埼玉 ワタナベコトミさん 陣痛直後、突然逆子に!/松田母子クリニック
3人目のお産を迎えたワタナベコトミさん。順調に迎えた出産当日、思いもよらない展開が待っていました。なんと、陣痛開始後に赤ちゃんが回転し、逆子になってしまったのです。担当医もびっくりのレアなケースで、急きょ「無痛分娩」でのお産に切り替わりました。全く予定していなかった「無痛分娩」。どのようなお産だったのでしょうか。ワタナベコトミさんに体験談をお聞きしました。
【基本data】
■name/ワタナベコトミさん
■年齢/42
■お住まいのエリア/埼玉県
■家族構成/夫+妻+子ども(3人)
■出産施設/松田母子クリニック
■無痛分娩回数/1回
■無痛分娩費用/-
■無痛分娩実施時期/2016年9月
取材時期:2024年7月
予期せぬ展開で、急きょ「無痛分娩」に。
interviewer:本日はどうぞよろしくお願いいたします。
ワタナベコトミさん:よろしくお願いいたします。
interviewer:コトミさんは「無痛分娩」をする予定ではなかったそうですね。
ワタナベコトミさん:そうなんですよ。
interviewer:それまで「無痛分娩」の存在自体は知ってましたか?
ワタナベコトミさん:知っていました。
interviewer:何をきっかけに知ったか覚えていますでしょうか?
ワタナベコトミさん:子どもが3人いるのですが、第2子を出産する時には「無痛分娩」を知っていたと思います。私は産前産後のケアを提供する事業をしていまして、出産前後のお母さんと関わることが多いんですね。ですので、出産や育児の情報は、比較的早くキャッチできる環境にいるかもしれません。
interviewer:どのようなお仕事なのか、簡単に教えていただけますでしょうか。
ワタナベコトミさん:「産前産後の子育てフルサポート」を提供しています。一言でいいますと「家事代行」ですね。
interviewer:どのような方が対象となるのでしょうか。
ワタナベコトミさん:妊娠中から、産後約6ヵ月までのお母さんが対象となります。
interviewer:どのエリアで利用可能ですか?
ワタナベコトミさん:現在、練馬区と世田谷区から委託を受けており、その2つの区内でご利用いただけます。
interviewer:サービス内容を教えてください。
ワタナベコトミさん:基本的には「家事代行」なので、お料理やお洗濯をします。その他にも、赤ちゃんのお世話のお手伝いをしたり、 お母さんのお話相手になったりといったサービスを提供させていただいています。
interviewer:スタッフさんが行かれるのでしょうか?それともコトミさんが直接担当されるのですか?
ワタナベコトミさん:以前は私も現場に出ていましたが、おかげさまでご依頼の件数も増えて、今はスタッフが訪問しております。
interviewer:このようなサービスを受けたい人はたくさんいそうですよね。
ワタナベコトミさん:この事業を始めたばかりの頃と比べると、今は出産後に仕事に復帰する方が増えたように思います。仕事に復帰しない場合は、6ヵ月くらいで産後サポートを卒業される方が多かったのですが、今は産後3ヵ月で仕事復帰される方も結構いらっしゃいます。「仕事に復帰した後もサポートが必要なんです」というお声を本当に多くいただくようになりました。
interviewer:どんどん伸びそうな分野ですね。
ワタナベコトミさん:そうですね。ニーズは非常に高いと感じています。
interviewer:それでは「無痛分娩」のお話に戻りたいと思います。埼玉県所沢市にある「松田母子クリニック」でご出産されたとのことですが、こちらの病院を選んだ理由をおしえてください。
ワタナベコトミさん:1人目の出産時にお世話になった先生と助産師長さんが独立開業されたのが「松田母子クリニック」だったからです。2人目と3人目はここで産みました。
interviewer:行きつけの美容師さんが独立開業したサロンに行く感じと似ていますね(笑)。
ワタナベコトミさん:そうですね(笑)。
interviewer:コトミさんは「無痛分娩」をせざるを得ない状況になったと伺っていますが、何が起きたのですか?
