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2024.11.08
体験談

東京都かよさん【後編】順調なお産が帝王切開に/国立成育医療研究センター

40歳を過ぎてから初のお産を迎えたかよさん。万が一にも備え、NICUのある国立の病院で出産することに決められたそうです。コロナ禍ということもあり1人で無痛分娩することになりましたが、様々なトラブルが発生。そんなかよさんの体験談を前後編でお送りいたします。

【基本data】
■name/かよさん

■年齢/44

■お住まいのエリア/東京都杉並区

■家族構成/夫+妻+子ども

■出産施設/国立成育医療研究センター

■無痛分娩回数/1回

■無痛分娩費用/約57万円(約99万円[基本費用+無痛分娩費用+個室代+帝王切開費用+新生児音管理保育料等]-出産育児一時金-42万円)

■無痛分娩実施時期/2022年1月


取材時期:2024年8月

※体験談で語られている病院の金額・サービス等に関する情報は、体験者様がご出産当時の記憶によるものです。これらは時期や状況によって変わる可能性があり、現在も同じとは限りません。詳しく知りたい方は病院のホームページ等から最新情報をご確認ください。

前編はこちら

Screenshot

東京都かよさん【前編】トラブル続きのお産/国立成育医療研究センター

苦渋の決断。順調なお産からの緊急帝王切開。

※かよさん提供写真

かよさん:麻酔が効いて陣痛の痛みが減ったタイミングで「子宮口が8センチぐらい開いています」と言われました。順調にいけばすぐに赤ちゃんが出てきそうだと言われたんです。

interviewer:麻酔が効いてきたタイミングで順調にお産が進んだんですね。

かよさん:はい。すごく早く進んでいました。私自身もすごく楽になってモニターを見られるほどになりました。

interviewer:さっきまでめちゃくちゃ苦しかったところから、一気に楽になったんですね。

かよさん:でも、私が楽になったタイミングで「赤ちゃんが少し苦しそうですね」と言われました。姿勢を変えたりすると、酸素がちゃんと赤ちゃんに行き渡っていない感じがあったようで、苦しそうに見えたみたいです。

interviewer:え!?

かよさん:「このまま子宮口が全開になって自然に出てくれればいいけど、時間がかかりすぎると赤ちゃんの心臓に負担がかかるかもしれないので、帝王切開の可能性もあります」と言われました。

interviewer:急展開ですね。

かよさん:そうなんです。ここまですごく順調にお産が進んでいたので「え!?帝王切開するの???」と不安になりました。

interviewer:青天の霹靂ですね。

かよさん:15時過ぎになると「念のため、帝王切開の説明を受けてください」と言われて、先生が3人ぐらい来て説明を受けました。手術の同意書や輸血の署名もしました。

interviewer:おぉ。

かよさん:帝王切開は避けたかったので、先生たちにも協力してもらい自然に出産できるようにと何度か様子を見てもらいました。子宮口が全開になるかとか、赤ちゃんの心拍を確認してもらったりと色々手を尽くしてもらったのですが結局、子宮口が全開にならず・・・。

interviewer:はい。

かよさん:その後もやっぱり赤ちゃんに負担がかかっている様子は続き、18時になってもまだ9センチしか開きませんでした。さらに、赤ちゃんが降りてこようとしているけど、途中で引っかかってしまい、うまく降りてこられないみたいだったんです。

interviewer:なるほど。

かよさん:子宮口が9センチまで開いていたけど、赤ちゃんがうまく降りてこれない状態でした。私も色々と体勢を変えたり、酸素を送るために姿勢を調整したりしたんですが、赤ちゃんの心拍が下がって苦しそうだという話になって・・・。

interviewer:はい。

かよさん:そして、もう1回「帝王切開をした方がいい」と提案されました。「待ってもいいけれど、赤ちゃんが降りてくるときに負担がかかりすぎるかもしれない」と言われて、帝王切開を強く提案されたんです。

interviewer:おぉ。

かよさん:私自身は、痛みもそこまでひどくなかったので、待つつもりもあったんですが、赤ちゃんに負担がかかるのはかわいそうだなと思いました。自然な分娩への憧れもあったので、ものすごく葛藤しました。

