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無痛分娩の長所・短所 The Merit, Demerit of Painless Delivery

MERIT

出産への恐怖・ストレスが少ない

「妊娠したのはうれしいし、子育ても楽しみ。でも、出産の痛みを想像すると怖い」。こんな気持ちを抱えている女性はたくさんいます。無痛分娩は出産への不安の大部分を占める「痛み」をなくすことができるため、女性がリラックスした状態でお産に臨むことができます。

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出産時の痛みが少ない

読んで字のごとく「痛みが無い」ことが無痛分娩の最大の特長です。出産時の痛みはよく「鼻からスイカが出てくるような痛み」と例えられるように、想像を絶する痛みを伴います(※痛みには個人差があります)。無痛分娩では出産時の痛みを無くしたり軽減することができますので、産婦さんがリラックスした気持ちで分娩に臨めます。また、出産後の外陰部や膣の縫合時の痛みもありません。

母体のダメージを抑えられる

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「無痛分娩」について語られる時「痛みがない」というメリットがクローズアップされがちですが、痛みがないということはつまり母体へのダメージも少ないということ。激しい痛みに耐え続けることは、体力を大きく消耗させます。女性にとって命がけの出産が終わると、落ち着くヒマもなくハードな育児がスタート。この時に体力を温存できていれば、ゆとりをもって子育てに入ることができます。体力に余裕をもってスタートを切るのか、限界まで疲弊した状態でスタートを切るのか。あなたなら、どんなスタートを切りたいですか。

産後の回復が早い

出産を終えた後の母体は激しく体力を消耗しています。ここから妊娠前の状態に母体が回復するまでは一般的に6〜8週間程度かかると言われています。無痛分娩は自然分娩と比べて母体へのダメージが少ないため、産後の体力回復も早い傾向にあります。

緊急の帝王切開に、スムーズに対応できる

自然分娩と同じように無痛分娩でも緊急に帝王切開が必要となるケースがあります。こういった急を要する場面でも、無痛分娩なら事前に麻酔がかかっているため、追加で麻酔薬を投与すれば、20分以内に帝王切開することが可能となります。特に欧米では肥満の妊婦が多いため、いざ緊急帝王切開が決まって、早く赤ちゃんを出すために帝王切開をしたくても、肥満でなかなか麻酔ができないというケースも少なくないようです。また、肥満の方に全身麻酔を行おうとすると挿管困難のリスクが格段に上昇し、母体にストレスがかかります。

出産の合間に睡眠や食事ができる。

陣痛が来てから、赤ちゃんが生まれるまでには、個人差はありますが数時間から数十時間という途方もない時間がかかります。自然分娩の場合、母親はひたすら激しい痛みに耐え続けなければならず、赤ちゃんが生まれるまでは眠ることはおろか、食事もままなりません。無痛分娩の場合、激しい痛みが軽減もしくはゼロになるため、陣痛から出産までの間に仮眠をとったり食事をすることもできます。このように体力を温存・栄養補給ができる点も母体の体力消耗・ダメージを抑えられる無痛分娩ならではのメリットです。

出産時に取り乱さない。陣痛から出産までの記憶がはっきり。

TVやドラマ、映画などで壮絶な出産シーンを見たことがある方も多いと思います。しかし、実際の出産現場はメディアでは流せないほど壮絶なケースもあります。麻酔を使用しない自然分娩の場合、個人差はあれど激しい痛みが数時間から数十時間もの間、母体を襲います。あまりの痛みに「大声で叫ぶ」のは序の口「夫やスタッフを罵倒してしまった」「近くにあるモノを投げてしまった」という話も珍しくありません。その上「痛すぎて自分が豹変した時の記憶がほとんどない」という話もよく耳にします。無痛分娩は痛みを軽減もしくはゼロにできるため、取り乱したり、豹変することなく出産を迎えることができ、陣痛から出産までのかけがえのない時間もしっかりと記憶しておくことができます。これまでインタビューした方の中には陣痛から出産するまでの間にLINEや電話で、パートナーやご家族・友人に実況する余裕があったという方も多いです。

計画無痛分娩を選べば、あらかじめ日程を決めて出産できる。

計画無痛分娩とは、あらかじめ出産する日程を決め、予定日の前日あたりから入院し、促進剤を射って陣痛を促し、決められた日に赤ちゃんを出産する無痛分娩のスタイルです。計画無痛分娩は、2人目以降のお子様を出産する母親たちからの多くの支持を得ています。上にお子様がいる場合、保育園・幼稚園のスケジュールや、入院期間に上のお子様の面倒を見てくれるパートナーの仕事のスケジュール等も大きく影響を受けるため「自然に陣痛が来るのを待って出産することは大変難しい」というご家庭もあります。計画無痛分娩ならあらかじめ出産日がわかっているため、スケジュールを調整しやすいというのが大きなメリットです。 ※予定していた日程よりも早く陣痛が来てしまうケースもあります。

