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2025.06.30
体験談

神奈川 R.Eさん 第3子で初の無痛分娩/愛育病院(大和市)

第2子出産時に大量出血と強い痛みを経験し、第3子妊娠中は湯気の匂いでも吐いてしまうほどの重いつわりに悩まされたR.Eさん。「今回は無痛分娩にしたら?」という夫のすすめもあり、計画無痛分娩を選択。そんなR.Eさんに出産当日の流れや費用のこと、産後の回復について詳しく伺いました。

【基本data】

■name/R.Eさん

■年齢/38

■お住まいのエリア/神奈川県大和市

■家族構成/夫+妻+子ども(3名)

■出産施設/愛育病院(大和市)

■無痛分娩回数/1回

■無痛分娩費用/出産育児一時金を引いて、持ち出し約30万円(あまり詳しく覚えていません)

■無痛分娩実施時期/2022年3月

取材時期:2024年11月

※体験談で語られている病院の金額・サービス等に関する情報は、体験者様がご出産当時の記憶によるものです。これらは時期や状況によって変わる可能性があり、現在も同じとは限りません。詳しく知りたい方は病院のホームページ等から最新情報をご確認ください。

「第2子の出産で死にかける…」そんな私が第3子で無痛分娩を選んだ理由

R.Eさん提供写真

interviewer:本日はお時間いただきありがとうございます。よろしくお願いします。

R.Eさん:よろしくお願いします。

interviewer:では、最初に簡単に自己紹介をお願いできますか。お仕事やご家庭のことなど、ざっくりと教えていただければと思います。

R.Eさん:はい。高校を卒業してからトリマーの専門学校に通いました。ただ、トリマーにはなれず、その後は女性用下着メーカーで働きました。そして、26歳で結婚し、28歳で第1子を出産しました。30歳で第2子、そして35歳で第3子を出産しました。

interviewer:お子さんは3人いらっしゃるということですね。今はお仕事をされていますか? それとも家庭に専念されているのでしょうか?

R.Eさん:はい、ずっと専業主婦をしています。もう1、2年くらいですかね。

interviewer:無痛分娩をされたのは今回が初めてでしたか? それとも、上のお子さんのときも経験されていますか?

R.Eさん:いえ、第3子のみです。

interviewer:第3子のみですね。無痛分娩については、何かきっかけがあったのでしょうか? 例えば、友達がそういう方法で出産したとか?

R.Eさん:いえ、友達はほとんど第1子、第2子のときは自然分娩でした。若いこともあって、無痛分娩は費用がすごく高いというイメージがありました。当時は「芸能人がやるもの」みたいなイメージが強かったんです。さらに、麻酔科医が常駐している病院じゃないと無痛分娩は難しいという話もあって、近くにはそういった病院が少なかったんです。お金もなかったですし、結局、自然分娩を選ばざるを得なかったという感じです。

interviewer:なるほど。2人目まで自然分娩で出産されて、第3子のときに「よし、無痛分娩をしよう」と決意された経緯を教えていただけますか?

R.Eさん:第2子の出産がですね、ものすごく早かったんです。陣痛が始まってから2時間半くらいで生まれました。

interviewer:2時間半ですか! すごく早いですね。

R.Eさん:早かった分、とてつもなく痛かったんです。さらに、産後に大量出血があって、出血が止まらなかったんですね。そのとき、意識が遠のく中で看護師さんたちにお腹をぐいぐいと圧迫されて出血を止めてもらったんですが、それが本当に地獄でした。

interviewer:それは本当に命の危険を感じる状況ですよね。大量出血というのは。

R.Eさん:そうなんです。もう本当に寒気がするほど出血していて「こんな怖い思いはもうしたくない」と思いました。そのときは「子どもは2人まででいい」と決めていたんですが、3人目を授かりまして…。つわりもこれまでで一番辛くて、2ヶ月ほど寝たきりの状態が続きました。それで「もし出産をしたら今度こそ死んでしまうかもしれない」とすごく怯えていました。

interviewer:それで旦那さんが無痛分娩を勧めてくれたんですね?