interviewer:ですよね。

かよさん:なんか赤ちゃんに対して「ごめんね」という感情と、普通の出産、別にどんな出産でも立派なんですけど、やっぱり自分で産んであげたかったという想いが強くありました。子どもと特別なつながりを感じられるとか、そういう憧れがあって・・・。

interviewer:はい。

かよさん:それで涙が止まらなくなっちゃって「ちょっと5分だけ1人で考えてもいいですか」と言って、全員に部屋から出てもらいました。助産師さんだけ残ってもらって、全部自分の気持ちを話して「でも、やっぱり赤ちゃんが元気でいることが一番ですよね」って思い直して、帝王切開することを決断しました。

interviewer:重い決断ですね。

かよさん:一応、夫にも判断を仰ごうと思って、電話ができなかったのでLINEで連絡を入れました。その後、病院からも夫に直接電話をしてもらい、承諾してもらいました。たぶん突然だったので、夫もびっくりして意味がわからなかったと思いますけど、了承してくれました。

interviewer:たしかに夫さんも驚いたでしょうね。

かよさん:そこから手術室に行くまではすごく早かったです。同意書もすでに書いてあったので、10分後には手術室にいました。「じゃあ、手術準備をしましょう」という感じで、すぐに進みましたね。

interviewer:病院サイドが迅速に対応してくれたのですね。

かよさん:はい。手術の説明を受けて「半身麻酔で進めるけれど、万が一、全身麻酔が必要なときはこうします」という説明も受けました。そして、19時過ぎに手術室に入りました。ものすごく緊張して、体が冷たくなっちゃって、寒くて震えてましたね。安全性についての説明もあったので不安はなかったんですが、やっぱり怖くて、ずっと目をつぶっていました。

interviewer:突然ですから、それは怖いですよね。

かよさん:そうなんです。目をつぶっていましたが、半身麻酔なので、お腹を切っている感覚や赤ちゃんが出てくる感じはわかりました。痛みはないんですけど、ゴソゴソされているのがわかる感じでしたね。

interviewer:手術開始から生まれてくるまで、どれくらいの時間がかかったかわかりますか?

かよさん:私の感覚では10分から15分くらいだったと思います。

interviewer:早い!

かよさん:うちの子はお腹から出た瞬間にすぐ泣いたんです。「おぎゃー」って声が聞こえたのが、だいたい手術開始から15分くらい経った時でしたね。元気に大きな声で泣いてくれて、本当に安心しました。

interviewer:良かったぁ!

かよさん:「よく頑張りましたね」と言ってもらい、赤ちゃんを肩のあたりに抱かせてくれました。上半身は感覚があったので抱けたんですけど、感動しました。本当に元気に生まれてきてくれて良かったと思いましたね。

interviewer:ですねぇ。

かよさん:その後、縫合が終わったのが20時半でした。たぶんトータルで1時間くらいは手術室にいたと思います。

interviewer:かよさんが万が一に備えて、大きな病院を選んでおいたのも功を奏したのではないでしょうか。

かよさん:そうですね、対応がすごく早かったです。もしあのまま待っていたら自然分娩で出てきたかもしれませんが、その場合、赤ちゃんがNICUに入ることになっていたかもしれないし、一緒に退院できなかった可能性もあったかもしれない。

interviewer:たしかに。

かよさん:後々、何か後遺症が残っていたかもしれないし・・・。ifの話なのでわからないですけどね。お金もかかってイレギュラーなことにはなったけど、あの時、帝王切開を選んで良かったと思います。

interviewer:現在はお子さん、後遺症などもなく元気に過ごされているんですね。

かよさん:そうです。退院するまでの間に病院でいろいろな検査をしてもらいました。心臓や耳の検査など、毎回結果を聞くまで不安でしたけど「目も見えてますね」とか「耳も聞こえていますね」と、特に問題はありませんでした。今、子どもは2歳で、大きな病気もなく元気に過ごしていますし、後遺症などは特にないですね。

interviewer:それは本当に良かった!

