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2024.07.06
体験談

神奈川県サクラさん 17年前。幸せな思い出が育児の支え/愛育病院

1人目のお産が壮絶だったことから、2人目は迷わず「無痛分娩」を選択されたというサクラさん。現在お子さんは17歳に。「子育ては楽しいことばかりではありません。そんな時、幸せなお産の想い出が心の支えになりました」と話してくださいました。どのようなお産だったのか、サクラさんの無痛分娩体験談を伺いました。

【基本data】

■name/サクラさん

■年齢/49

■お住まいのエリア/神奈川県藤沢市

■家族構成/夫+妻+子ども(2人)

■出産施設/医療法人 愛育会 愛育病院

■無痛分娩回数/1回

■無痛分娩費用/約20万円

■無痛分娩実施時期/2007年10月


取材時期:2024年5月

※体験談で語られている病院の金額・サービス等に関する情報は、体験者様がご出産当時の記憶によるものです。これらは時期や状況によって変わる可能性があり、現在も同じとは限りません。詳しく知りたい方は病院のホームページ等から最新情報をご確認ください。

2人目は迷いなく「無痛分娩」を選びました。

サクラさん提供写真

interviewer:本日はよろしくお願いいたします。

サクラさん:よろしくお願いいたします。

interviewer:「無痛分娩」でお産をされたのは17年前とのことですが「無痛分娩」を知ったきっかけを教えてください。

サクラさん:2人目のお産でしたので、予定が立てやすい「計画分娩」を希望していました。条件に合う病院を探していく中で「無痛分娩」を知ったんだと思います。もうかなり前のことで記憶が曖昧で、すみません(笑)。

interviewer:そうだったのですね。「無痛分娩」を選択した理由を教えてください。

サクラさん:1人目が難産だったんです。妊娠中も2ヶ月程入院していました。本当に命懸けのお産だったので、お産に対する恐れがありましたね。

interviewer:なるほど。それで「無痛分娩」というものがあるんだったらやってみようと思われたのですね。

サクラさん:そうです。

interviewer:「無痛分娩」についてご自身で情報を集めたりしましたか?

サクラさん:インターネットで検索したり、周囲から口コミを聞いたりしました。

interviewer:どちらの病院でお産をされましたか?

サクラさん:神奈川県大和市にある「愛育病院」です。当時は夫の仕事の関係で池袋に住んでいたのですが、実家から近くて「計画分娩」ができる病院を選びました。

interviewer:「愛育病院」に決めた理由は他にありますか?

サクラさん:普通の婦人科と違って、病院っぽくない雰囲気が良いと感じましたね。

interviewer:「おしゃれな雰囲気」という感じでしょうか?

サクラさん:そうなんです。院内がとても綺麗で、入院生活も快適でした。同じ部屋で出産予定日が同じお母さんたちとすごく仲良くなったんです。食堂で一緒に食事する機会もあり、色々とお話をしてとても楽しかったです。

interviewer:同じ状況の仲間と、その不安な気持ちを分かち合えたという感じですね。

サクラさん:そうですね。お産もみんな一緒で、カーテンで仕切られてはいますが横並びでした。

interviewer:えぇ!横並びですか!

サクラさん:まさに「計画分娩」という感じですよね。分娩台の並び順に促進剤を入れるのですが、私だけ第2子のお産だったので1番最初だったのを覚えています(笑)。

interviewer:唯一の経産婦ということで、別の扱いですね(笑)。

サクラさん:そうなんです。

interviewer:お産にかかった費用はおいくらでしたか?

サクラさん:約20万円です。総額約60万円から(当時の)出産育児一時金の約40万円を引いた金額になります。1番高いお部屋を選択した場合は総額約80万円くらいしたと思います。

interviewer:「無痛分娩」をすることについて、ご主人やご両親はどのような反応をされましたか?

サクラさん:「それはいいね」という感じでした。「周りも助かる」と言っていましたね(笑)。

interviewer:周りに反対されたというケースも聞きますが、すんなり受け入れてくれたのですね。

サクラさん:「子供に愛情が湧きづらい」とか「痛みに耐えてこそ」という話も聞きますね。

interviewer:そうそう。

サクラさん:でも、欧米では「無痛分娩」が当たり前ですものね。私の場合は全く反対されませんでした。

interviewer:今と比べると、17年前はもっと「無痛分娩」の認知度が低かったと思うのですが、不安はありませんでしたか?

サクラさん:1人目のお産が大変すぎたので「無痛分娩」を選ぶことに不安や迷いはありませんでしたね。

interviewer:それほど壮絶だったのですね。お1人目のお産はどのような感じだったのですか?