ワタナベコトミさん:お産は破水から始まったんですね。その時は間違いなく、赤ちゃんの頭は普通に下を向いていたんです。しかし陣痛が始まってしばらくすると、いつの間にか逆子になっていたんです!
interviewer:えぇ!陣痛の最中に赤ちゃんが回ってしまったということですか?そんなことがあるんですね。
ワタナベコトミさん:そうなんですよ。まさかの出来事に「あ、死ぬかも」って初めて思いました。本当に(笑)。
interviewer:「無痛分娩」にするかどうか、選択の余地はあったのでしょうか?もうせざるを得ない状況でしたか?
ワタナベコトミさん:せざるを得ない状況でしたね。
3人目のお産は「逆子を下から!」という超レアケース
interviewer:出産当日の流れを詳しく聞かせてください。
ワタナベコトミさん:3人目はフリースタイルで出産する予定でした。「松田母子クリニック」では結構自然に任せたお産をさせてもらえるんですね。その点がいわゆる「病院」っぽくなくて良いなと思っています。
interviewer:なるほど。
ワタナベコトミさん:破水から始まったのですが、すぐに促進剤を打つことはせず3日間様子を見てくれました。でも結局産まれなくて促進剤を打ったのですが、それでもまだ産まれてこず。
interviewer:雲行きが怪しくなってきたのですね。
ワタナベコトミさん:やっと陣痛が始まって、途中で赤ちゃんの様子を確認していると、助産師さんが逆子に気づいて「あれ?」となり「先生呼んできて」ということで少し慌ただしい雰囲気になりました。
interviewer:助産師さんも焦ったのでしょうね。
ワタナベコトミさん:先生が診察をして最初に「ベッケンだね」と言ったのですが、私は何のことか分かりませんでした。ベッケンとは「逆子」という意味なんですね。
interviewer:それは驚きですよね。
ワタナベコトミさん:逆子だと知って不安になり「死にたくないので帝王切開してください!」とお願いしたんです。ところがこの直前にご飯を食べていたので、全身麻酔はできないと言われてしまいました。
interviewer:これを避けるために「無痛分娩」をする前にご飯を食べないように言われる病院もありますよね。
ワタナベコトミさん:そうなんです。私はお産の際は力をつけるためにご飯はもりもり食べる主義なんです(笑)。まさか全身麻酔をすることになるとは思っていなかったので、この時も分娩台の上で普通にご飯を食べてしまっていたんですね。
interviewer:ご飯を食べると全身麻酔ができない理由は教えてもらえましたか?
ワタナベコトミさん:嘔吐した際に、嘔吐物が詰まって死亡する危険性があるためできないとのことでした。「ワタナベさん、3人目のお産だからできるよ。大丈夫だよ」と先生に言われ、下から産むことになりました。
interviewer:逆子を下から!
ワタナベコトミさん:方針が決まった後は、本当に早かったです。先生の処置はササササッという感じであっという間に「無痛分娩」で無事にお産できました。
interviewer:おぉぉ。レアなケースにも関わらず、事なきを得て本当に良かったです!
ワタナベコトミさん:先生も「このようなケースは10年に1回あるかないかくらい」とおっしゃっていました。助産師長さんも遭遇したのは2回目だそうです。珍しいケースだったので「みんな呼んできて」という感じで、助産師さんや看護師さんなどたくさんの人に囲まれながら出産しました(笑)。
「無痛分娩」のはずが、痛みで気絶するかと思いました。
interviewer:逆子だと判明してから、産まれるまでどのくらいでしたか?
ワタナベコトミさん:記憶が曖昧ですが、おそらく2時間くらいだったと思います。陣痛促進剤はすでに投与していたのでそれもあって早かったのかもしれません。
interviewer:なるほど。
ワタナベコトミさん:ただ「無痛分娩」なのに痛かった!!
interviewer:どれくらいの痛みでしたか?
