麻酔科医 柏木先生 vol.01 | 監修の柏木先生に、色々と聞いてみました。
柏木先生Profile
柏木 邦友(かしわぎ くにとも)先生
■麻酔科医(専門医・認定医・標榜医)
■「東京マザーズクリニック」麻酔科医/「鼻のクリニック東京」麻酔科医/「アネストメディカル株式会社」代表取締役。
資格:日本麻酔科学会指導医/麻酔科標榜医/ACLS BLS NCPR ALSO取得
所属学会:日本麻酔科学会/日本臨床麻酔科学会/日本産婦人科学会/日本周産期新生児学会/日本集中治療学会/日本産科麻酔学会/IARS/OAA
経歴:これまで手掛けてきた無痛分娩は延べ3,000件以上。2013年に「アネストメディカル株式会社」を設立し、関東を中心に複数の施設で産科麻酔の臨床だけでなく、安全で効果的な無痛分娩の指導やマネージメントも行っている。産科麻酔以外にも日帰り全身麻酔手術や獣麻酔監修など麻酔のプロフェッショナルとして幅広く活動している。
2004年順天堂大学医学部卒業後、2006年順天堂大学浦安病院臨床研修修了、順天堂医院、順天堂練馬病院麻酔科、聖隷浜松病院麻酔科、順天堂大学浦安病院麻酔科を経て、2014年より東京マザーズクリニック勤務
著書に『怖くない・痛くない・つらくない 無痛分娩(PHPエディターズグループ)』。
柏木先生のバックボーンを教えて下さい。
interviewer:柏木先生のご出身はどちらですか?
柏木先生:生まれは群馬県です。ただ、母が里帰り出産で群馬で私を産んだということなので、育ったのは東京です。
interviewer:学生時代は部活などやっていましたか?
柏木先生:高校時代は柔道部で、大学時代はスキー部でした。スキー部はサークルのように楽しむのがメインの部活ではなく、がっつりと競技スキーに本気で取り組むような部活でした。
interviewer:思いっ切り体育会系の出身なんですね。お会いした感じ、すごく温和な印象でしたので、まったく想像つきませんでした。
interviewer:好きな食べ物はなんですか?
柏木先生:炭水化物です。中でもやっぱり白いご飯が好きですね。
interviewer:お酒は飲まれるんですか?
柏木先生:私はお酒が飲めないんですよ。だから突然呼び出しがあっても車で現場まで駆けつけることが可能です。緊急時にはすごい重宝されますね。
interviewer:柏木先生はどうしてお医者さんになろうと思ったのですか?
柏木先生:うちの家が代々医者の家系なんです。おじいちゃんも、親も親族もみんな医者だったので、自分の中では自然に医学部へと進んでいましたね。ちなみに弟も医者です。
interviewer:医者家系のおうちって、すごく厳格なイメージがあるのですが、実際はどうなんですか?
柏木先生:普通の家庭と変わらないと思いますよ。普通にテレビゲームとかもしてましたし、子どもを医師にするための超スパルタな家庭という感じではありませんでした。塾には行かせてもらってましたけど、すごい勉強している人とかに比べると、そこまで必死に勉強していたわけではなかったと思います。
interviewer:じゃあ、そんなに「将来、医者になれ」というようなプレッシャーはなかったんですか?
柏木先生:それはめちゃくちゃありましたね(笑)。
interviewer:ドラマやマンガなどでもよく見るのですが、お医者さんってなぜ自分の子どもにも医者になってほしいと思うんですか?
柏木先生:難しいですけど自己肯定感なのかもしれませんね。あとは、うちのような家系だと医者以外の生き方がよくわからないというのもあると思います。医者以外の職業のイメージがつかないから、子どもに医者になって欲しいと思うのかもしれません。
interviewer:様々な科がある中で、麻酔科医になろうと思ったのは、なぜですか?
柏木先生:学生の時は特にどこの科に行きたいということは考えていませんでした。医師免許を取得してから「臨床研修」で2年間いろんな科を実際に回るのですが、その時に麻酔科が特に興味深く感じました。そして、2年目で産婦人科を回った時に、産婦人科も興味深いなと思って、麻酔科か産婦人科で迷った末に麻酔科に入りました。麻酔科をやっていくうちに産婦人科の麻酔のお仕事もあったので、結果的に産科麻酔っていう部門もやるようになりました。
※臨床研修・・・国家資格である医師免許を取得した後、様々な医療現場で研修する制度。
interviewer:麻酔科のどういうところに魅力を感じたんですか?
