東京都稲城市Uさん 3人目で初の無痛分娩/ベリエの丘クリニック
3度のお産を経験したUさん。上のお子さん2人は自然分娩で、それぞれ「楽しいお産」と「痛くてつらいお産」という真逆の経験をされたそうです。そんなUさんは3人目で初めて無痛分娩を選択。どんなお産になったのかお話しを伺いました。
【基本data】
■name/Uさん
■年齢/36
■お住まいのエリア/東京都稲城市
■家族構成/夫+妻+子ども(3名)
■出産施設/ベリエの丘クリニック
■無痛分娩回数/1回
■出産費用総額/約70万円(出産基本費用約65万円+無痛分娩費用約5万円)-42万円(出産一時金)
■無痛分娩実施時期/2019年
取材時期:2022年2月
6年ぶりのお産。いつの間にか「無痛分娩」が身近になっていた。
interviewer:無痛分娩を知ったきっかけは何でしたか?
Uさん:第一子を産んだのが2010年なのですが、その時既に無痛分娩というものがあるのは知っていました。でも当時はまだ日本に浸透していない感じで「日本で無痛分娩はできない」と思っていました。実際にお産をした病院でも無痛分娩の話は一切なかったですね。たぶんそこの病院は無痛分娩を取り扱っていなかったんだと思います。
interviewer:「他の国では無痛分娩という選択肢もあるらしい」というような認識だったんですね。お子さんは何人いらっしゃるのですか?
Uさん:3人です。
interviewer:無痛分娩をされたのは何人目のお子さんですか?
Uさん:3人目です。
interviewer:3人目のお子さんをご出産されたのはいつですか?
Uさん:2019年の5月です。
interviewer:3人目のお子さんを生む際に、無痛分娩にしようと思ったのはなぜですか?
Uさん:2人目のお産が「もう絶対に出産なんかしない!」と思うくらい痛くて、すごく辛かったんです。ちなみに1人目のお産は、2人目のお産と全く違って「楽しいお産」でした。楽と言ってしまうと少し違うんですが。痛みもあったけど、苦しみよりも達成感の方が強かったんです。アドレナリンが出たという感じですね。1人目のお産が楽しかったので、2人目も同じようにスムーズなお産になるかなと予想していたら全然違って。そういうことがあったので、3人目のお産を考えた時に、2人目のお産の苦しみを思い出してしまって、無痛分娩にしようかと考えたんです。
interviewer:それで無痛分娩にしようと思ったんですね。
Uさん:いえ、その時は無痛分娩も検討したのですが、金額面がネックとなって結局無痛分娩はやめることにしたんです。
interviewer:そうだったんですか。「ベリエの丘クリニック」の無痛分娩費用はおいくらですか?
Uさん:5万円です。
interviewer:相場と比べてずいぶん安いですね。
Uさん:そうですね、近隣の施設と比べてもとても安かったです。ただ、これから3人の子どもを育てていくことを考えて「5万円をいま無痛分娩に使うべきか」とすごく悩んだ末に無痛分娩はやめることにしたんです。「3人目でいまさら無痛分娩にするのもなぁ」という気持ちもありました。
interviewer:なるほど。3人目のお子様も最初は自然分娩を予定していたんですね。途中で無痛分娩に変えたのは何かきっかけがあったんですか?
Uさん:はい。私と同じ会社に出産時期が近い方がいて、家もご近所さんなんです。その方は私よりも2週間くらい早く出産されたんですが、LINEで出産の報告をもらった際に無痛分娩の話が出たんです。
interviewer:なるほど、出産のタイミングも、住んでいるエリアも近かったんですね。
Uさん:その方は第一子の出産だったのですが、病院が無痛分娩をオススメしてくれたとのことでした。「無痛分娩にしてすごく良かった!落ち着いて、お産の詳細を全部覚えていられたよ」と教えてくれて、それがきっかけで無痛分娩について、また少しネットで調べるようになりました。しかし、その時もまだ「無痛分娩にしよう!」と決心するまでには至りませんでした。
interviewer:無痛分娩のことがまた気になってきたけれど、その時点では気持ちは変わらなかったんですね。ということは産む直前に無痛分娩に切り替えたんですか?
