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2025.06.06
体験談

川崎市Mさん 急展開も無痛分娩で冷静出産/大鳥居医院

学生結婚を経て若くして母になったMさん。第1子の壮絶な出産をきっかけに、第2子は無痛分娩を選択されました。計画分娩の予定が思わぬスピード出産に変わる中、麻酔が効いた瞬間に「無痛って本当にすごい」と実感したそうです。そんなMさんの出産体験を詳しくご紹介します。

【基本data】

■name/Mさん

■年齢/30

■お住まいのエリア/神奈川県川崎市

■家族構成/夫+妻+子ども(2名)

■出産施設/大鳥居医院

■無痛分娩回数/1回

■無痛分娩費用/出産育児一時金を引いて、持ち出し約20万円

■無痛分娩実施時期/2021年6月


取材時期:2024年10月

※体験談で語られている病院の金額・サービス等に関する情報は、体験者様がご出産当時の記憶によるものです。これらは時期や状況によって変わる可能性があり、現在も同じとは限りません。詳しく知りたい方は病院のホームページ等から最新情報をご確認ください。


若くして母に。第1子の出産経験が「無痛分娩」を選ぶきっかけに

Mさん提供写真

interviewer: 本日はよろしくお願いいたします。まずは簡単に自己紹介をお願いできますか?

Mさん: はい。現在はIT系の会社でフルタイムで働いています。もともと学生の頃に結婚して、卒業後は専業主婦をしていたんですが、その年に第1子を授かりました。

interviewer: 学生結婚だったんですね。お子さんは現在何人いらっしゃるんですか?

Mさん: 2人です。第1子が2018年、第2子が2021年に生まれました。

interviewer: 専業主婦からフルタイム勤務に戻られたんですね。2人の子育てと仕事の両立は大変ではないですか?

Mさん: 確かに大変なんですが、私には専業主婦より働く方が合っているみたいです。家で子どもとずっと一緒にいる方が精神的に大変でしたね。

interviewer: 無痛分娩を知ったきっかけは何でしたか?

Mさん: Instagramでインフルエンサーの投稿を見たのがきっかけです。当時、周りに出産経験がある友達がいなかったので、自分で調べるしかなくて。

interviewer: 第1子の出産が大変だったと伺いましたが、どのような状況だったんでしょうか?

Mさん: 出産に28時間もかかって、本当にしんどかったです。本格的に陣痛が始まってからの10時間は地獄のようでした。体力も限界で、出産後も回復に半年ほどかかりました。

interviewer: それは大変でしたね…。その経験が無痛分娩を選ぶ決め手になったんですね?

Mさん: はい、もう自然分娩は無理だと思いました。上の子の育児もあったので、2人目は絶対に体力を温存したかったんです。

情報が少ない中での無痛分娩選び。条件に合う病院探し

Mさん提供写真

interviewer: 実際に無痛分娩を選ぶ際には、どのように病院を探されましたか?

Mさん: 当時は品川に住んでいたので、通える範囲で無痛分娩ができて、かつ個室がある病院を条件に探しました。

interviewer: 無痛分娩に関する情報はどうやって集めましたか?

Mさん:YouTubeなどの動画も見ましたが、リアルな体験談は少なくて…。当時はまだ無痛分娩が今ほどメジャーではなかったので、情報収集は苦労しました。

interviewer: 無痛分娩を受け入れてくれる病院も少なかったんですね?

Mさん: そうなんです。私が出産した病院でも、無痛分娩はまだあまり推奨されていない雰囲気で、限られた人だけが選べるような感じでした。

interviewer: 他に候補の病院もあったんですか?

Mさん:港区の病院も検討しましたが、費用がかなり高くて。例えば御三家として有名な病院は現実的な金額ではなかったですね。

interviewer: 都内の有名病院は費用が高いですよね。その病院では「無痛分娩」といっても、完全に痛みを取り除くものではなかったんですか?

Mさん: はい。「完全に痛みがゼロになるわけではない」という説明を受けました。ただ、実際に麻酔が効いた時はかなり痛みが和らぎました。

急展開の出産!計画無痛分娩のはずがスピード出産に


Mさん提供写真

interviewer: 無痛分娩を選ばれたとはいえ、実際にお産が始まった時はかなり急な展開だったそうですね。

Mさん: はい。計画無痛分娩の予定だったんですが、思ったより早く陣痛が来てしまって。朝起きた時に違和感があって、アプリで計ってみたら最初から4分間隔だったんです。

interviewer: それは焦りますね…。

Mさん: しかもその日は上の子の児童センターの運動会があったので、しばらく様子を見ていたんですが、どんどん間隔が短くなってきて「これはもう行かないと」と。夫はゴルフに出かけていていなかったので、妹に上の子を預けて1人でタクシーで病院へ向かいました。

interviewer: 病院に着いた時の状況はどうでしたか?