柏木先生:結果がすぐに出るんですよ。例えば、内科だと薬を出して「1ヵ月後、また来てください」となって結果がわかるまで時間がかかります。麻酔科の場合は1分後には「自分がやったことが正しかったのかどうか?」の答えが出ているので、スピーディに結果がわかるというところに魅力を感じました。
interviewer:先生はご自身で産科麻酔を中心とした麻酔科医によるコンサルティング会社「アネストメディカル株式会社」を立ち上げ、代表を勤められておりますが、どういった経緯で設立されたのですか?
柏木先生:クリニック等の比較的小規模な施設では、帝王切開や無痛分娩をする際に「本当は麻酔科医を呼びたいけれど、なかなか呼ぶのが難しい」という現状がかつてありました。だったらもっと「麻酔科医を呼びやすいシステムをつくろう」「そうすればもっと安全に帝王切開や無痛分娩ができる」という想いがきっかけでつくった会社です。
interviewer:「アネストメディカル株式会社」さんでは、麻酔科医のコンサルティングもやっているということですが、具体的にどのようなことをされているのですか?
柏木先生:例えば「どういう方法が無痛分娩の今のトピックス」なのか「最も安全な方法はなにか?」とか「この薬は安全で、どの薬が使いづらい」などのアドバイスや技術的なサポート、そして麻酔医を含めたスタッフの教育をやっています。特に新しく無痛分娩のクリニックを立ち上げる時って、自然分娩だけしか経験してこなかった助産師さんはすごく戸惑うんですよね。若い助産師さんだとスムーズに無痛分娩を受け入れられることが多いのですが、中堅層の助産師さんだと「痛いのがお産」「痛みをとってしまうものはお産だと思えない」っていう人、結構いるんですよ。そういった人たちに無痛分娩の知識をレクチャーすることもやっています。あと「無痛分娩=危険」だと思ってる人もいるので、どうすれば危険じゃないようにできるのかというのをアドバイスしたりしています。
柏木先生がどんな人なのか教えて下さい。
interviewer:柏木先生の趣味ってなんですか?
柏木先生:マンガはよく読んでいますね。移動の合間などに読んだりできますので、iPadで読むことが多いです。
interviewer:好きなマンガを教えて下さい。
柏木先生:今ちょうど読んでいるのは『ジョジョの奇妙な冒険 第2部』です。昔読んだものを読み直しています。あとは『東京喰種』『宇宙兄弟』『キングダム』は好きですね。『東京喰種』は、伏線が多くて何回も読まなければわからないのですが、本当に面白いと思います。
interviewer:そういえばお医者さん(柏木先生)って、医療系マンガや医療系ドラマは見るんですか?
柏木先生:どうしても影響を受けてしまうので、あまりこちらから読まないようにしてるんですよ。あ、そういえば今ちょうど麻酔科医が主人公の『麻酔科医ハナ』という作品が『漫画アクション』で連載していますね。麻酔医の方が監修しておりますので、これを読めば麻酔科医がどんなことをしているのかイメージしやすいと思います。描かれている内容も私が読んでもリアルだと感じましたね。
interviewer:麻酔科医が主人公の作品って珍しいですね。マンガもドラマも外科医が主人公のものが多いイメージがあります。
柏木先生:そうですね。主人公というのは珍しいですが、マンガやドラマの作品内にはけっこう麻酔科医って出てきてるんですよ。例えば『医龍』にも出ていました。ドラマでは阿部サダヲさんが麻酔科医役を演じていたと思います。あれって、実在する人物をモデルにしたキャラクターなんですよ。
interviewer:「あまり見ないようにしてる」って言ってたのに、めちゃくちゃ詳しいじゃないですか(笑)。
柏木先生:(笑)。あとやっぱり職業柄、マンガでもドラマでもアラ探ししちゃいますし、仕事の延長の感覚になっちゃうので、作品を見てもそこまでリラックスできないんですよね。
interviewer:医師の目からみて、医療系ドラマや医療マンガなどの描かれ方で「実際は違うぞ」と感じる部分ってありますか?
