横浜市Oさん コロナに翻弄された無痛分娩/聖マリアクリニック本院
横浜市にお住まいのOさん夫妻。2人のお子さんを自然分娩で、3人目のお子さんを無痛分娩で出産されました。3人目の出産時はコロナ禍において最も日本が大変だった時期でした。Oさん夫妻が「ザ・コロナ禍」の出産だったと語る3人目のお子さんの無痛分娩についてお話を伺いました。
【基本data】
■name/Oさんご夫妻
■年齢/夫_36 妻_36
■お住まいのエリア/神奈川県横浜市
■家族構成/夫+妻+子ども(2名)
■出産施設/聖マリアクリニック本院
■無痛分娩回数/1回
■出産費用総額/70万円台(出産基本費用約60万円+無痛分娩費用・個室費用約15万円)-42万円(出産一時金)=28万円台
■無痛分娩実施時期/2021年
取材時期:2021年12月
海外に長期滞在が多い夫。さらにコロナ禍での3人目の妊娠。
interviewer:Oさんは2人のお子さんを自然分娩で出産されていますが、3人目を無痛分娩で出産しようと思った理由を教えて下さい。
妻:夫が仕事で海外に長期滞在することが多いため、出産のタイミングで日本にいるかわからなかったんです。また、例え出産時に夫がいたとしても、その後また海外へ行ってしまうため、結局1人で3人の子どもの面倒を見なければいけないことがわかっていたので、できるだけ体力を温存しておきたかったというのが理由です。
夫:私は友人と一緒に商業空間デザインの会社を経営しておりまして、中国の企業からの依頼が多いため、数年前から月に何回か中国に行って仕事していたんです。
interviewer:中国は広いですし、経済的にも成長著しいですから、たしかに商業施設がどんどんつくられてそうですね。
夫:そうなんです。しかし、コロナ禍になったことで、中国に入国する際に2週間隔離、日本に帰国しても2週間の隔離が必須となりました。つまり1回行き来したら計4週間が隔離期間となってしまいます。そうなるとこれまでのように行ったり来たりすることはできないので、数ヶ月スパンで中国に滞在するというスタイルになりました。
interviewer:たしかに夫さんが長期間不在だと、お子さん3人を1人で見るのはめちゃくちゃキツそうですね。
妻:そうなんですよ。
interviewer:例えば実家に里帰りして産むという選択肢は選べなかったのですか?
妻:一番上の子どもが小学生で、さすがに長い期間学校をお休みできないため、里帰りはできない状況だったんです。
interviewer:たしかにそうなると自宅のある横浜周辺エリアで産むしかないですよね。その上で、なるべく体力を温存できる出産ということで無痛分娩を選んだのですね。
妻:そうです。
interviewer:妻さんは看護師をしているとのことですが、無痛分娩に関する知識はもともとありましたか?
妻:科が違うので、専門的な知識はありませんでしたが、それでもなんとなくは知っていました。背中から麻酔を入れるとか。
interviewer:ご自身が無痛分娩で産むことを決めてから、どのように情報収集をしましたか?
妻:最初はネットで一通り検索して色々と調べましたね。でも一番は産む予定のクリニックからの説明でしたね。麻酔科医の先生からしっかりと無痛分娩やリスクについて説明してもらいました。「もちろんリスクはあるけれど、ごく僅かなんだろうなぁ」と頭ではわかっていましたが、実際に自分が無痛分娩をするとなるとちょっと心配になる気持ちもありました。
interviewer:自分ごとになるとやっぱり感じ方が変わるんですね。
妻:その時の説明で「基本的には無痛だけど、最後の産道から赤ちゃんが出てくる時の痛みは取り除けません」と言われていたんですが、それは実際にその通りでしたね。
interviewer:出産した病院について教えて下さい。
妻:神奈川県の東戸塚にある「横浜聖マリアクリニック」です。ここは東戸塚が本院で、分院が横浜にあるため、基本的に産む1ヶ月前ぐらいまでは分院に通って、出産の時には本院で産むという流れでした。あと、妊娠20週目や30週目などの節目の時にも本院の東戸塚に行って診てもらいましたね。
interviewer:横浜から東戸塚だと、それなりに遠いですよね。時々とは言え、行くのは大変だったのではないですか?
妻:それが、送迎付きなんですよ、行くときは迎えに来てくれて、帰りは送ってくれるんです。
interviewer:それはめちゃくちゃありがたいですね。
妻:快適でした。
interviewer:とは言え、横浜にお住まいなら他にも無痛分娩ができる病院は選べたと思うのですが、なぜ「横浜聖マリアクリニック」を選んだのですか?