子どもの可愛さは、無痛分娩でも自然分娩でも変わらない。

日本で無痛分娩が普及していない原因のひとつに「痛みを感じて出産してこそ、子どもに愛情がもてる」という迷信があります。これは「無痛分娩PRESS」独自の解釈ですが、麻酔を使ったお産という手段がない昔の時代では、この言葉はこれから出産を迎える女性を勇気づけたり、励ましたりするために使われていた言い回しなのではないかと思います。しかし、麻酔を使ったお産が可能になった現代では女性を縛り付けるための言葉になっているように思えます。実際に「痛みを感じて出産してこそ、子どもに愛情がもてる」という言葉には科学的根拠が全くありません。また、麻酔を使ったお産が主流の欧米では、母親は子どもに愛情を持ちにくいのでしょうか?また、そもそも出産をしない父親は子どもに愛情を持てないのでしょうか?「無痛分娩PRESS」では、実際に無痛分娩で出産されたお母様のインタビューでも「(出産時に)痛みはなくても、めちゃくちゃ可愛いです!」という声しか聞いたことがありません。「痛みがなかったので、そんなに子ども可愛くないですね」という声は一切聞いたことがありません。子どもの可愛さは無痛分娩でも自然分娩でも変わりませんので、安心して自分の望む出産スタイルを選んでいただければと望んでいます。

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自然分娩より費用がかかる

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無痛分娩は、自然分娩に比べて費用が高くなります。麻酔を使用するため、専門的な資格を持つ麻酔医の立ち会いが必要となったり、保険が適用されないためです。無痛分娩の費用は病院やその人の出産ケースによってまちまちですが、一般的には自然分娩より10万円前後費用が高いイメージとなっています。無痛分娩のメリットと比べた上で、この費用が高いと感じるのか、納得できる費用なのか、それぞれのご家庭で判断いただくことが大切です。

分娩が長引くリスクがある

無痛分娩は麻酔を使用するため、陣痛が弱くなってしまい分娩が長引くというケースが時々発生します。こうなってしまった場合は、陣痛促進剤を使用したり、吸引娩出術が必要になることも。もう1つの分娩が長引く原因としては、回旋異常があります。回旋とは、分娩時に胎児が参道を通りやすくするために、何度か向きを変えて、回転しながら骨盤内へと進んでいくこと。そして胎児が正常に回旋しないことを回旋異常と呼びます。無痛分娩は自然分娩に比べて回旋異常の確率が高くなるというデメリットがあります。分娩が長引くことがあっても、母体や赤ちゃんの命に関わるようなリスクではありません。

麻酔による副作用

発生頻度は低いですが、人によっては麻酔が体に合わず、副作用が起きるケースもあります。過去には発熱、腰痛、しびれ、血圧低下、頭痛、神経障害、排尿障害などの例が報告されています。無痛分娩を選ぶ際には、こうした不測の事態にも対応できるような病院を選ぶように心がけましょう。

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器械分娩率の上昇

器械分娩とは、鉗子分娩とも呼ばれ、主に回旋異常などに対応するため鉗子を使って分娩を補助する手法です。無痛分娩には回旋異常の確率が高くなるというデメリットがあるため、器械分娩を行う可能性も高くなります。回旋異常が起きた場合に、器械分娩で対応するのか、吸引分娩で対応するのかは、それぞれの産科施設によって異なるため、事前に確認することをオススメいたします。

出産がラクなものだと誤解される。

実際に無痛分娩を体験された方から時々耳にするのがこちらのデメリット。出産時、夫(パートナー)に「楽そうじゃん」「ぜんぜん余裕そうだね」と言われたり、ご両親から「ラク・手抜きをしようとしている」と思われるケースもあるそうです。無痛分娩は出産の痛みはなくても母体はダメージを受けます。

人気の施設に予約が殺到する

少しづつ増えているものの、日本ではきちんとした体制で無痛分娩ができる施設はまだまだ多くありません。そのため、地域によっては一部の施設に人気が集中するケースがあります。特に無痛分娩の費用も手頃で、地域からも高い評価を受けている施設では、予約競争が起こりがちです。かなり早めに決断して予約しないと、希望する施設で無痛分娩できなくなる可能性が出てくることも、日本における無痛分娩のデメリットと言えるでしょう。

家族やパートナーの理解が得られにくいケースがある

出産する本人が無痛分娩を理解し、無痛分娩で出産しようと思っても、周りの理解を得られず断念してしまったという話もよく耳にします。特に高齢者世代の中には自分たちが「自然分娩で出産することが当たり前」の時代を生きてきたこともあり、反対する方の多い傾向があります。また、無痛分娩に関する正しい知識もなく、メディアのイメージだけで反対をするというケースも耳にします。家族やパートナーによって全く異なりますが、周囲の説得に骨が折れたり、自分以外の人にも無痛分娩の知識を知ってもらうエネルギーがかかることも無痛分娩のデメリットです。実際に無痛分娩で出産された方の話を聞くと「親に反対されても、自分の意思を貫いた」という方が多いです。また「(反対されても困るので)親には無痛分娩することについては話さなかった」という方もいます。出産するのはあくまで本人。周りの意見に左右されず自分の意思をしっかりと持つことが大切です。

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