柏木先生:ドラマでよく見るのが、オペ室で外科医が全体に指示を出しているというシーンです。実際の現場だと、オペ室の中心になるのって外科医ではなく麻酔科医というのが基本なんですよ。
interviewer:そうなんですか!?完全に外科医が中心だと思い込んでいました。
柏木先生:おそらく、そうした方が見る人にわかりやすいからなんだろうと思います。実は麻酔科医というものがまだ確立されていなかった時代には「麻酔を射つのは外科の若手の役割」という文化がありました。だから外科の先輩が後輩に指示を出すんですね。そこから「外科医がオペ室を仕切る」といったイメージが生まれたのかなと思います。麻酔科医というものが確立されてからは、この文化はなくなりました。
interviewer:他には趣味ってありますか?
柏木先生:猫を飼っているので、猫と遊んだり、あとはファッションとかも好きですね。ヨウジヤマモトが好きです。
ふだん、どんな働き方をしているのですか?
interviewer:先生のふだんのお仕事について教えて下さい。
柏木先生:朝はいつも6時過ぎぐらいに起きます。駅まで子どもの送り迎えをして、そこから仕事場に来ています。麻酔科医って朝早いんですよ。朝一からオペがあるから、準備もしなければならないので。準備はだいたい30分〜1時間くらいかかります。以前、心臓麻酔をやっていた時は毎朝5時に起きていましたね。いつも仕事はだいたい17〜18時には終わる感じなんですが、患者さんに何か起きたら24時間365日いつでも駆けつけなければいけないので、勤務時間が終わってもオフという感覚ではないですね。
interviewer:先生は現在「東京マザーズクリニック」でも働いていますし「鼻のクリニック東京」でも働いていますし、ご自身の会社「アネストメディカル株式会社」もありますよね。めちゃくちゃ忙しいんじゃないですか?
柏木先生:それに加えて週に1度、静岡の病院にも行っています。
interviewer:やっぱりすごい忙しいですね。
柏木先生:あと千葉県の行徳で、これから開業する病院があるので、そこの開業支援もやっています。
interviewer:休むヒマないじゃないですか。
柏木先生:たしかに。丸1日休みが取れることはほとんどないですね。例えば休日の予定があっても、呼び出しがあれば病院に駆けつけなきゃいけないので。
interviewer:常に呼び出しに備えているんですね。じゃあ電波が通じないところってどうするんですか?
柏木先生:なるべく行かないようにしていますね。携帯が通じないとストレスを感じます。
interviewer:例えば、映画館だったり、温泉とかに行く時はどうするんですか?
柏木先生:映画館に行く時は、必ず通路沿いの席を取りますね。電話があったらすぐに外に出られるように。温泉とかサウナとかは行かないですね。行くとしたら、防水機能付きの携帯にするとか、あ、でもお風呂は携帯持ち込めないか。もうとにかく携帯が持ち込めない環境には行かないですね。
interviewer:本当に患者さんの安全を第一に、ふだんから生活されてるんですね。先生の体が心配です(笑)。お正月とか夏休みはさすがに休みますよね?
柏木先生:そうですね。休みを取るようにしていますが、どこかに行くことがあっても、基本的には電話で病院まで駆けつけられる距離にしていますね。でも、どうしてもこの職業は手術で呼び出しがあったり、患者さんの出血で呼び出されたりというのがあって、どうせ休めないんだから、色んな病院を掛け持ちすることで、色んなところに行こうという想いはありますね。
interviewer:これまでに「こんなタイミングで呼び出された」っていうエピソードはありますか?
柏木先生:私の中で「あるある」なのは、お風呂に入っている時ですね。あとは、他の仕事をしている時に呼び出されるとか。2つ同時に呼び出しがかかった場合は、どちらかに待っててもらうしかないんですけど。
interviewer:もしかして、家族で旅行に行く時に呼び出しが来たこととかってあります?
柏木先生:そのパターンもありますね。ちょうど旅行に出かける前に呼び出しがきちゃって、家族に「ごめんね」って言って、病院に駆けつけました。
interviewer:柏木先生もすごいですけど、奥さんも理解してくれるのがすごいですね。
柏木先生:はい、理解してもらっています。そこは本当に助かっていますね。
産科の麻酔科医って、どういうことをしているんですか?
interviewer:無痛分娩の際に、麻酔科医は現場でどういう動きをしているのですか?