R.Eさん:そうなんです。夫が「無痛分娩にしたらいい」と言ってくれて「お金のことは頑張ろう」と背中を押してくれました。

interviewer:珍しいですね。男性の方から無痛分娩を提案するなんて、初めて聞きました。優しいですね。

R.Eさん:そうですね。私が怯えきっていたので、きっと心配してくれたんだと思います。それで、もともと予約していた病院にはまだ費用を払っていなかったので「無痛分娩を希望するので別の病院に移ります」と伝えて、1週間後には別の病院に手続きをして無痛分娩の準備を進めました。

interviewer:夫さんは無痛分娩のこと、よくご存じでしたね。

R.Eさん:多分、第2子のときに私がすごく辛そうにしていたのを見て「次はもっと楽な方法があるならそのほうがいいんじゃないか」と思ったんだと思います。きっと自分なりにネットとかで少し調べて「無痛分娩がいいんじゃない?」と言ってくれたんじゃないかなと。

interviewer:なるほど、夫さんなりに考えて、すすめてくれたんですね。

R.Eさん:はい、そうですね。それに、上の子たちもいますから、産後のケアのことも考えて「計画分娩にした方がいいんじゃないか」と話してくれました。その流れで、無痛分娩なら計画分娩がいいよね、ということになりました。

湯気でも吐く!ハードだった3人目妊娠のつわり

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interviewer:夫さんと相談されて無痛分娩に対応している病院に変えられたということですが、その病院はお家から近かったんですか? それとも少し距離がありましたか?

R.Eさん:電車に乗れば10分か15分くらいで着く場所でした。ただ、私がつわりで本当に辛くて、歩くのも遅かったんです。もう、歩くスピードがすごく遅くて、おばあちゃんみたいな状態で。駅まで歩くのに20分くらいかかってしまうので、距離的には近いんですけど、実際にはそんなに簡単ではなかったですね。

interviewer:第1子と第2子のときのつわりはどうでしたか? 軽い方だったんですか? それともそれなりに重かったんでしょうか?

R.Eさん:第1子のときは、それなりにありました。いわゆる「食べづわり」と「吐きづわり」みたいな感じです。第2子のときはほとんどなかったですね。逆にすごく食欲があって「こってりラーメン食べたい」とか、そういう感じでした。でも第3子のときは本当に辛くて、水も飲めないほどで…。お風呂に入って湯気の匂いを嗅ぐだけで吐いてしまうくらいでした。

interviewer:湯気の匂いで吐くなんて、初めて聞きました!

R.Eさん:そうなんです。お湯や水の匂いが無理な人って意外と多いんですよ。私もお湯の湯気や匂いがダメでした。

interviewer:水道水のカルキ臭みたいなものが原因なんですか? それとも天然水とかでもダメなんでしょうか?

R.Eさん:多分、時期的なものもあると思います。お湯の匂いそのものがダメだったので、天然水とかも関係ないと思いますね。

interviewer:無痛分娩をしようと決めてから、情報収集などはされましたか?

R.Eさん:はい。たまたま同時期に妊娠していた幼稚園のお友達がいたんです。その方は3人とも無痛分娩で出産されていて、すごく珍しいなと思いました。その方にどこの病院で出産されたのか聞いたところ「大和の愛育病院」だと教えてもらったんです。それを聞いてすぐに行動しました。

interviewer:それは本当にラッキーでしたね。

R.Eさん:本当にそうですよね。その方が色々教えてくれたんです。「無痛分娩をしたいなら何週目までに手続きしないといけないよ」とか、具体的なアドバイスをたくさんいただきました。たまたまその週が締め切り直前の週だったので、急いで予約を取って、予約金を払って手続きを済ませました。

interviewer:その方がいなければ、初動が遅れてしまったかもしれないですね。

R.Eさん:そうなんです。無痛分娩をしたいからといって、すぐ予約が取れるわけではないんです。その頃はコロナ禍でもあり、病院側も規定が厳しくて、色々と大変でした。でも、その方が自分の予定表をコピーして持ってきてくださって「この週数までにこういうことを済ませたほうがいいよ」とか「紹介状をもらったほうがいいね」とか、具体的に教えてくれて本当に助かりました。

interviewer:その方も同時期にご出産されたんですか?

R.Eさん:そうですね。その方のお子さんは2021年の10月生まれで、うちの子は2022年の3月生まれ。同じ学年ですが、半年くらい先に出産されていました。

interviewer:なるほど。そうなると、病院はその「愛育病院」一択という感じだったんですね。他に迷う余裕もなかったですか?

R.Eさん:ええ、調べる余裕がほとんどありませんでした。その方の話を聞いて即決でしたね。

出産費用が思ったより高かった…

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interviewer:大和の愛育病院では計画無痛分娩を選ばれたんですか? それとも陣痛が来てからの無痛分娩でしたか?