かよさん:はい。出産って本当に特別で、奇跡的なものだと感じました。出産体験談のサイトを見た時にも「お産って一人ひとり全然違うんだな」と改めて思いました。予定日の1週間前に生まれる子もいれば、1ヶ月前に生まれる子もいるし、ギリギリになって帝王切開をする人もいます。

interviewer:本当にそうですね。

かよさん:私自身、無痛分娩での出産を選んで、まさか帝王切開になるとは思ってもいませんでしたが、それも1つの経験ですね。

interviewer:次に出産されることがあれば、また帝王切開になるんですか?

かよさん:そうですね。今の日本では基本的に1度帝王切開をしたら次も帝王切開になりますね。

国立成育医療研究センターの良かったところ。

※病院の食事/かよさん提供写真

interviewer:国立成育医療研究センターの良かったポイントを教えてください。

かよさん:まず、食事が美味しかったですね。

interviewer:国立の病院って、大学病院のように食事が美味しくないのかなと想像していたのですが、美味しかったんですね。それは良いですね!

かよさん:全体的に病院食っぽくなくて、美味しかったです。おやつも出てきましたし、普段1日1~2食しか食べないのに、3食にお菓子まであって、逆に太るんじゃないかと思うくらい食べました。でも、お腹が空くし、ご飯が美味しかったのでたくさん食べましたね。

interviewer:妊婦さんの食事はどの病院でも多めみたいですよね。

かよさん:そうそう、そうなんです。お米の量も結構多かったし、おやつまで出てくるなんて驚きました。

interviewer:食事が美味しかった以外の良かった点を教えてください。

かよさん:出産後、最初は6階の4人部屋に入院していましたが、個室に移ってからはすごく快適だったことですね。

interviewer:最初は4人部屋なんですね。

かよさん:はい。最初の1〜2日は6階でしたが「キャスター付きの手押し車を使ってトイレに行けるようになったら、11階の個室フロアに移っていいですよ」と言われました。

interviewer:そういう基準があったんですね。

かよさん:そうなんです。だから早く個室に移りたくて、痛み止めを飲んでいましたけど、翌日には自分でトイレに行けるようになりました。

interviewer:「個室に移りたい」というのがモチベーションになっていたのですね。

かよさん:そうですね。

interviewer:個室に移ってからはいかがでしたか?

かよさん:部屋の種類がいろいろあって、私は真ん中のランクの部屋を選びました。トイレとシャワーが一緒に付いているちょっと広めの部屋で、洗面台も付いていて快適でした。シャワーがない部屋だと、共同のシャワールームを時間を決めて使う形だったので、シャワー付きの部屋を選びました。本当に快適で良かったです。

interviewer:共同の部屋だと気を使いそうですもんね

かよさん:はい。個室は電話する時も部屋を出なくて済むし、好きな時にシャワーを浴びたり、Wi-Fiも通じていたので、タブレットでずっとドラマを見ていました。

interviewer:他にも国立成育医療研究センターで良かった点はありますか?

かよさん:そうですね。フロアのスタッフが全員助産師の資格を持っている方々だったので、すごく安心感がありました。

interviewer:それは心強いですね。

かよさん:何でも質問できましたし、授乳がうまくできないとか、体が痛いとか、どうやって抱っこしたらいいのかなど、いろいろな相談に乗ってくれました。1週間弱の入院期間は、赤ちゃんと一緒にお世話をする練習の時間でもありましたね。正直、もっと長く入院していたかったし、赤ちゃんをもう少し預かってもらいたいなとも思いましたが、1日何時間まで預かってもらえるかが決まっていました。

interviewer:全員が助産師さんってすごいですよね。

かよさん:そうなんです。中にはお子さんがいる方もいて「うちの子の時はこうしたよ」と教えてくれる人もいました。授乳の仕方や抱っこの仕方も、それぞれの助産師さんが違う方法を教えてくれて、自分に合うやり方を見つけることができました。

interviewer:担当者が固定されているわけではなく、フロアにいるスタッフ全員に質問できる感じだったのですか?

かよさん:そうですね。2人の担当が交代で見てくれましたが、お休みの日もあるので、担当の人だけに頼っていたわけではなく、他のスタッフにも何でも聞けました。

interviewer:なるほど。「担当はいるけど、他の人に聞いても全然OK」という感じなんですね。

かよさん:そうです。

interviewer:人としての相性もありますから、そういう意味では、いろんな人に聞けるのはいいですね。担当と合わないこともありますし。

かよさん:そうですね。「ちょっと厳しいな」って感じる人もいましたけど、今振り返るとそういう人がいたことも良かったと思います。

産後のママは身体もメンタルも大変。

※image photo

interviewer:他に、もっとこうしておけばよかったなと思うポイントってありますか?