妻:もちろん色々と他の病院も調べました。自宅の周辺エリアだと「けいゆう病院」という総合病院がみなとみらいにあります。しかし、この病院は曜日指定の日中しか無痛分娩ができないということだったので選びませんでした。あと、病院名は思い出せないのですがもう1つ無痛分娩できるところはありますね。この2つの病院が横浜で一番多く無痛分娩をやっている病院だと聞きました。
interviewer:そのどちらも選ばなかったのですね。
妻:本院まで距離はありますが「横浜聖マリアクリニック」は24時間無痛分娩に対応できたり、他にも色々と無痛分娩の体制が整っていたので、ここで産むことにしました。
interviewer:妻さんは看護師ということもあってもともと無痛分娩を知っていたとのことですが、夫さんはそれまで無痛分娩について知っていましたか?
夫:無痛分娩という存在は知っていましたが、それがどんなものなのかは全然知りませんでしたね。なんだったら、今でもあまり良くわかっていないですね(笑)。「普通の分娩よりお金を出せば、妻の体が色々とラクになるらしい。それなら出したほうが良い」ぐらいの認識でした。
interviewer:では、無痛分娩に反対だったり、リスクを心配するということはなかったということですね?
夫:そうですね。というのも妻の姉も看護師なんですが、義姉をかなり信用していまして、何でも相談する仲なんです。だからもし無痛分娩が身体的な負担が大きいとか、諸々のリスクが高いなどあれば絶対に義姉が止めるはずです。だから義姉が「大丈夫だよ」と言っているなら大丈夫なんだろうなと思っていました。
interviewer:妻さんは姉妹で看護師なんですね。
夫:そしてすごく勉強家なんです。だから「無痛分娩にしようと思う」という話をしてからも、めちゃくちゃ無痛分娩について勉强してくれて色々と妻に情報を教えてくれました。
interviewer:たしかに、そこまでバックアップが充実していたら安心ですね。
自分史上過去最短で出産!
interviewer:出産当日の流れを教えて下さい。
妻:当日は自宅にいて、午前中にちょっと痛いかなと感じ始めて、時計で計ってみたら10分間隔で痛みが来ていました。その時は「陣痛かもしれないけど、そこまで痛くないかな」という印象でした。病院に電話してこのことを伝えると「すぐ来てください!」と言われました。
interviewer:陣痛と確信するほどの痛みではなかったんですね。
妻:はい。しかし、その時は子どもを保育園に送っていかなければならなかったため「1時間後くらいにしか行けません」と言ったら「じゃあ急いで送り届けて、病院に来てください」と言われました。
夫:こういう状況になったのでボクが急遽、保育園に次男を送っていきました。また、小学生の長男が帰ってきた時に家に誰かいないといけないので、その日は会社を急遽お休みしましたね。
interviewer:バタバタだったんですね。
妻:はい。そこから夫が保育園から帰ってくるのを待って、タクシーで一緒に戸塚の「横浜聖マリアクリニック」本院に向かいました。
interviewer:横浜あたりからタクシーでの移動だと、時間や料金はどれぐらいかかりましたか?
妻:だいたい30分ぐらいだったと思います。事前に病院から陣痛が来た時用にタクシーチケットをもらっていたので、料金の心配はしなくて済みました。
interviewer:それは気の利いたサービスですね。支払いで手間取ることもないですしね。
妻:病院に到着して診てもらったら「たしかに陣痛ですね」と言われたので「じゃあ、すぐ産ませてください!」という感じで無痛分娩の準備をしてもらいました。そこからすぐに麻酔と陣痛促進剤を使ってもらいました。
interviewer:麻酔が効いてからは、痛みはどうでした?
妻:麻酔を打つ前はチョロっとだけ痛みを感じるぐらいで、麻酔が効いてからはほとんどゼロでした。
interviewer:先ほど、事前にあった病院の説明で「赤ちゃんが産道を通る時の痛みは無痛分娩でも取り除けない」と言われたとおっしゃっていましたが、実際はどうでしたか?
妻:たしかに産道を通る時は痛かったのですが、それは数分ぐらいのことでしたね。「1〜2分あったのかな」というぐらいの印象です。
interviewer:麻酔と促進剤を打ってからは、どんな流れでしたか?
妻:打ってもらってからは、本当にサクッと無事に産まれました。
interviewer:じゃあ、何事もなくスピーディに産めたということですね。
夫:確かに早かったですね。我が家の過去最短記録で産まれました。
interviewer:陣痛からどれぐらいで産まれたのですか?