Uさん:はい、産む直前に切り替えました。
interviewer:産む直前でも無痛分娩に切り替えができる病院だったんですね。
Uさん:そうなんです。「ベリエの丘クリニック」では分娩申込をする際に、無痛分娩をするかしないかに関わらず「無痛分娩同意書」と「陣痛促進剤の使用同意書」というものにサインをするんです。予めサインをしているので、お産が始まってから「今から無痛分娩にしたいです」と言っても無痛分娩に変更することができました。
interviewer:直前では無痛分娩に切り替えられない病院が多いと聞くので貴重ですね。
Uさん:お産が平日だったということもあり、体制が整っていたのかもしれません。
interviewer:直前とおっしゃいましたが、具体的にどれぐらい直前だったんですか?陣痛が来てからでしょうか?
Uさん:そうです。
interviewer:陣痛が来てからだったんですね!
Uさん:陣痛がきてから、やっぱり無痛分娩にしようかと迷い始めたんです。「ここで無痛分娩費用の5万円を出し惜しみすることで産後の回復が思うようにいかなくても後悔しないかな」「後悔するのは嫌だから、思い切って5万円を出して無痛分娩にしようかな」と、とても悩みました。病院に着くまでに何回か陣痛が来たんですが、その痛みで2人目のお産の時の辛さを思い出して「もうあの時と同じ思いをするのは嫌だ。なぜ私だけがこんな思いをしなきゃいけないだ!」と思って決意が固まり、病院についたと同時に、助産師さんに「今から無痛分娩にしたいです」と言いました。
interviewer:かなり直前ですが、病院側は快く受け入れてくれたのですか?
Uさん:はい。「分かりました、いいですよ♪」という感じで、全然大丈夫でした。
子連れで入院できる、地元で大人気の「ベリエの丘クリニック」。
interviewer:「ベリエの丘クリニック」を選んだ際は、無痛分娩以外で何を重視されたんですか?
Uさん:主人が自営業で勤務時間にばらつきがある上にお休みが不定休なんです。夜中に勤務があったり、1〜2週間不在ということもあるので、万が一そんなタイミングでお産が始まったら子ども達を預ける場所がないという問題があって。その点「ベリエの丘クリニック」は、完全個室な上に子どもたちも泊まれるんです。ちなみに次女も「ベリエの丘クリニック」で出産しました。
interviewer:上のお子さんも一緒に泊まれるサービスがあるんですね!それはすごく良いサービスですね!2人目以降の出産で、入院中の上のお子さんの預け先がない場合にとても助かりますね。
Uさん:近くに総合病院があって、そこにも個室はあるんですが、兄弟のお泊りはできないんですよ。「ベリエの丘クリニック」だと子どもたちも泊まれるし、保育室があって日中は保育士さんに見てもらうこともできるんですよ。
interviewer:託児サービスまであるんですね!
Uさん:そうなんです。だから「ベリエの丘クリニック」を選んだんです。
interviewer:子連れ入院OKで、託児まであるとはサービスが手厚いですね。やはり地元では人気の病院なんでしょうか?
Uさん:はい、とても人気があります。みんな、妊娠が分かったらすぐに予約するという感じですね。
interviewer:麻酔を入れるタイミングは病院によって違うみたいですが「ベリエの丘クリニック」はいかがでしたか?
Uさん:病院到着後、ドクターの手が空いた時に背中に麻酔を入れるための管を入れてもらいました。「痛くなったらナースコールを押してね、助産師が診に来るから」とのことでお部屋で待機しました。「せっかく無痛分娩にするのだから、あまり痛みを我慢しないでね」とも言ってくれたので、まだ我慢できるくらいの痛みでしたが、次の陣痛あたりから本格的に痛くなりそうだなというタイミングで助産師さんを呼んだら、すぐ麻酔を入れてもらえました。
interviewer:要望すればすぐに麻酔を入れてくれたのですね。無痛分娩の費用は5万円だったということですが、上のお子さん達の宿泊費など、その他に費用はかかりましたか?
Uさん:それがですね、ゴールデンウィーク中のお産になったので、実家に子ども達を預けることになったんです。ですので結局、子どもの宿泊サービスは利用しませんでした。だからその他に費用はかからなかったですね。
interviewer:なるほど。では自然分娩の費用+5万円で無痛分娩ができたということですね。
Uさん:そうです。
interviewer:無痛分娩で産むと決めた際、ご主人はどんな反応でしたか?