Mさん:到着した時にはすでに陣痛の間隔が2〜3分。子宮口も4cmほど開いていて、かなり痛くて動けない状態でした。すぐに車椅子で分娩室に運ばれて、そこからすぐに麻酔を入れてもらいました。

interviewer: 麻酔はすぐに効きましたか?

Mさん: はい。最初に打った麻酔で痛みがスーッと引いていくのがわかりました。2分間隔で来ていた陣痛も「あれ、これ陣痛来てるのかな?」というくらいに感じなくなって。

interviewer: 無痛分娩の麻酔は、1回だけではないんですか?

Mさん:実は2回に分けて打つ予定でした。1回目が陣痛を和らげるための麻酔、2回目が分娩時の骨盤の痛みに対応する麻酔です。どちらも同じカテーテルから投与されるものでした。

interviewer: なるほど。それで、2回目の麻酔は間に合わなかったんですね?

Mさん:はい。出産の進みが想像以上に早くて、2回目の麻酔を入れる前にもう赤ちゃんが生まれてしまったんです。なので、分娩時の痛みは少し残っていましたが、それでも最初の麻酔が効いていたおかげで、かなり楽でした。

「まるで天国のよう」産後の回復と入院生活の充実ぶり

Mさん提供写真

interviewer: 無痛分娩での出産後、麻酔が切れてからの痛みはどうでしたか?

Mさん: 痛みはありましたが、痛み止めを飲んでいたので耐えられるレベルでした。何より、出産直後に自分で立ち上がってトイレに行けるくらいだったので、1人目のときとは比べ物にならない回復の早さでした。

interviewer: 出産後はどのように過ごされていたんですか?

Mさん: LDR室だったので、出産から休憩まで同じ部屋で過ごしました。休憩は2時間ほどで、自力で歩けるようになりました。

interviewer: 会陰切開はされましたか?

Mさん: はい。でも麻酔が効いていたので、全然痛くなかったです。1人目の時は縫うのが痛くて記憶に残っているんですが、2人目の時はまったく覚えていないくらいでした。

interviewer: 入院生活で良かったと感じたポイントはありましたか?

Mさん: ご飯が本当に美味しかったです。毎日豪華なメニューで、まるで天国のようでした。特にお祝い御膳は印象に残っています。

interviewer: ご飯のジャンルはどんな感じでしたか?

Mさん: 和食も洋食もありました。和洋折衷で毎日楽しめましたね。お祝い御膳は本来なら夫婦で一緒に食べるイベントだったんですが、コロナの影響で一人で食べることになりました。

Mさん提供写真
Mさん提供写真

interviewer: 他にも特別なサービスはありましたか?

Mさん: オイルを使ったリラクゼーションマッサージが無料で受けられたり「ニューボーンフォト」の撮影もプレゼントされました。赤ちゃんの記念写真が撮れてすごく良かったです。

interviewer: 入院時の持ち物で「持って行って良かった」と感じたものはありますか?

Mさん: 赤ちゃんの記録用に「何日目」と書かれた木のプレートを持って行きました。写真と一緒に撮ることで、記録としても思い出としても残せました。

「絶対無痛分娩がいい!」実体験から伝えたいこと

Mさん提供写真

interviewer: 無痛分娩のデメリットとして感じたことはありましたか?

Mさん:病院によっては、計画していても麻酔科の先生がいなければ実施できないことがある点ですね。あと、麻酔の効き目には個人差があるみたいで、私にはよく効きましたが、効きにくい方もいると聞きました。

interviewer: 麻酔を使うことによる副作用のリスクもゼロではないですよね。

Mさん: そうですね。自然分娩でもリスクはありますが、麻酔を使うことで追加のリスクがあるということは理解しておいたほうがいいと思います。

interviewer: 周囲のお友達から無痛分娩について相談されたことはありますか?

Mさん: よく聞かれました。「どうだった?」「痛かった?」って。インスタに出産レポを載せていたので、友達から「2人目を無痛分娩にしようと思ってるんだけど、どう?」と相談されることが多かったです。

interviewer: そのときはどう答えたんですか?