ワタナベコトミさん:気絶しそうでした(笑)。
interviewer:自然分娩で出産された上の2人のお子さんの時と比べていかがでしたか?
ワタナベコトミさん:断然、3人目の時が痛かったです!初めてのお産ということで、インパクトが大きかったのは長男のお産ですが、一番痛かったのは3人目ですね。
interviewer:そうなんですね。
ワタナベコトミさん:あまりに痛すぎて、途中で先生に「麻酔を追加してください」とお願いしました。それを聞いて先生が「ごめんごめん、追加しようね」と言って準備をしていくれている間に気が遠くなってきて、その時に産まれたんです。
interviewer:気を失いそうになったということですか?
ワタナベコトミさん:はい。ギリギリ意識がある状態で産まれてきました。
interviewer:麻酔をした状態での痛みでも気を失いそうになったということは、麻酔がなかったらそれどころの痛みではなかったということですよね。
ワタナベコトミさん:本当に「もし麻酔をしていなかったら、どうなっていたんだろう!?」って思うんですよね(笑)。先生はとても優しく、冷静に対応してくれたので、私もあまり深刻にならずにいられたのでとても助かりました。でも、本当に死ぬかと思いました。
interviewer:分娩後の痛みはどうでしたか?
ワタナベコトミさん:お産が終わった後は、痛みは治まりました。ただ、出血が多くてひどい貧血状態でした。産後2時間ほどしてトイレに行き、看護師さんに補助していただきながら歩いて移動したのですが、その時に血がサーッと引いてしまい、貧血で倒れそうになりました。日常生活ではそういう体験はしたことがなかったので、驚きました。
産後1ヵ月は自社の産後ケアサービスをフル活用してしっかりとお休みしました。
interviewer:「無痛分娩」の後の流れは自然分娩と比べて何か違いはありましたか?
ワタナベコトミさん:特に違いはありませんでした。
interviewer:産後の回復はスムーズでしたか?
ワタナベコトミさん:回復にはかなり時間がかかりました。入院期間では全然足りませんでしたね。基本的には母子同室の病院なのですが、私の体調を考慮していただいて赤ちゃんを預かってもらえたので、しっかりと寝て身体の回復を優先することができました。
interviewer:入院期間中は上のお子さんはどうされましたか?
ワタナベコトミさん:夫が見てくれていて、病院にも子どもたちと一緒に度々来てくれました。実は夫も産後サポート関係の仕事をしていて、2人目を出産したのを機に「松田母子クリニック」で両親学級の講師を担当させていただいているんです。そういった意味でも、ご縁のある病院なんです。
interviewer:そうなんですね!
interviewer:退院後は里帰りされましたか?それともご自宅で過ごされましたか?
ワタナベコトミさん:自宅で過ごしたのですが、自社の産後ケアサービスをフル活用し、1ヶ月間しっかりと休養を取りました。
interviewer:具体的にどのように活用されたのですか?
ワタナベコトミさん:サービスは1回が3時間になります。時間内で「掃除」「料理」「洗濯」などをお好みで組み合わせて依頼することができます。
interviewer:はい。
ワタナベコトミさん:3時間の中で、やってもらいたいことを優先順位をつけてお願いする感じですね。我が家の場合は「洗濯」は夫が好きなので、第一に「料理」、次に「掃除」という順番でお願いしました。
interviewer:では3時間のサポートを受けて、その他は家族だけで過ごしたという感じですね。
ワタナベコトミさん:そうですね。
interviewer:お子さんが2人いて、さらに赤ちゃんがいる状況ですと休むのも難しかったのではないでしょうか?
ワタナベコトミさん:そうですね。1人目を生んだ時よりも自分の年齢が上がっているので、産後の回復には一番時間がかかりました。
interviewer:産前の状態に戻ったと感じるまでどれくらいかかりましたか?