妻:陣痛が来たのが午前8〜9時だったと思うのですが、そこから3時間ぐらいで産まれたんじゃなかったかなぁ。無痛分娩は陣痛が遠のくこともあるため、出産が長引くリスクがあるというのを知っていたので、まさかこんなに早く産まれるとは思いませんでしたね。
夫:実際、2人を自然分娩で産んでいるので、3人目を無痛分娩で産んだ時は、分かりやすくラクだったみたいです。
妻:うん。全然ラクだった。これだったら何回でも産めますね(笑)。
夫:3人産んだ後「何回でも産める」ってすごい言葉でましたね。
interviewer:どんな点でラクだと感じましたか?
妻:無痛分娩で一番ラクだったのは「イキみ逃し」しなくて良かった点ですね。
interviewer:イキみ逃し!?初めて聞きました。技の名前みたいですね。
妻:「イキみ逃し」は、1人目と2人目の出産の時に経験しました。陣痛が来ると痛いけど、子宮口が全開になるまで「イキんじゃいけない」と言われたんですよ。まだ赤ちゃんが出られる状態じゃないからイキむなと。だから「力を逃して」と言われたんですけど、これが本当にしんどかったんです。
interviewer:「痛みで身体がイキみそうになる、でもまだイキんではいけない」ということですね。
妻:そうです。これは「イキまないで力を逃す」というのも難しいのですが、終わりが見えないというのが辛かったですね。子宮口がいつ全開になるか自分でもわからないので。
interviewer:「イキみ逃し」自体が大技っぽいのに、それを連続で使い続けるんですもんね。しかも終わりが見えないと。『鬼滅の刃』の最後の戦いで、そんなシーンがあったような。。。
妻:そうなんです。それが無痛分娩の時は「イキみ逃し」をしなくて良かったんですよ。自然分娩だと痛みを感じると反射的にイキみそうになってしまうのですが、無痛分娩の場合は麻酔を追加するボタンを押すだけで、痛みがなくなるので、イキみそうになることもない。
interviewer:なるほど。
妻:結局、1人目の時も2人目の時も「イキみ逃し」での体力消耗が大きかったような気がします。
夫:そういえば、1人目の出産の時、ボクは妻に言われてずっと腕相撲の相手をさせられていました。
interviewer:え!?腕相撲ですか?なぜ???
妻:力を他に逃すために、やっていたんです。
夫:ずっとです。
妻:だから翌日は夫婦共々めちゃくちゃ筋肉痛になりました。
3人の子どもを出産。そのとき夫は。
夫:1人目の出産(自然分娩)の時は32時間かかったから、3人目はめちゃくちゃ早い印象ですね。
interviewer:32時間!それはすごく長いお産でしたね。
妻:1人目の時、最初は促進剤を使わなかったのですが、陣痛から24時間ぐらい経ってから促進剤を使ってもらって、そこからさらに8時間かかりました。
interviewer:それは大変でしたね。当然、産む人が一番大変ですが、付き添う側も大変だったと思います。
夫:そうですね。もちろん妻が一番大変だったんですが、ボクも気を抜かないように必死でした。
interviewer:それは素晴らしい。
夫:うちの両親の話になるのですが、ボクが産まれる時もそれなりに長丁場のお産だったらしく、父は途中で寝てしまったらしいんです。そして、そのことを未だに母親から事あるごとに責められています。
妻:出産の時の恨みは一生だからね。
夫:ボクも母親に対して「30年以上も前のこと、まだ言うの!?」と驚いているのですが、母親から事あるごとに責められる父の背中を見て育っています。だから自分の子供の出産、32時間は長丁場でしたが、寝るわけにはいかないですよね(笑)。
interviewer:そりゃ寝れませんね。
夫:危うく寝そうになる瞬間もありましたが、これからあと数十年の人生、責められ続けるかどうかの瀬戸際ですからね。
interviewer:2人目の出産の際も長丁場だったのですか?