Uさん:夫にとっても費用がネックになると思ったので、最初に「無痛分娩にかかる費用は私が自分で出すので」と伝えたところ何も反対はありませんでした。
interviewer:ご主人は無痛分娩の存在を知っていましたか?
Uさん:知っていましたが、まさか私が無痛分娩をするとは思っていなかったみたいです。でも無痛分娩に反対というわけでもありませんでした。
痛みもなく冷静に進んだお産。
interviewer:出産当日のお話を聞かせてください。お産は何時間くらいかかりましたか?
Uさん:病院についたのが9時頃で、産まれたのが12時30分頃でした。病院到着からだいたい3時間半くらいですね。平日は9時より前に病院に行くと時間外料金がかかるので、朝になるのを待ってから行きました。
interviewer:3時間半というと、とても早いですね!麻酔を打ってから痛みはどんな感じでしたか?
Uさん:ちょっとだけ痛みがある感じです。でも痛いというより、お腹が張っている感覚でした。
interviewer:お腹が張ることでつらい部分などありましたか?
Uさん:私はまったくなかったです。
interviewer:麻酔が切れた後はどうでしたか?
Uさん:それが、痛くなかったんです。
interviewer:3人目というのもあるんでしょうか?
Uさん:いえ、一般的には子どもを産めば産むほど後産がつらくなると言われています。確かに1人目の時は後産がなくて、2人はすごく痛かったんです。3人目なので覚悟していたのですが、全然何も感じなかったですね。もしかしたら麻酔が効いている間に痛みがあったのかもしれませんが。
interviewer:麻酔が切れた直後や、お産の翌日に会陰切開等の痛みはありましたか?
Uさん:私も会陰切開はしましたが、麻酔が切れた後の痛みについては「痛いといえば痛いけど、強く記憶に強く残るほどの痛みではなかった」という感じですね。ちなみに麻酔が効いて痛くはなかったのですが、会陰切開をする際の切っている感覚や縫われている感覚は分かりました。
interviewer:そうなんですね。分娩の最中は、赤ちゃんが生まれてくる感覚は分かりましたか?
Uさん:はい。その感覚はしっかりあって、ちゃんと覚えています。本当に冷静でいられました。助産師さんの声かけもしっかり聞けていて「あと何回くらいイキんだら出てくるな」というのも感覚的に分かったり、頭や肩が出た時も分かるので「出た出た!」となったりしました。
interviewer:イキむのは上手くできましたか?人によって麻酔が効いていて難しかったというお話しも聞きますが、Uさんはどうでしたか?
Uさん:私は大丈夫でしたね。陣痛に合わせてお腹が張るんですが、お腹が張る感覚が分かるので、それに合わせて力の限りイキみました。イキむのはなるべく少ない回数で終わらせたいと思って頑張りました(笑)。
interviewer:ずっとイキみ続けるのは大変ですよね。何回くらいのイキみで産まれたのでしょうか。
Uさん:結果的には数回では終わらずという感じでしたね。ですので具体的な回数は覚えていません。
interviewer:赤ちゃんが生まれてからの流れはどうでしたか?自然分娩との違いはありましたか?
Uさん:違いはないと思います。お産の直後は2時間ぐらい分娩室で休んで、その後に病室に移動しました。
担当していただいた助産師さんの手厚いサポートに感謝。
interviewer:「ベリエの丘クリニック」の良かった点を教えてください。
Uさん:助産師さんのケアがとても手厚い病院だと思います。同じ助産師さんが、お産の間ずっと付き添ってくれるんです。上のお姉ちゃんを産んだ時もそうでした。
interviewer:担当制ということですか?
Uさん:はい。入院中は担当の助産師さんの勤務がある日は必ず病室に顔を出してくれました。退院する時にもお手紙をくれるんですよ。そのお手紙は今でも大切にとってあります。
interviewer:すごく手厚い対応ですね。
Uさん:そうなんです。退院後もクリスマスカードが届いたり、1ヶ月検診の後も「検診はどうでしたか?」みたいにお手紙をいただきました。
interviewer:すごい!心がこもったサービスですね。
Uさん:そうなんです。ただ、私個人の感想としてですが、担当してくれたドクターの印象はあまり良くなかったんです。
interviewer:どうよくなかったんですか?