Mさん: 「絶対無痛分娩がいい!」って激推ししました(笑)。本当に良かったと思っています。

会社の出産サポート制度と家族の協力に感謝

Mさん提供写真

interviewer: 出産費用についてお聞きします。最終的な自己負担額はどのくらいでしたか?

Mさん: 一度63万円ほどを支払いましたが、出産育児一時金が差し引かれて、最終的な持ち出しは20万円ほどでした。

interviewer: ご主人の会社からのサポートもあったそうですね?

Mさん: はい。会社が病院に直接支払ってくれたので、私は差額分だけを支払えばよかったんです。とても助かりました。

interviewer: それは素晴らしい制度ですね。どういった仕組みなんですか?

Hさん(夫): 会社が病院と直接やり取りをして、専用の用紙を提出すれば、会社が一部を負担してくれるという形でした。私が立て替える必要はなかったので、かなりスムーズでしたね。

interviewer: その制度は他の方も使っているんですか?

Hさん(夫): 初めての経験だったので分かりませんが、会社の正式な制度として用意されているもののようです。

interviewer: Mさんが無痛分娩を選ばれた時、ご家族の反応はいかがでしたか?

Mさん: 夫も両親も反対はせず「無痛分娩の方がいいよ」と応援してくれました。たしか、両親には事後報告だったと思いますが「自分で決めたならそれでいい」と言ってくれました。

interviewer: 心強いサポートですね。

Mさん: はい。特に夫は、産後は仕事をセーブして毎日面会に来てくれました。普通の会社員だったら難しかったかもしれませんが、彼は働き方が柔軟だったので助かりました。

想定外の「足のむくみ」と育児グッズの工夫

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interviewer: 入院時に「これをやっておけばよかった」と感じたことはありますか?

Mさん: 足がすごくむくんでしまって、履いてきた靴が帰る時に履けなかったんです。サンダルタイプにしておけばよかったと思いました。帰りは病院のスリッパを使って何とかしました。

interviewer: 足のむくみは退院後もしばらく続きましたか?

Mさん: はい。入院中はほとんど収まらなくて、家に帰ってからもしばらくは続いていました。特に足首を曲げるのが少し難しいくらいむくんでいましたね。

interviewer: 逆に、持って行って良かったものはありましたか?

Mさん: 赤ちゃんの写真に添える「DAY 1、DAY 2」と日数を記録する木のプレートですね。出産直後の空き時間に、名前を書いたり装飾をしたりしていました。良い記録になりました。

interviewer: 病院からの支給品で、必要なものは揃っていましたか?

Mさん: ほとんど揃っていて、自分で用意するものは少なかったです。入院バッグが事前にもらえたので、とても助かりました。

無痛分娩を“出産の選択肢”のひとつとして、もっと当たり前に

Mさん提供写真

interviewer: 無痛分娩をこれから検討する方に向けて、どんなメッセージを伝えたいですか?

Mさん: 私にとって無痛分娩は本当に良い経験でした。体力を温存できたおかげで、新生児育児にしっかり向き合うことができました。ですから「絶対無痛分娩がいいよ」と自信を持っておすすめできます。

interviewer: 痛みの有無に対する価値観も変わってきていると思います。

Mさん: そうですね。「痛みを経験しないと母になれない」なんて考えはもう古いです。今は選択肢がたくさんある時代なので、自分に合った方法を選んでほしい。無痛分娩はその中の1つとして、もっと当たり前の選択肢として受け入れられるべきだと思います。

interviewer: そうですね。

Mさん: 出産はスタートライン。その後の育児は本当に体力勝負なので、少しでも消耗を抑えるという意味でも、無痛分娩という選択肢があるのはとても心強かったです。

interviewer: 最後に、無痛分娩を検討している方に向けてメッセージをお願いできますか?

Mさん: 出産はゴールではなくスタートです。その後は体力勝負の毎日が待っているので、出産で体力を無駄に消耗しないようにすることは本当に大切です。母乳育児にも痛みが伴うことがありますし、少しでも体力を温存しておくことが大事だと思います。「痛みを経験しないと母になれない」なんて考えはもう古いです。自分がどうしたいか、自分に合った方法を選んでほしいですね。

interviewer: 本日は貴重なお話をありがとうございました。

Mさん: ありがとうございました。

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