゃって、内診ができないと言われてしまって。熱も37度以上あったので。もうそれで「自然分娩は難しいので帝王切開、もしくは無通分娩の方がリスクが少ないです」と言われました。
interviewer:それは大変でしたね。ちなみに北里大学病院の無痛分娩はどういう段取りでしたか?
病院によって微妙に違いが結構あるみたいですが。
妻:そうなんですね。
interviewer:例えば、イキみやすいように若干痛みを残すようにする病院とか。逆に麻酔で痛みを完全にゼロにしますよって病院もあるのですが、北里大学病院ではどうでしたか?
妻:私の場合は、下半身だけになるんですかね。痛みは特にないんですけど、冷たい保冷剤みたいのを足にこうピタっと当てられて「冷たさを感じますか?」って聞かれたりしました。あんまり感じないっていうぐらいがちょうどいいと言われました。
interviewer:なるほど、全く感じないより多少は感覚を残して麻酔をかけるというタイプですね。
妻:そうだったと思います。
interviewer:ちなみに費用はどれぐらいでしたか?
夫:確か13万くらいかと。
interviewer:通常の分娩費用プラス13万円ですか?
夫:そうですね。明細書に『無痛分娩(麻酔)』って書いてあって、13万円自費金額って書いてあります。
interviewer:なるほど。
夫:トータルだと約65万となってます。北里大学病院は結構高いって言われるんですよね。
interviewer:いや、ちょうどよい金額感だと思いますよ。クリニックとかだと5万とか10万円とか、そのくらいの値段でできるところも多いみたいですけど、大学病院でしたらもっと金額が高いところもあります。
妻:そうですよね。
早朝から1日がかりの出産。無痛分娩に変えたタイミングは?
interviewer:出産当日の話をお聞きしたいと思います。まず、無痛分娩は大体、あらかじめ決めておいた予定日に陣痛促進剤を入れて無痛分娩をする「計画無通分娩」と、自然に陣痛が来てから出産をする「無通分娩」の2種類があるのですが、ちなみにどちらでしたか?
妻:そうですね、どちらでもないといった方が正しいのでしょうか。元々は、自然分娩で産もうとしていたので。自然分娩で予定日を決めて産む予定だったんです。それで、前日に入院してバルーンを入れました。
interviewer:なるほど、自然分娩で予定日からスケジュールを組んで出産、つまり計画分娩の予定だったということですね。
妻:そうです、そうです。
interviewer:入院当日はある程度「明日産むぞ」みたいな心の準備はできていましたか?
妻:そうですね。できてました。
interviewer:出産の前日はぐっすり眠れましたか?
妻:不安はなかったのですが、バルーンでの拡張が痛すぎてなかなか寝付けませんでした。 それと、入ったのが大部屋だったのですが、同室の方の赤ちゃんの泣き声とかで、あんまり寝れなかったというのはあります。
interviewer:やっぱり大部屋は大変って言いますよね。
妻:そうですね。
interviewer:では次に当日になって、朝からの流れを教えていただけますか?
妻:確か、朝の4時か5時ぐらいに待機部屋に呼ばれまして…。
interviewer:随分早いですね。
妻:そうですね。私以外にも何人かベッドに横になっていて、看護師さんが大体妊婦さん1人に1人ずつ担当として付いてくださったんです。まず、陣痛促進剤を点滴から入れていただいて、子宮口が少し開くまでは、そのまま待機していきましょうという流れでした。
interviewer:なるほど。
妻:私の場合はお昼前ぐらいに子宮口が確か3cmぐらいだったにも関わらず、血圧上昇と発熱と嘔吐が始まってしまったんです。そこで、もう無痛分娩にしようっていうことになって、1回麻酔を入れました。
interviewer:前日までは特に体調が悪いということはなかったのですか?
妻:そうです、そうです。全然元気でした。
interviewer:待機中にどんどん具合が悪くなっていったんですね。
妻:はい、そうなんです。
interviewer:なるほど、それは珍しいパターンですね。出産した後に発熱したといった話は聞くのですが、産む直前に血圧や熱が上がるというのは結構珍しいかもしれないですね。
妻:そうなんですね。
interviewer:それで、お昼頃に無痛分娩に変更が決まって、その後どうなりましたか。
妻:麻酔を入れてからはもう全く痛みもなく、自分で自分を二重人格かなと思うぐらい楽になりました。「あ、もう全然大丈夫です」「そのうち生まれますね(笑)」って看護師さんやスタッフさんと余裕で話していたのですが、そこから子宮口が全然開かなかったんです。19時過ぎぐらいに分娩台の方に移動したんですけど、そこから子宮口が9cm以上にならなくて、21時ぐらいに麻酔が切れちゃったんです。多分徐々に子宮口が開いていれば、痛みも徐々に来たと思うんですけど、麻酔が切れていきなり、すっごい痛みが来たので、耐えられずにもう1回麻酔を入れていただいたんです。
interviewer:痛みの中でまた麻酔を打つのは大変そうですよね。動いちゃいけないんですよね?