柏木先生:例えば「これから無痛分娩やります」っていう時には、まず妊婦さんに「硬膜外カテーテル」を背中に入れにいきます。その後はいったん分娩室から退出し「まだ痛みがある」など、何かあったら分娩室に向かうというスタイルでやっています。これはあくまで私の場合の話で、最初に麻酔を入れた後どうするかは、病院によって様々です。麻酔科医が直接1時間に1回、妊婦さんの様子を見に来るところもありますし、いったん麻酔をした後は助産師さんが管理してくれるところもあります。
※カテーテル・・・細い管の医療器具。
interviewer:病院や施設によって色々と違うものなんですね。
柏木先生:いま無痛分娩において「麻酔を入れた後は誰が管理するのか?」というのはトピックスの1つですね。「麻酔科医がやるべきなのか」「助産師なのか」「産婦人科医がやるべきなのか」。大きい病院の場合、やはり麻酔科医が見るのが良いですし、クリニックだと麻酔科医が常時いるわけではないので、その後、助産師とか産婦人科医が管理するというところもあると思います。
interviewer:麻酔科医が足りていないという情報を耳にしたことがあるんですが、麻酔科医が減ってるということですか?
柏木先生:麻酔科医自体の数はむしろ増えているのですが、医療の進歩によって、昔よりも様々な場面で麻酔を使えるようになってきたんです。例えば、以前は「100歳の人にはできなかった手術」が今はできるようになるとか。これまで「癌によって手術できなかったケース」が、できるようになったりだとか。だから麻酔科医自体も増えていますが、それ以上に麻酔を使うシーンが増えたことによって、麻酔科医が足りていないということになっているんです。産科麻酔に関しても、様々な科で麻酔科医の需要が高まっているので、産科の麻酔医が足りていないというのが現状です。
interviewer:すでに麻酔科医の人が、産科麻酔をやるためには、やはりそれ専門の勉強も必要なのですか?
柏木先生:そうですね。やっぱり質を上げるためには産科麻酔専門の勉強は必要だと思います。
interviewer:例えば、外科手術の麻酔と、産科麻酔の違いって、どんなところにあるのですか?
柏木先生:産科麻酔は基本的に起きている人を対象にしているのに対して、外科は全身麻酔になりますので、手技が全然変わってきます。外科の場合は全身麻酔が基本で、大量出血とかそういったケースにフォーカスを当てているのに対して、無痛分娩や帝王切開は、やはり外科に比べて手術時間も短いし、全身麻酔は基本的には行われないので、手技とかそういうところが上手くないと大変かもしれないですね。もちろん産科の知識も必要ですけど。
interviewer:柏木先生は麻酔科医の指導も行っておりますが、麻酔科医の技量ってどうやって見ているのですか?
柏木先生:まず大切なのは人間性だと思います。妊婦さんへの説明など、そういうところのケアやコミュニケーションをきちんとできる人。あと、麻酔は注射で打ちますので我々は「射しもの(サシモノ)」と呼んでいます。麻酔って、注射を的確に射せなければ、うまく効かないんですよ。だからここの技量は重要ですね。実は外科手術などで行われる全身麻酔って「射しもの(サシモノ)」が下手でもできるんですよ。
interviewer:そうなんですか!?なんとなく全身麻酔の方が難易度が高いものだと思っていました。
柏木先生:全身麻酔の場合は、注射が下手でも、点滴さえ入っていればあとは麻酔が効いてきますし、患者さんも意識がない状態になりますので、細かいさじ加減が必要ではないんです。だから、例えば歯医者さんの麻酔のように患者さんの意識を残したまま行う麻酔の方が難易度が高いんです。
interviewer:なるほど!たしかに「ちょっと麻酔効いているけど、まだ痛い」とか感じる時ってあります。上手な人だと、1発で的確に痛みを消せるということなんですね。
柏木先生:もちろん麻酔の効き方には、どうしても個人差がありますので「1発で的確に」とはいかないケースもありますよ。すごく効きすぎる人もいれば、いくら麻酔を入れても「効かない」という人もいます。
interviewer:自分が麻酔が効きやすいかどうかって、事前に判断する方法はあるのですか?
柏木先生:ある程度はわかります。例えば、太っている人や背骨に変形がある人は、麻酔が効きにくいという目安はあります。ただ、詳しく「その人の麻酔の効き方」を知りたいからといって、事前にMRIなどの精密検査をするわけにもいかないので、ある程度の目安と経験値で対処しています。
interviewer:実際に麻酔の注射ってどうやって練習するんですか?そう気軽に練習できないですよね。
柏木先生:点滴の練習は研修医同士でお互いに練習をして、麻酔を射つ練習は人形でする感じになります。
interviewer:麻酔って昔と比べてどのような進化を遂げているのですか?