R.Eさん:計画無痛分娩を選びました。

interviewer:費用は大体どれくらいかかったか覚えていますか?

R.Eさん:ざっくりですが、70万円くらいだったと思います。まず予約金で10万円、それからもう一度20万円くらいを支払いました。それに加えて、出産一時金の42万円を差し引いた形で、最終的には30万円前後を実費で支払った感じです。

interviewer:最終的に少し返金があったとおっしゃっていましたよね?

R.Eさん:そうなんです。出産がすごくスムーズに進んだおかげで、最終的なお会計の際に1万円程度返金がありました。なので、トータルでおよそ70万円前後だと思います。

interviewer:なるほど、その頃は出産一時金がまだ上がる前でしたよね? 2022年だと42万円でしたか?

R.Eさん:はい、そうです。まだ金額が上がる前の42万円でした。

interviewer:ご両親に無痛分娩をすることをお話しされましたか?

R.Eさん:はい、話しました。

interviewer:どんな反応でした?

R.Eさん:「いいじゃん」という感じでしたね。ただ「高いんじゃないの?」とは言われました。でも、私が妊娠中に辛そうにしていたのを見ていたので「それなら仕方ないね」と背中を押してくれる感じでした。

初めての計画無痛分娩で不安だったこと

R.Eさん提供写真

interviewer:無痛分娩を選ばれて、不安に思ったことや疑問に感じたことはありましたか?

R.Eさん:初めての経験だったので、わからないことだらけでしたね。これまでの出産は、陣痛が来てから急いで病院に行くというスタイルでした。でも、今回はすでに子どもが2人いて、急にお腹が痛くなったとしても1人で動けないし、子どもたちをどうするかという問題もあったので、計画無痛分娩を選びました。

interviewer:なるほど。

出産当日、一番キツかったのはまさかの「浣腸!?」

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interviewer:出産当日のことについて伺いたいと思います。計画無痛分娩ということで、決まった日に病院に行かれるわけですが、当日はどのような心境でしたか?

R.Eさん:前日から入院するんですが、前日はとても緊張していて、なかなか眠れませんでした。そして当日の朝は、確か5時半か6時頃に起きて、6時半にはもう分娩台のところにいました。分娩台というより、ベッドと分娩台が一体化したような設備だったと思います。

R.Eさん:そこから初めての浣腸を経験しました。

interviewer:浣腸!?

R.Eさん:はい、初めての経験だったので、すごく印象に残っています。実は、その日の出産全体を通して、一番痛かったのが浣腸後にお腹の痛みを我慢している時間でした。

interviewer:え、そうなんですね。それは驚きました。なんで浣腸をするんでしょうね?

R.Eさん:想像なのですが力みにくくするためだと思います。力んだときに出てしまうことがある、という話をよく聞きますから。

interviewer:なるほど。それで浣腸をして、全部出してクリアにしておくという感じなんですね。

R.Eさん:そうですね。きれいにしておいたほうが良いみたいです。あとは、万が一帝王切開に切り替わる場合にも備えているのかもしれません。私は何も食べない状態で、朝食ももちろん抜きで、まず「浣腸をしましょう」という流れでした。「へー、そうなんだ」という感じで受けましたね。

※編集部注:かつては出産前に浣腸を行うのが一般的だった時期もありましたが、現在では多くの施設で行われておらず、必ず行う処置とはされていません。病院や医師の方針によって対応は異なります。

interviewer:その後、麻酔の準備に入ったんですか?

R.Eさん:はい、その後は麻酔の準備に入りました。いきなり麻酔を入れるわけではなく、促進剤の準備をして、まず促進剤を入れてから、その効果が出てきたタイミングで麻酔を少しずつ入れていく流れでした。

R.Eさん:促進剤が効いてきて「あ、痛ててて」という感じになりそうなタイミング、もしくはその少し前くらいに麻酔を入れてくれるんです。助産師さんがモニターを見ながら「そろそろ痛いんじゃない?」みたいに気にかけてくれて「そういえばちょっと痛いかもしれない」というくらいのときに追加で麻酔を入れてもらいました。

interviewer:促進剤を入れてから出産まで、トータルでどのくらいの時間がかかりましたか?

R.Eさん:分娩時間は3時間5分だったと思います。

interviewer:それは、カウントとしては陣痛が始まってからなのか、促進剤を入れてからなのか、覚えていますか?