Uさん:とてもドライというか。前置胎盤が判明して大きい病院に行くように指示を受けたんですが、超音波画像が映し出されるモニターを見ながら「あぁこれはまずいな、いや、これはまずいぞ」と言われて、その時は不安で仕方なかったですね。
interviewer:悪い想像が膨らんで、どんどん不安になりますね。
Uさん:そうなんです。怖かったです。
interviewer:別のドクターはどうでしたか?
Uさん:別のドクターに診てもらう時もたまにありましたが、その時は全く問題ありませんでした。
interviewer:そうなんですね。その時のそのドクターの対応が残念だったんですね。助産師さんの手厚いケアがあってよかったですね。
Uさん:そう思います。
interviewer:麻酔が切れた後も痛みはなかったというお話しでしたが、疲れはどうでしたか?
Uさん:お産の後は、さすがに疲れを感じましたね。生まれた後は、上の子どもたちのケアにも気を使わないといけないし、色んな方にもご報告などしなければいけないので、そういった諸々でちょっと疲れちゃった部分がありますね。
interviewer:出産自体の疲れはそこまでなかったということですか?
Uさん:そうですね。3回のお産の中で一番楽でした。痛みを感じなかった分、体力を温存できたとすごく感じました。私は薬(麻酔)との相性が良かったのかなと思います。麻酔が効かなかったという人もいると聞くので。
interviewer:お薬との相性はどうしても個人差があるみたいですよね。帰宅後はすぐ出産前と同じように動けたのでしょうか?
Uさん:さすがにそこまで元気ではなかったですね(笑)。入院中から授乳や赤ちゃんのお世話はあったので、体力の消耗はありました。
interviewer:なるほど。体力が完全に戻ったなと感じたのは出産からどれぐらい経ってからでしたか?
Uさん:やっぱり産後3ヶ月ぐらいは大変でしたね。
interviewer:それぐらいかかるんですね。
Uさん:赤ちゃんのお世話でまた体力を使いますからね。
interviewer:そうですよね。お産という大仕事を終えた後に、3人の育児をするという大変さが想像がつきません。
Uさん:そこは長女が色々とサポートしてくれたのでかなり助かりました。
interviewer:その時、一番上のお姉ちゃんは何歳だったんですか?
Uさん:その時長女は4年生でした。
interviewer:自分の身の回りのことだけでなく、育児もサポートしてくれるなんて素晴らしいですね。
Uさん:そうなんですよ。すごく助かりました。
身心ともに余裕があったおかげで、上の子たちにも優しい自分でいられた。
interviewer:無痛分娩をやってみて良かったと思いますか?それともやらなくてもよかったと思いますか?
Uさん:やってよかったです!
interviewer:なぜそう思われますか?
Uさん:「本当に痛くなかった」というのが大きいですね。お産中も「あと何回イキめばで生まれるんですか?!」とパニックにならずにすみましたし。それから、お産の後も上の子達に優しくできる余裕がありました。お産であまりダメージを受けてない分、心に余裕が生まれて優しくできたんだと思います。
interviewer:上のお子さんが2人いらっしゃると、産まれてきた赤ちゃんだけに集中というわけにもいかないですもんね。上のお子さんのケアもしないといけないので大変ですよね。
Uさん:そうなんです。
interviewer:Uさんの思う無痛分娩のメリットを教えてください。
Uさん:無痛分娩のメリットは、心に余裕ができることです。
interviewer:逆に、これはデメリットだなと感じたことはありますか?
Uさん:あえて言うとすれば、背中に刺した麻酔を入れるための管をすぐには抜いてもらえなくて、翌日まで刺しっぱなしだったことです。違和感があるので背中をベッドにつけて寝るのがすごく嫌でした。
interviewer:他の人に無痛分娩をオススメしたいと思いますか?
Uさん:オススメしたいと思います。実際に「無痛分娩にしてよかったよ」と言って、私の妹も無痛分娩で子どもを産みました。
interviewer:最後に、これから無痛分娩をしようと考えている人にメッセージをお願いします。
Uさん:お産を楽しんでください!無痛分娩で痛みがない分、お産の詳細を全部を覚えていれますよ。
interviewer:ありがとうございました。