ワタナベコトミさん:1ヶ月は何もせずにゆっくり休みましたが、その後すぐに仕事に復帰したんです。体力が全然戻っていない状態で仕事を開始したので、本当に元気になったと思えるまでに3ヶ月ぐらいかかったと思います。
interviewer:3ヶ月ですか。
ワタナベコトミさん:身体は結構ボロボロでしたね。ぎっくり首になったりもしました。それから出産の時に肩を脱臼していて、それが悪化してしまって半年以上リハビリに通いました。
interviewer:お産で肩が脱臼ですか!そこまで力が入ったんですね。
ワタナベコトミさん:無我夢中で踏ん張ったら、いつの間にか肩が脱臼していたんですよね。
interviewer:「無痛分娩」について、麻酔が効いて「無痛分娩している」という実感はありましたか?
ワタナベコトミさん:それが、麻酔が効いている実感は全くなかったんですね(笑)。なのでこのインタビューがちゃんと「無痛分娩」のエピソードになるか心配です。
interviewer:大丈夫です(笑)。
助産院のようなアットホームさと病院の安心感を兼ね備えていて理想の環境でした。
interviewer:「松田母子クリニック」の良かったと思うポイントを教えてください。
ワタナベコトミさん:「バースプラン」をとても大事にしてくれます。助産師さんが主体となってお産を見守ってくれるのですが、先生も何人もいて医療体制が整っています。助産院のようなアットホームなお産ができて、万が一の時にはすぐにドクターがスタンバイしているというのがいいですね。実際に、2番目の子の時にはフリースタイル分娩でお産をすることができました。3番目はまさかの逆子でしたがドクターがいてくれたので瞬時に的確な判断をしてくれて無事にお産をすることができたんですね。
interviewer:なるほど。
ワタナベコトミさん:3度目のお産は、上の子たちを残して死ぬわけにはいかないので「安全」が第一条件でした。それでいて、助産院のような雰囲気もあるので「松田母子クリニック」は私にとっては理想どおりだったんですね。
interviewer:希望の条件にしっかりと合致していたんですね。
ワタナベコトミさん:あとは、2週間検診があって、それは良かったと思います。
interviewer:通常は1ヵ月検診ですよね。
ワタナベコトミさん:そうですね。今はやっている病院も増えていますが、当時は珍しかったですね。マタニティ期に参加できるお教室もとても充実していて、助産師さんやドクターと信頼関係を作りながら出産を迎えることができました。
interviewer:ご飯はどうでしたか?
ワタナベコトミさん:とっても美味しかったです。ずっと「松田母子クリニック」のご飯を食べたいと思うくらいでした(笑)。豪華な感じではなく、素材と味付けにこだわっている感じがしました。
interviewer:他に良かったポイントはありますか?
ワタナベコトミさん:あとは、立ち合い出産に寛容なところですね。
interviewer:ご主人とお子さんたちが立ち合いされたんですよね。
ワタナベコトミさん:逆子ということで、結構緊迫した状況でしたが立ち入りを禁止されることなく「いいよ、いいよ」と分娩室に入れてもらえました。そういうことができるのは、やはり先生が腕に自信があってのことかなと思います。
interviewer:そうですよね。腕に自信がないとアタフタしてそんなことはできないですよね。
ワタナベコトミさん:はい。
interviewer:担当されたのは院長先生ですか?
ワタナベコトミさん:そうです。まさかの事態でしたが、先生の的確な判断と処置で無事にお産をすることができて本当に良かったです。
interviewer:本日は貴重な「無痛分娩」の体験談を聞かせていただき本当にありがとうございました。
ワタナベコトミさん:こちらこそ、ありがとうございました。
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ワタナベコトミさんは産前産後のサポートサービス事業の他にも、LINE運用代行をされています。詳しくはぜひ下記リンクからチェックしてみてください!
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