R.Eさん:そこは少し曖昧なんですが、おそらく促進剤を入れてからだと思います。

interviewer:それにしても早いですね、3時間ちょっとで生まれるなんて。

R.Eさん:そうですね。私は元々、分娩がスムーズに進むタイプのようで、開きやすいんだと思います。もちろん痛みはありますが、24時間苦しむというタイプではなかったので、比較的短時間で進みました。

interviewer:無痛分娩中の痛みについて伺いたいのですが、痛みは完全にゼロでしたか? それとも少しは感じたけれど余裕がある程度でしたか?

R.Eさん:痛みは完全にゼロでした。

interviewer:ゼロですか! それはすごいですね。

R.Eさん:そうなんです。お腹が張る感覚はありましたが、痛みというよりは「キリキリするな」という感じでした。そういうときにはすぐに麻酔を追加してくれました。一度、ちょっと放っておいたら助産師さんが来て「これ結構強い陣痛だよ、麻酔を追加した方がいいよ」と言ってくださって、すぐに対応してもらえました。

interviewer:助産師さんの痛みのコントロールが完璧だったんですね。

R.Eさん:はい、本当にすごかったです。安心してお任せできました。

「お金出してよかった!」出産後の回復は想像以上

R.Eさん提供写真

interviewer:3時間5分で出産されたとのことですが、麻酔が切れた後の痛みはどうでしたか?

R.Eさん:痛みはありましたね。いわゆる「後陣痛」というものです。

interviewer:後陣痛ですね。

R.Eさん:はい、それが本当に痛かったです。ただ、私は第1子、第2子のときには会陰切開をしていたんですが、第3子では切らずに済みました。お医者さんが「伸びているから切らなくて大丈夫」と判断してくださったんです。そのおかげで、体に傷が残らず、思っていたよりも楽でした。

interviewer:それは良かった!

R.Eさん:もちろんお腹の痛みはありましたが、傷がない分だけ回復が早くて。「お金を出して無痛分娩にした甲斐があった」と感じましたね。第1子、第2子のときは会陰切開が本当に痛くて、座るのにもドーナツクッションが必要でしたし、お手洗いも辛かったので、その差が大きかったです。

interviewer:ドーナツクッションがないと座れないとよく聞きますよね。

R.Eさん:そうなんです。でも今回はそういった痛みがなく、腹部の中身がなくなったような感じで、しかも無痛で出産できたので、すごく体が楽でした。ただし、後陣痛は授乳中が特に痛くて、もだえるくらいでした。

interviewer:授乳中に痛みが増すのはホルモンの影響なんですかね?

R.Eさん:そうですね。助産師さんに聞いたら「授乳中に子宮が収縮するから」と言われました。赤ちゃんが乳首を加えると条件反射で子宮がぎゅっと収縮するそうです。それが連動しているんですよね。入院中も家に帰ってからも、しばらくは収縮が強くて本当に痛かったです。

interviewer:会陰切開をしなかった場合でも、そういった痛みには何か対策として痛み止めなどは出されるんですか?

R.Eさん:はい、痛み止めをもらいました。出産自体は今回楽だと感じましたが、それでも出血量が多くて、カルテを見ると630ミリリットルと記載されていました。それなりに体にはダメージがあったのだと思います。

interviewer:なるほど。

R.Eさん:その分、入院中は手伝いもたくさんしていただきました。あと、便秘になりやすかったですね。

interviewer:出産後の便秘ってよく聞きますよね。

R.Eさん:はい。それに、水分が体から一気に抜けてしまうので、その影響もあります。羊水や余分な水分が急に体からなくなる分、むくみがひどくなるんですよ。その結果、内臓に水分が回らず、便秘しやすくなります。なので、お通じを良くするお薬も処方してもらいました。

interviewer:はい。

R.Eさん:さらに、アドレナリンが出過ぎて夜眠れないこともあって、眠れるお薬も出していただいていました。

interviewer:産後ハイというやつですね。

R.Eさん:そうですね。眠れないと胸も張らないんですよ。授乳のときに、絞り出すくらいしか母乳が出なくなります。でも、しっかり眠れると胸がパンパンに張るんです。だから、最初のうちはそういったお薬に助けてもらいました。

お城みたいな病院での入院生活

R.Eさん提供写真

interviewer:入院はトータルで、出産後何日くらいで退院されましたか?