妻:そうなんです。もう横になるのもきつくて「触らないで!」って叫びたくなるくらいでした。それでも、どうにか麻酔入れていただいて…。
interviewer:そこからまた楽になってきたんですか?
妻:そうですね。また二重人格のように「あ、はい、ありがとうございます、大丈夫です」みたいな感じになりました。そうして日をまたいでしまったのですが、夜中の0時45分ぐらいに娘を出産しました。
interviewer:結構な長丁場でしたね。
妻:長丁場ですね。
interviewer:夫さんは当日どんな気持ちで待ってられましたか。
夫:全然連絡が来ないので、さすがに心配しましたよね。
妻:携帯いじれなかったから。
夫:ボクも一旦寝ちゃったんですよね、全然連絡が来なくて。それこそ夜中の2時頃だっけ?
妻:1時過ぎじゃなかったかな。北里大学病院の方が「夫さんにご連絡しますね」って言ってくださって。
夫:妻じゃなくて、病院側から連絡が来たから、その時はちょっと焦りました。
interviewer:焦りますねそれは。
夫:ちょうど会社の人から「出産時に母子共に亡くなった」という話を耳にしていたので、一瞬その話が頭をよぎりました。
interviewer:そういう話を聞いていると余計に不安ですよね。病院によっては麻酔入れてからも携帯を触っていい病院もありますが、北里大学病院はNGだったのですね。大学病院だから結構厳しめだったのかもしれないですね。
妻:あとは、他に何人かいらっしゃったからかもしれないですね。それと、もしかしたらバースプランに「携帯で夫と連絡したい」みたいなことを書いていれば見れたのかもしれません。私は何にも書かなかったんです、バースプランとか。
interviewer:子宮口が開くのを待つ間は、何をして過ごされてたのでしょうか。
妻:そうですね、耐えてる時は、看護師さんが手を握ってくださってたりで、それでももうずっとハアハア言ってたんですけど。あと落ち着いてきてからは、隣の方とお話したりとかしてました。
interviewer:なるほど。自然分娩の方も無痛分娩の方も同じ場所で待機していたのですか?
妻:そうです。私の向かい側に座っていた方は無痛分娩の方でした。「もうすごい楽」とか言ってました。隣の方は自然分娩だったんです。でも、私がもう最初すっごいヒーヒー言ってたのに、途中で無痛分娩に変えたとたんに落ち着いたので、隣の方が「無痛分娩ってそんなにいいですか?」「さっきまで叫んで嘔吐してたのに、全然元気じゃないですか」って驚かれてました(笑)。
interviewer:先ほどご自身で言われていた「二重人格」という表現はこのエピソードから来ているのですね(笑)。
妻:それもあります(笑)。このように待機時間は隣の人とお話したり、看護師さんとお話したりしながら子宮口が開くのを待つ感じでしたね。
interviewer:なるほど。では無痛分娩で出産を終えてから、麻酔がだんだん切れてくると思うんですけど、その後の痛みはどうでしたか?
妻:そうですね。基本的には全然平気だったんですけど、イキんでる時間というか、待機時間が長かったため、お尻が痛すぎて・・・。
interviewer:座りすぎとか、力の入れ過ぎが原因ですか?
妻:そうですね。
interviewer:なるほど。
妻:お股(会陰部)の方は全然大丈夫だったんですが、お尻の方がめっちゃ痛かったです。
interviewer:では、麻酔が切れても痛みがあったのはお尻くらいでしたか?
妻:はい、そうですね。
interviewer:では次に出産し終わってからの流れを教えてください。処置の流れはどのような形でしたか?