妻:2人目の時も自然分娩で、促進剤を使わず9時間ぐらいで産まれました。
interviewer:産むたびにタイムが大幅に縮まっていったんですね。
夫:ちなみに2人目の出産の時は、私は仕事でイタリアのミラノにいました。当然、その時は出産に立ち会えていません。1人目の時は 32時間寝ないように頑張ったのですが、2人目のことで、もう一生責められ続けること確定です。
妻:(笑)
interviewer:ああ、なんてコメントして良いかわかりません。。。
夫:他のことはいざしらず、もう出産に関しては妻に頭が上がらないですね。
interviewer:それはそうなっちゃいますね。
夫:だから無痛分娩に関しても「妻が望むならお金出します!」という感じでした(笑)。特に無痛分娩に関して詳しく聞くとかもしませんでした。
妻:私も特に夫には説明しませんでしたね。リスクの説明とかもしませんでした。
夫:「普通の出産よりお金がかかるんだ、でもそれで妻の出産がラクになるんだ。それなら良いと思う!」ぐらいの感じでしたね。
interviewer:妻さんが看護師さんだから、詳しく聞かなくても安心できる部分もあったのではないでしょうか。
夫:たしかにそれもありますね。あと先ほどお話しした看護師の義姉もいますので。
interviewer:ちなみに3人目のご出産の時は、夫さんはどうしてたのですか?
夫:日本にいたのですが、コロナだから一切病室に入れなかったんですよ。立ち会いもできないので、自宅で上の子どもの面倒を見たりしていましたね。
interviewer:じゃあ産まれてからもなかなか会えなかったんですね。
夫:3人目が産まれた後、妻に荷物を届けに行った時に会えたというか、遠目に見えました。妻が出産した建物が、3階建てくらいの小さなアパートみたいなところだったのですが、病室から窓越しに妻が赤ちゃんを抱っこしている姿を見たのが最初かな。「あー産まれてる」という感じでしたね(笑)。
妻:わざわざ来てくれたのに、それでも会えないんだなと思いましたね。コロナ禍だからしょうがないですけど。
interviewer:実際に対面できたのはいつですか?
夫:産まれてから5日目ですね。退院日の日にようやく対面できました。
interviewer:ようやくですね。
夫:でも、そこから1週間もたたないうちに、中国に行かなきゃいけなかったんです。
interviewer:世界を股にかけて仕事するのって、単純に憧れますけど、家族のことを考えるとめちゃくちゃ大変ですね。
夫:そのまま5ヶ月くらい中国にいたので、次に3人目と会った時はもうけっこう大きくなってました(笑)。「あれ、首座ってる」みたいな。
「横浜聖マリアクリニック」の感想。
interviewer:「横浜聖マリアクリニック」の良かったところを教えて下さい。
妻:「横浜聖マリアクリニック」は、事前に無痛分娩したいという予約さえしておけば、無痛分娩の費用は15万円です。そして、実際に出産の時に「麻酔を使わなくてもスルッと産めそうだ」と感じたらキャンセルも可能です。キャンセル料もかかりません。
interviewer:「横浜聖マリアクリニック」では、予約をしていない人は無痛分娩はできないのですか?
妻:できます。例えば自然分娩を希望していたけど、産む時にやっぱり辛くて無痛分娩に切り替えることも可能です。しかし、その場合は無痛分娩費用が20万円になってしまいます。
interviewer:ということは「横浜聖マリアクリニック」ではとりあえず無痛分娩の予約だけしておいた方がお得ということですよね。
夫:そうなんです。予約に関しては良いことしかないなと感じました。キャンセル料がかかるなら話は違いますけど、キャンセル料もかからないのでデメリットがない。
interviewer:他にはどんな良い点がありましたか?
妻:産後のご褒美みたいなサービスがありました。産後3日目くらいに全身エステとお祝い膳。
interviewer:おぉ!それはゴージャスですね。
妻:あとは母子同室じゃなくても良いというところが楽でしたね。いつでも子どもを預けて大丈夫でした。
interviewer:他にはありますか?
妻:食事が全部美味しかったです。
interviewer:では逆に残念だった部分はありますか?
妻:コロナの影響だったり、スタッフの体制がシステマチックになっていることも影響していると思うのですが、スタッフの方々とのコミュニケーションだったり、信頼関係を築きにくい面はありました。
interviewer:スタッフの体制がシステマチックというのは、どういうところで思ったのですか?