R.Eさん:出産後は5日間の入院でしたが、計画無痛分娩だったので前日から入院していて、トータルで6日間でした。私は勘違いしていて、全体で5日間だと思っていたんですけど「あ、出産後5日間なんだ」と後で気づきました。それで夫の仕事の都合が厳しくなってしまい「明日帰れないかもしれない」という状況が発生して、家族みんながバタバタしてしまったんです。「どうしよう、子どもたちをどうする?」という感じで、慌てました。

interviewer:5日間入院って、今時では少し長めですよね。

R.Eさん:そうなんですよね。私も経産婦なので、もっと早く退院できるかと思っていました。ただ、私がスケジュールの確認をちょっと勘違いしてしまって…。

interviewer:なるほど、確認ミスだったんですね。

R.Eさん:はい、前に出産した病院ではタブレットで予定表が見られて、食事の選択とかその日の予定が全部すぐ確認できたんです。

interviewer:今はそういうシステムがあるところも多いですよね。

R.Eさん:そうですね。でも、愛育病院ではそういうシステムではなくて、スケジュールは受付まで行って確認する形だったんです。私がそこをちゃんと把握していなかったので「あれ、今日は何があるんだっけ?」となってしまって…。完全に自分の確認不足でしたね。

interviewer:最終的には旦那さんのお仕事の調整はついたんですか?

R.Eさん:なんとか無理やり調整してもらった感じですね。結果的にはどうにか乗り越えられました。

interviewer:なるほど、ありがとうございます。ちょうど病院の話が出たので、愛育病院で「ここが良かったな」と思うポイントを教えていただけますか? いくつでも構いません。

R.Eさん:病院がお城みたいでした。

interviewer:お城みたい、ですか?

R.Eさん:はい、本当に外観が素敵でお城のようでした。それだけでも気分が上がりました。それから、コロナ禍で少し残念に思う部分もありましたが、ご飯がとても豪華だったんです。

interviewer:それはいいですね!

R.Eさん:さらに、退院するときに、普通サイズのワンホールのガトーショコラをいただきました。「出産おめでとう、退院おめでとう」ということで用意してくださるんです。それと、しっかりしたアルバムに、生まれたての赤ちゃんの写真を撮ってプレゼントしてくれました。

interviewer:すごいですね!おもてなしの部分が充実している感じですね!

R.Eさん:はい!女性として嬉しいタイミングで、そういう気配りをしてくれるので、すごく良かったです。気分が和らぎますし、入院中の特別感がありました。

interviewer:スタッフの方や先生の対応はどうでしたか?

R.Eさん:助産師さんはとても親切で、ちゃんと関わってくださる感じが嬉しかったです。ただ、ベビールームにいらっしゃるスタッフの方々は、結構厳しい印象でしたね。「ちゃんと授乳して」とか「終わったら早く戻して」とか、キビキビされている感じでした。

コロナ禍の“ひとり入院生活”はこんな感じだった

R.Eさん提供写真

interviewer:病院の料理はどんな感じでしたか?

R.Eさん:完全に洋食でしたね。どちらかというとフレンチっぽい印象でした。

interviewer:やっぱり病院の雰囲気と合っていそうですね。

R.Eさん:はい、洋風の料理が多かったです。

R.Eさん提供写真

interviewer:さっきスケジュールをしっかり確認しておけばよかったというお話がありましたが、他に「もっとこうしておけばよかったな」と思うポイントはありますか?

R.Eさん:そうですね。やっぱり、入院中は意外とバタバタしてしまって、前の病院と同じ感覚で過ごしていた部分があって、それが良くなかったかなと思います。スケジュールをきちんと把握しておくべきでした。例えば、朝6時半から検診があるのに、それを自分で覚えていて、下の階まで行かなければならないということを忘れがちでした。慣れていない場所だと、場所がわからなくなったりするので、そういう書類的なものをきちんと確認しておくべきだったなと感じます。

interviewer:確認事項など多そうですもんね。

interviewer:ご家族とは電話で話されたりしていましたか?

R.Eさん:私は大部屋にいたんですが、なんとその部屋には誰もいなかったんです。4人か5人部屋だったと思いますが、完全に1人で、テレビもイヤホンなしで普通に音を出して見られるし、子どもたちともそのまま電話で話せました。

interviewer:それはある意味、個室よりも贅沢ですね(笑)。

R.Eさん:そうですね(笑)。でも、大部屋なので(1人あたりの)スペース自体は狭くて、そこは少し気になりましたね。

interviewer:なるほど、そうなんですね。

R.Eさん:本当に寂しくて「誰かと喋りたい」と思っていました。

interviewer:人と話すことに飢えていた感じですか?