妻:出産直後は麻酔を2回打ったからなのかは分からないんですけれど、まだ麻酔が足に効いてる状態だったんです。ですので、まだちょっと歩いたりすることができなかったので、ベッドのまま個室に移動していただきました。
interviewer:出産後は個室だったのですね。
妻:そうですね、産んだ後は個室にしてもらうように頼んでありました。個室に入ってからはそのまま翌日の朝まで全然動けずにいました。
interviewer:大分麻酔が効いてたんですね。
妻:そうですね。トイレとかも行けないので、管を入れていただいてましたね。
interviewer:そうだったんですね。翌朝まで動けなかったというのはすごいですね。
妻:おそらく麻酔を2回入れたからじゃないかなとは思ってるんですけどね。
interviewer:退院されたのはいつですか?
妻:たしか入院から6日後ですね。経産婦さんだと、もうちょっと早い退院になるみたいなんですけど。
interviewer:北里大学病院の良かった点について教えてください。
妻:そうですね、やっぱりスタッフさんが充実してるところだと思います。例えばナースコールを押せばすぐに来ていただけますし、麻酔科医も神奈川の病院の中では多い方だということを聞いていたので、もし何かあっても帝王切開できるし、無痛分娩もできるという信頼感がありましたね。あとは、やはりこの辺りで一番有名な病院なので、周りにいっぱい妊婦さんもいて、おを聞く機会もいっぱいあったところですね。
interviewer:そうなんですね。ちなみに、ご飯はどうでしたか?
妻:あ、ご飯美味しかったです!
interviewer:そうでしたか。大学病院で出産された方にお話を聞くと、他は良かったけど、ご飯はあんまりだったとか、ほんとにもう酷かったっていう人が多かったのですが、北里大学病院の食事は美味しかったのですね。
妻:そうですね。退院する前日は、スペシャルメニュー(お祝い膳)みたいなものも出ました。
interviewer:それは嬉しい!
妻:そうです。あとコンビニが何店か併設されてるので、タブレットで注文すれば、部屋まで届けてくれるのがとてもありがたかったです。
interviewer:それは便利ですね!
妻:助かりました。
interviewer:他には何かありましたか?
妻:北里大学病院では母子同室を推奨してるんですけど、新生児を預かってもらうことも可能でした。
interviewer:預かってくれたんですね。
妻:はい、預かってもらいました。
interviewer:たまに厳しいとこありますよね。「母子同室しか認めません!」というところとかも。
妻:そうですね。その辺りはネットで事前に調べてたので、預かってくれるところで良かったなって感じました。
interviewer:あとは、女性が入院する時に、やはり施設が綺麗かどうか気にされる方は多いのですが、北里大学病院はいかがでしたか?
妻:すっごい綺麗です。確か建て替えたばかりだったのかな。
夫:2014年に建て替えたみたいです。
interviewer:現在が2023年ですので、施設は築10年経たないぐらいですね。
妻:はい。すごく綺麗でした。
interviewer:他に何かいいところとか、 逆に良くなかった点はありましたか?
妻:良くなかった点は1つもないですね。
interviewer:それは素晴らしい!
妻:私たちは神奈川県小田原市に住んでいるのですが、初めて診ていただいた小田原市の病院に、すっごい不満がいっぱいあったので、そこと比べてしまうのもあるんですけど、北里大学病院はすごい良い印象しかないですね。
夫:ずっと小田原の病院で診てもらっていて、出産の時に実家に帰って北里大学病院で産むという里帰り出産だったので。
interviewer:小田原は夫さんの地元ですか?
夫:そうです。
interviewer: 無痛分娩で出産した後の疲れや体力消耗はどうでしたか?
妻:そうですね。下半身の痛み、お尻の痛みがすごすぎて3週間ぐらいはキツかったです。
interviewer:あんまり動けない感じでした?
妻:動けないほどではないです。徐々に痛みは減ってきてますし、良くはなってきてるんですけど、普通に床に座ると痛いみたいな。
夫:それは無痛分娩だったからというわけではないよね?
妻:多分、踏ん張りすぎて痛かっただけです(笑)。
夫:あと血圧がちょっと、1週間ぐらい高かったっけ?なかなか下がらなかった記憶があります。
妻:180以上がしばらく続きました。
interviewer:ちなみに、元々血圧は高いのですか?
妻:全然そんなことはないです。
夫:100ぐらいですかね。100ちょいぐらい。
interviewer:ということは、出産前後の時だけ急に血圧がドンって上がったということですか?
妻:そうです。
interviewer:そういうこともあるんですね。
妻:執刀の先生にも、次の出産の時はもう無痛分娩じゃないと無理かもしれないと言われました。ですので次また出産するときも北里大学病院にお世話になろうと思いました。
夫:それを聞いちゃうと、もう次は最初から無痛分娩にしとこうかって思いますね。
interviewer:そうですよね。出産後はお尻の痛み以外の部分では、疲れや体力消耗等はありましたか?