柏木先生:薬はどんどん新しいのが出ていて安全性が高まってきています。例えば、マイケル・ジャクソンが薬の作用で亡くなりましたよね。あの薬は効果を打ち消す薬が当時ありませんでした。しかし、今はあの薬の効果で呼吸が止まってしまったとすれば、それを打ち消す薬もできてきているんですね。だから、進化という意味では安全性は高まっています。
無痛分娩の未来について。
interviewer:日本の無痛分娩において「もっとこうなればいいのにな」と思う部分はありますか?
柏木先生:今はまだ日本での無痛分娩は発展途上で、これから無痛分娩をどうしていけば良いのかという意見が医師の中でも分かれてしまっているので、もっと全体が仲良くなればいいなと思っています。
interviewer:2021年現在、無痛分娩を選択する人が増えてきているという印象がありますが、これから無痛分娩はどうなっていくと思いますか?
柏木先生:間違いなく増えていくと思います。例えば韓国では無痛分娩が保険診療になったところもあるので、日本も費用の問題を解決すればもっと増えると思います。
interviewer:日本でも無痛分娩がすごく増えたら、いずれ保険適用になることもあり得ると思いますか?
柏木先生:どうなんでしょうねぇ。今、日本では保険にすごくお金がかかっているので、財源確保ができるのかがネックになりそうですね。
interviewer:他に日本の無痛分娩に関して、問題だなと思うところはありますか?
柏木先生:麻酔科医が全く関わっていないのに「安全に無痛分娩可能」と謳っている一部の施設の中には「本当に安全に管理ができているのか?」という懸念はあると思います。安心してお産ができる体制が整っていないわけですから。また、無痛分娩とは呼べない、麻酔がきちんと効いていない分娩でも、無痛分娩と言い張る施設があるのは問題だなと思いますね。そこで出産した妊婦さんに「無痛分娩といっても、本当はけっこう痛い」と誤解されてしまいますし。
interviewer:そうですね。今は「無痛分娩」というワードが一人歩きしてしまっている部分があるので、だからこそ「無痛分娩PRESS」で無痛分娩に関する正しい情報を発信していかなければと思っています。
interviewer:麻酔科医という存在が、もっとこうなってほしいというイメージはありますか?
柏木先生:世間の目が麻酔科医にもっとフォーカスしてもらえるとうれしいですね。もちろん昔よりは麻酔科医の知名度は上がってきました。特に無痛分娩のありがたいところは、麻酔科医にスポットが当たりやすいところです。現在の日本では、手術を受けに来た患者さんが、手術を受けたい先生を選ぶことはできますが、麻酔科医を選ぶことはできませんよね。そこにいた麻酔科医に麻酔してもらうというのが現状です。ここがもっと変わっていって、どの麻酔科医に麻酔してもらえるかを患者さんが選べるようになっていくと良いと思います。
柏木先生にお願いしてみました。
nterviewer:柏木先生、本日はお忙しい中、インタビューにお答えいただきありがとうございました。
柏木先生:いえいえ。こちらこそ、ちゃんとお話できたかどうか。
interviewer:柏木先生は「無痛分娩PRESS」の監修をしていただいているので、今後も定期的にインタビューさせていただきたいのですが、さらに「無痛分娩PRESS」で一般の方から質問を募集して、柏木先生に回答してもらうコーナーというのを考えているのですが、いかがでしょうか?お忙しいのは重々承知なのですが。。。
柏木先生:いいですね!私も皆さんがどのようなことを疑問に思っているのか知りたかったので、ぜひやりましょう。
interviewer:ありがとうございます!
取材時期:2021年11月
【皆さまからの先生に対するご質問を大募集!!】
というわけで「無痛分娩PRESS」では、皆さまから無痛分娩に関する質問を募集いたします。無痛分娩に関して疑問に思うことや、よくわからないことがあれば、ぜひぜひご質問ください。
【募集方法】
「無痛分娩PRESS」のインスタアカウントをフォローいただき、メッセージに【柏木先生Q&A】と記入の上、質問内容を記入してください。
質問がある程度貯まった時点で、柏木先生に回答していただきます。回答は個々のアカウントへの返答ではなく「無痛分娩PRESS」で記事にして回答させていただきます。(質問いただいた方のアカウント情報を掲載することはありませんので、ご安心ください)また、柏木先生もお忙しいため、急を要する質問に関しては対応できませんので、予めご了承ください。