妻:他の病院などだったら、担当のスタッフがついてくれるところもあると思うんですが、ここは同じスタッフさんが来てくれることは、ほとんどなかったんですよ。基本的に毎回違う人でした。診てくれる先生も毎回違う方でしたね。
interviewer:毎回新規の先生やスタッフさんだと、気になることとか相談とかする関係はつくりづらいですよね。
夫:たぶん妻が3人目の出産というのと、看護師というのもクリニック側に知られているので、他の妊婦さんほど手をかけなくても大丈夫だと判断されたところもありそうな気がします。
interviewer:なるほど。
妻:上の2人を産んだ病院は、担当の方がいたので退院時に一緒に写真を撮ってもらったりできたのですが「横浜聖マリアクリニック」はそういう相手すらいない状態でしたね。少し寂しい感じだったかなぁ。
夫:コロナ禍っていうのも少なからずあるとは思うけどね。クリニック側もなるべく対面する回数を減らすようにするだろうし。
interviewer:コロナの影響大きそうですねぇ。
妻:そういえば産む時もマスクしたまま産みました(笑)。出産直後の写真もマスクしたままでした。今思えば写真の時くらいはマスク外せば良かったなぁ。
interviewer:コロナ禍の出産を象徴する1枚ですね。
夫:そうですねぇ。思い返せば3人目はめちゃくちゃコロナに振り回された出産でした。
コロナにめちゃくちゃ翻弄された出産でした。
interviewer:3人目の出産の後、夫さんは数日で海外に行ってしまったわけですが、実家からお母さんがサポートに来てくれるなどはあったのですか?
妻:もともとは産後すぐに九州の私の母が来てくれる予定だったのですが、出産予定日の前に両親がコロナにかかっちゃったんです。
interviewer:まさかのタイミングでかかっちゃったんですね。
妻:「よりによって今かぁ!」って感じでしたね。それで急遽、夫の義母がサポートにかけつけてくれました。その後は私の姉や兄が代わる代わる来てくれて、なんとか凌げた感じです。
interviewer:家族のチームワークに助けられたんですね。
妻:退院して1週間ほどで、ようやく九州の母が来てくれました。そこから1ヶ月くらい家にいてくれました。
interviewer:九州のご両親も無事だったんですね。良かったです。
妻:この時って東京でめちゃくちゃコロナの感染者数が増えている時期だったんですよ。さらにまだワクチンが打てない時期で。
interviewer:そんな時期ありましたね。
妻:だからもし両親がコロナにかかっていなかったら、さすがに来てもらうわけにもいかない状況だったんですよ。年も年ですし。東京に来ることで感染でもしたら大変ですし。
interviewer:たしかに。ワクチンの1回目の摂取もはじまっていない時期ですもんね。
妻:ところが、すでにコロナにかかって回復しているので、抗体をもっている状態だったんです。だから比較的に安心して来てもらうことができました。
interviewer:なるほど。事前にコロナにかかっていたという状況が、良い方向に働いたんですね。
妻:そうですね。コロナにかかる前は、母は3週間だけ横浜に滞在する予定でした。父が自分の世話をする人がいなくなるから、なるべく早く帰ってきてほしいみたいな感じで。
interviewer:はい。
妻:ところが、父が最初にコロナにかかって母に移したしまったという経緯があるので、母に強く言えない状況になったんです。だから母はガッツリ1ヶ月滞在してくれることが可能になりました。
interviewer:結果的にプラスに働いたんですね。
夫:最初はボクの母親にもあまり頼らないようにする方針だったんですよ。妻からしてみれば姑ですし、お互い気を使うだろうから。
interviewer:夫さんは海外にいて自宅にいないですしね。
夫:それが妻の両親がコロナになっちゃったことを話したら「それは大変!」ということで、かなり前向きに協力してくれる感じになって、最終的にすごい円満な形でサポートしてもらえました。
interviewer:コロナに翻弄されまくったけど、結果的にはコロナが良い方向に働いたということなんですね。
夫:そうです。3人目の出産は本当にコロナに翻弄されましたね。
interviewer:最後に、これから無痛分娩をしようか迷っている人にメッセージはありますか?
妻:無痛分娩良いと思います!私は自然分娩も無痛分娩も経験しましたが、子どもの可愛さはどちらも変わりません。特に2人目以降の出産という場合は、無痛分娩はオススメです。
夫:ボクは無痛分娩は費用対効果が高いと感じています。出産施設で、産後にエステだったり豪華な食事が振る舞われるところってたくさんあると思うのですが、産後で体力がボロボロだとそういったサービスを楽しむ体力すらないと思うので、体力温存できるのが良いと思いました。実際に妻も産後すぐでも元気でしたし。
妻:たしかに疲れすぎててエステを楽しめない人もいるって聞くね。「疲れているのでパス」という感じで。
夫:豪華な食事も、食べられるだけの体力がなければ意味ないですし。
interviewer:たしかに、産後のサービスも元気があってのものですね。今回はまさにコロナ禍というエッセンスが詰まった出産エピソードでした。貴重なお話ありがとうございました!