妻:特になかったと思います。ちょうど私が産休に入る前、職場に帝王切開で出産した育休明けの方がいて。その方が「全然2ヶ月ぐらいは動けなかった」「 ズキズキずっと痛かった」みたいな話をされてたんですね。この話を聞いていたので不安になりすぎてたのかもしれないですけど、私は別にお腹も痛くないし、割と早く体力も戻ったので、疲れとか体力消耗は感じませんでした。
健康上の理由で夜間でも特別に無痛分娩対応。
interviewer:次に、もしもう1人ご出産されることになったら、自然分娩・無痛分娩どちら選ばれますか?
妻:無痛分娩一択ですね(即答)。
interviewer:では結果、やってみてよかったと思いますか。それともやらなくてもよかったと思いますか?
妻:やってよかったです。
interviewer:やはり血圧っていう健康上の理由がありますよね。
妻:それもありますし、先ほどもお話したように9cmから子宮口が開かない時間が長かったんです。その間も全然痛くなかったです。何の痛みも感じなかったです。
interviewer:もしそれが麻酔なしだったら?
妻:ちょっと考えたくないですね。お昼前までの3cmの時でさえ、あんなにしんどかったのに。麻酔入れてからは「はい、今9cm」って言われても「じゃあ、あと1cmか」と思えるくらい、すっごい楽でしたね。なんの痛みもなく。
interviewer:痛みがない以外に、無痛分娩のメリットを感じた点はありますか?
妻:私の場合は、その血圧とか…あと命の部分、そうですね、命の部分ですね。無事に出産できたというところです。あ、あとは暴言を吐かなくなるとか(笑)。
interviewer:それは、自分が乱れないという点で?
妻:はい、そうですね。もう痛かった時には「助けて!」とか「誰かっ!」ってひたすら叫んでたんですけど、無痛に切り替えてからはそういうことも全然なくなりました。
interviewer:では、逆に無通分娩で、これはデメリットだなって思う部分ってありますか?
妻:値段ですかね。やっぱり高いですね。値段が高いのと、リスクが怖いというのはありますね。
interviewer:なるほど。
妻:でも、海外じゃ当たり前じゃないですか。だから、日本でももっと一般的になって、安全性が確保されてほしいなっていう気持ちはありますね。
interviewer:周りの方々、友人の人とかで無痛分娩された方はいたりするんですか?
妻:私の友達ではいないですね…。
夫:友達が少ないのでは?
妻:ま、そうです(笑)。それも、ありつつ。
interviewer:じゃあ、無痛分娩を他の方におすすめしたいと思いますか。
妻:もう、私自身は勧めたいですね。
interviewer:その時はどのようにオススメしますか?
妻:やはり「本当に痛くないよ」って点ですかね。本当に痛くないですし、回復も早い。私は初産婦で自然分娩を経験してないため、自然分娩や他の病院と比較はできないんですけど。 あとは北里大学病院だからかもしれないんですけど、途中で「自然分娩では無理そうだ」と思ったら無痛に変えられるっていうのは、やっぱりすごい良かったなと思います。同意書さえ書いておけば、自然分娩も無痛分娩も直前まで悩める病院もあるというのは、是非知っておいてもらいたいですね。
interviewer:出産直前や分娩中に無痛分娩に切り替えられる病院は、よっぽど体制がしっかりしている施設だけなんですよね。
妻:そうなんですね。他にあんまり病院を見て回ってなかったから、どこの病院もそういうものかと思ってました。
interviewer:これができる施設はかなり珍しいと思います。それこそ夜以降や土日祝日は麻酔科医がいないから無痛分娩できないという施設もたくさんあります。
妻:ちなみに私の場合は特別に麻酔科の先生を呼び戻していただいた形でした。
interviewer:ということは、北里大学病院にも無痛分娩が可能な時間帯があるんですか。
妻:そうです。本来は夜間の無痛分娩はやってなかったです。ただ、血圧が急に上がったという点、途中で麻酔切れてしまい内診ができなくなったこともあり、特別に呼び戻してもらいました。
interviewer:なるほど。あくまで健康上の理由で夜間でも特別に無痛分娩が可能だったのですね。
妻:はい。緊急で呼び出していただいて、やってもらいました。
interviewer:本当に大変な出産だったと思いますが、無痛分娩のおかげで何事もなく無事に出産でき、本当に良かったです。本日は貴重なお話ありがとうございました。