かよさん:特にないですね。持ち物に関しては完璧だったなと思います。

interviewer:では逆に、やっておいて良かったなと思うことはありますか?

かよさん:プロテインを持っていったのがよかったですね。

interviewer:プロテインですか?

かよさん:普段から飲んでいるんですが、先生にも「プロテインを飲むと回復が早いよ」と言われていたので持っていったんです。

interviewer:先生からのアドバイスだったんですね。

かよさん:そうです、出産後の体力回復と、帝王切開の傷の修復にプロテインが良いと言われていて。帝王切開するとは思っていなかったんですが、回復のために持って行ったんです。それがすごく良かったですね。

interviewer:そうですね、まさかの帝王切開になりましたもんね。

かよさん:あと「出産後は足がすごくむくんで、退院する時に靴が履けないからスリッパを持ってきてください」って言われていたんです。でもむくみ予防のサプリメントを持っていったら、全然むくまなかったんですよ。それが本当に良かったです。

interviewer:プロテインを飲んで体力回復が早かったというお話がありましたが、出産後の体力が元に戻ったと感じたのはどれくらい経ってからでしたか?

かよさん:そうですね、とにかく私は産後も痛みが強かったんです。

interviewer:痛みが長引いたんですね。

かよさん:はい。これは100%帝王切開の影響ですね。しばらくの間、ロキソニンを飲んでいました。普段は風邪でもあまり薬を飲みたくないタイプなんですが、今回はロキソニンを飲まないと辛くて。

interviewer:何ヶ月くらい続いたんですか?

かよさん:何ヶ月も続いたわけではないですが、20日ほど経った時にメモしてあるんですけど、「帝王切開から20日経過、一旦軽減していた痛みがぶり返してきた」と書いてあります。歩いても痛いし、抱っこしても痛い。座っていてもズキズキすることがあって・・・。医師に聞いたところ、縫合した部分の痛みだろうと言われました。

interviewer:他にも産後に困ったことはありましたか?

かよさん:痛みも辛かったんですけど、それに加えてすごくイライラしていました。普段から少しイライラしがちなところはあったのですが、産後は特にホルモンのバランスが崩れて、自分じゃないみたいな感じでした。寝不足もあったんですけど、それ以上に頭がごちゃごちゃしていて、すごくイライラしました。

interviewer:それもよくあるっていいますよね。

かよさん:自分の体が思うようにいかなくて、でもやるべきことは増えていて・・・。頭の中がぐちゃぐちゃで、泣きたくなる日もありました。

interviewer:それは大変でしたね。

かよさん:そうなんです。産後3〜4ヶ月くらいの時期に、痛くて泣きながら赤ちゃんを抱っこしていました。「もう無理」っていう日がありましたね。でも、そういう感情の波は、子どもが成長して言葉を話せるようになる4〜5歳くらいまでは続くのかなって思っています。

interviewer:かよさんの場合、結果的に帝王切開になったんですが、これから無痛分娩を考えている方に向けて、何かメッセージやアドバイスをいただければと思います。

かよさん:そうですね、無痛分娩にはリスクがあることをきちんと理解した上で、判断してもらうのがいいと思います。でも、無痛分娩はやってみる価値があると思います。結局、無痛分娩でも十分に頑張ることには変わりないし、たとえ帝王切開になったとしても、陣痛を経験して出産することに変わりはありません。だから、無痛分娩はいい選択だと思います。

interviewer:貴重なお話をありがとうございました!

かよさんは美容アドバイザーとして活躍しています。

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今回、インタビューにご協力いただいたかよさんは「美容アドバイザー」としてファスティングのオンライン指導などを行っています。かよさんのInstagramでは、時短レシピや美容お役立ち情報をはじめ、かよさんファミリーの日常の様子なども発信されています。

ぜひぜひフォローしてみてください!

https://www.instagram.com/kayo_omata

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