サクラさん:赤ちゃんの心拍数が下がり危うい状態になり、急きょ吸引分娩をすることになったんです。助産師さんが私のお腹を押して、先生が吸引の器具を持ってこられたのを覚えています。立ち会い出産の予定でしたが「ご主人ちょっと外に出てください」と言われて夫は外に追い出されました。

interviewer:それは怖い体験でしたね。立ち会い出産どころではありませんね。

サクラさん:力づくで赤ちゃんを出したという感じでした。

interviewer:それで2人目は迷いなく「無痛分娩」になさったのですね。

サクラさん:「無痛分娩」にしたことで安心してお産に臨めたのがとても良かったです。1人目のお産の時は痛みや不安によるストレスで取り乱していましたので。2人目のお産はストレスが少なかったと思います。

麻酔が効いてからはテレビを見て過ごしました。

サクラさんのお父様と/サクラさん提供写真

interviewer:ここからはお産当日のことを伺っていきたいと思います。当日は緊張されましたか?

サクラさん:緊張しましたね。不安もありました。

interviewer:上のお子さんも一緒に病院に泊ったのですか?

サクラさん:宿泊はできなかったので、病院までついてきましたが私の実家に帰宅しました。長男が泣きながら帰って行ったのを覚えています。

interviewer:お産当日の流れを教えてください。

サクラさん:まず前日に入院して、子宮口を開くためにバルーンを入れました。それから背中に麻酔を入れるための管を入れる処置をしたように思います。当日は朝から分娩台に上がって、促進剤を調整しながら陣痛が進むのを待つという流れでした。

interviewer:「無痛分娩」を選択されましたが、実際の痛みはどのような感じでしたか?

サクラさん:背中に管を入れる処置が痛かったです。でも、1人目の自然分娩で味わった陣痛の痛みと比べたらなんてことはなかったです(笑)。1人目のお産は痛すぎて「もう、お腹を切って〜!」と思ったくらいでしたので。

interviewer:なるほど(笑)。麻酔を入れてからの痛みはどうでしたか?

サクラさん:麻酔を入れてからはあまり痛くなかったです。

interviewer:麻酔を打つ前の痛みを10だとすると、麻酔後の痛みを数字で表すとどのくらいでしたか?

サクラさん:5くらいでしょうか。

interviewer:産まれたのは何時頃ですか?

サクラさん:お昼ぐらいです。

interviewer:お産はスムーズでしたか?

サクラさん:スムーズでした。

interviewer:ご主人は立ち会われたのですか?

サクラさん:夫に立ち会ってもらう予定だったのですが。今度は私が追い出してしまったんです(笑)。集中しないと上手くイキめなくて。「ちょっとごめんね。出ていってもらえるかな」という感じでした。

interviewer:一番大切な場面ですから、集中したいですよね(笑)。

サクラさん:夫はカーテンの外で、多分丸椅子に座っていたと思います。

サクラさん提供写真

interviewer:麻酔が切れてからの痛みはどうでしたか?

サクラさん:会陰切開の傷が痛みましたが、それよりも子宮が元に戻ろうと収縮する痛みの方が痛かったですね。

interviewer:「後陣痛」ですね。

サクラさん:そうです。

interviewer:その痛みはどれくらい続きましたか?

サクラさん:2日くらい続きました。

interviewer:痛み止めは処方されましたか?

サクラさん:処方されました。薬を飲むと少しは楽になりましたが、夜は痛みでなかなか眠ることができませんでした。

interviewer:それは辛いですね。「無痛分娩」が終わってからの流れを教えてください。

サクラさん:産後すぐ「カンガルーケア」と言って、産まれたばかりの赤ちゃんを胸の上に乗せて30分程過ごしました。その後は、赤ちゃんだけ別室へ移動です。「愛育病院」は母体の回復を優先するために母子分離のスタイルでした。授乳の時間になるとお母さんが一斉に呼ばれるんです。泣いたらあげるのではなく、決まった時間にあげます。なんだか少し機械的な雰囲気ですよね(笑)。

interviewer:確かにそうですね(笑)。

サクラさん:おむつ替えもしてくださって、とにかく「お母さんは休むことに専念して」という感じでした。

interviewer:入院期間中ずっとそのような感じで過ごされましたか?

サクラさん:はい。他にはオプションのサービスでフェイシャルマッサージなどもありました。それがすごく良かったですね。

interviewer:お産を頑張ったご自身へのご褒美ですね。入院は何日間されましたか?

サクラさん:5日くらいだったと思います。

interviewer:マッサージの他に「 愛育病院」の良かったポイントを教えてください。

サクラさん:ご飯がとても美味しかったです。他のお母さん達とワイワイお食事ができてすごく楽しかったです。

interviewer:産院でお友達ができるっていいですね。

サクラさん:そうですね。赤ちゃんのお誕生日が一緒という共通点があるので盛り上がりますよね。それから助産師さんも、先生も良い方ばかりでした。

interviewer:病院について不満な点はありませんでしたか?

サクラさん:ないですね。強いて挙げるとすれば金額が高いくらいでしょうか(笑)。

interviewer:なるほど(笑)。

サクラさん:しかし、大抵は「お産」は人生で何度もあることではないと思うので私は支払う価値があったと思います。他の方にもオススメしたいと思える病院でした。

interviewer:「無痛分娩」後の疲れや体調はいかがでしたか?

サクラさん:そういえば、退院して2〜3日後に顔中に発疹が出て大変でした。多分「帯状疱疹」だったのではないかと思います。

interviewer:えぇ!

サクラさん:2人目はよく寝る子でしたし、そこまで疲れているという自覚はなかったのですが、身体は悲鳴を上げていたようですね。当時の写真を見るとすごい顔をしています。

interviewer:どれくらいで治りましたか?

サクラさん:なかなか治らなくて、皮膚科に通って1ヶ月ぐらいかかりました。

interviewer:よほど疲れが溜まっていたのですね。

サクラさん:2人目ということで慣れている部分はありましたが、上の子がまだ小さかったので大変でした。毎日フルマラソンを走っているような感覚でしたね(笑)。

interviewer:1歳と0歳では赤ちゃんが2人いるようなものですものね。

サクラさん:平日は夫が仕事で不在のためワンオペになりがちで、忙しかったせいか当時の記憶が本当にありません。お化粧をする余裕なんてなくて、まだ小さい2人を連れてどうやってお出かけしたのかすらよく覚えていないです(笑)。2人同時に泣かれてしまうともうお手上げ状態ですね。今思い返すと笑い話なのですけどね。

interviewer:お産の後、身体が産前の状態に戻ったと感じるまでどれくらいかかりましたか?

サクラさん:3ヶ月くらいだったと思います。私自身の睡眠時間もそれなりに確保できるようになって、生活リズムが整ってきた頃ですね。その時は幸い専業主婦をさせていただいてたので、仕事復帰のストレスもありませんでした。

interviewer:サクラさんが感じた「無痛分娩」のメリットを教えてください。

サクラさん:お母さん自身が精神的に余裕を持ってお産に臨めるというメリットがあると思います。「どうしよう」と不安な気持ちでお産の日を迎えるのではなく、穏やかな気持ちで臨めるというのはすごく大切なことだと思いますね。

育児で上手く行かなくて落ち込んだ時は、お産の思い出が心の支えになっています。

サクラさん提供写真

interviewer:当時、サクラさんの周りに「無痛分娩」をされた方はいらっしゃいましたか?

サクラさん:いませんでした。出産方法について話す機会がなかったので知らなかっただけかもしれませんが。

interviewer:出産と言えば自然分娩が当たり前の時代だったということもあるのでしょうか。

サクラさん:そうですね。あえて私から話す機会はありませんでしたね。今回「無痛分娩PRESS」のインタビューをお受けすることになり「珍しいケースだったんだな」と改めて思いました。

interviewer:そうだったのですね。サクラさんは「無痛分娩」をオススメしたいと思いますか?

サクラさん:もちろんです!

interviewer:どうしてそのように思われるのですか?

サクラさん:うまく表現できませんが、私はお産がすごく「キラキラした思い出」として心に残っているんです。

interviewer:素敵な言葉ですね。

サクラさん:すごく幸せな思い出で、私にとって宝物です。誰でも、人生や子育てで苦しい思いをする時があると思うのですが、幸せなお産の思い出が心の支えになります。ですので、ぜひオススメします。

interviewer:なるほど。お子さんが既に17歳ということもあり言葉の重みを感じます。

サクラさん:子育てでは色々と大変な思いをしましたので(笑)。「育児」は「育自」と言いますが、子育てを通して親として成長させてもらったと感じます。

interviewer:そうなんですね。

サクラさん:子どもが不登校になった時期があり「どうして」と、とても悩んだ時期がありました。子供が産まれた時はすごく嬉しいですよね。辛い時にはその時の感動を思い出して「必ずこの子を守るんだ」と前に進むことができました。

interviewer:お子さんを17歳まで育て上げたサクラさんならではの素敵なお話をありがとうございました。

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