R.Eさん:はい、本当にそんな感じでしたね。

interviewer:そういうときに、話し相手になってくれるスタッフの方とかはいませんでしたか?

R.Eさん:私が入院していた階には、特に助産師さんが常駐しているわけではなかったんです。1つ下の階に授乳室やナースステーションがあったので、そこに行けばスタッフの方と話せたのかもしれませんが、自分から話しかけないと会話の機会はなかったですね。

私が感じた無痛分娩のメリット・デメリット

R.Eさん提供写真

interviewer:出産後についてですが、体の疲れや体力の消耗で記憶に残っていることはありますか?

R.Eさん:正直、本当にあっけなかったなという印象です。「これでいいの?」と思うくらいで、汗も一つもかいていない感じでした。体力もほとんど削られていなかったですし、疲れているという感覚もほとんどなかったです。私にとっては、とても楽な出産でしたね。

interviewer:痛みは多少あったとしても、疲れやすくなったり、体力が著しく落ちたりということは特になかったんですね?

R.Eさん:そうですね。ただ、私は比較的スムーズに進んだ経産婦だったからかもしれません。周りでは緊急帝王切開になった方もいるみたいです。同じフロアにいた妊婦さんたちは、促進剤を使って時間をかけてお産を進めていましたが、急に帝王切開に切り替わるケースも少なくなかったみたいです。そのバタバタした様子を感じながら、自分の出産を進めていたという感じでした。

interviewer:なるほど。出産後の体力について、人によっては「産んでから2~3ヶ月間は体力が戻らなくて辛かった」と言いますが、R.Eさんの場合はどうでしたか?

R.Eさん:私は妊娠期間中の方が辛かったです。つわりが酷かったことや、歩くとすぐにお腹が張ってしまうことが多くて、常に体が弱っている感覚でした。でも出産を終えたら逆に元気になりました。

interviewer:産む前の方が辛かったんですね。

R.Eさん:はい。産後は家に帰ったその日に、自分で洗濯して干していたくらいです。それくらい元気でした。産む前よりも体が軽くなった感じでしたね。

interviewer:では、R.Eさんが感じる無痛分娩のメリットを教えてください。

R.Eさん:一番のメリットは、やっぱり「痛くない」ということですね。

interviewer:やっぱり痛くないのが大きいですよね。

R.Eさん:はい、本当に全く痛くないです。それが一番のメリットだと思います。それから、産後の体力の回復がとても良かったです。会陰切開をしなかったことも関係していると思いますが、産後すぐに元気に動けました。体への負担が少ないという点でも、無痛分娩を選んで良かったと思います。

interviewer:では、逆に無痛分娩のデメリットだと感じるところはありますか?

R.Eさん:やはり費用が高いことですね。私にとっては、かなり高額でした。

interviewer:特に良い病院を選ぶと、さらに高くなりますよね。

R.Eさん:そうみたいですね。一般的にも、10万から15万くらいの持ち出しがあると聞きました。

interviewer:そうですね。

痛みに弱い?パニックになりやすい? そんな方に無痛分娩はぴったり

R.Eさん提供写真

interviewer:最後の質問になりますが、R.Eさんが無痛分娩をおすすめしたい方は、どのような方ですか?

R.Eさん:経産婦さんには特におすすめだと思います。もちろん、1人目からやっていた方が楽だとは思います。ただ、初産婦さんの場合、促進剤を使っても陣痛が止まってしまうことがあると聞きました。なので、経産婦さんの方がスムーズに進む場合が多いのかなという印象です。

interviewer:そうですね。1回経験していると、体が覚えていてスムーズに進むんでしょうね。

R.Eさん:そうだと思います。促進剤が効きやすいというのもあるかもしれません。それから、本当に痛みに弱い人には絶対におすすめです。年齢や出産回数に関係なく、痛みに弱いと感じるなら無痛分娩を選んだ方がいいと思います。逆に痛みに強い自信があるなら自然分娩でも良いですが、痛みに不安があるなら無痛分娩の方が安心だと思います。

interviewer:なるほど。

R.Eさん:あとは、パニックになりやすい人にも向いていると思います。例えば、私は第2子のときに痛みが強すぎて呼吸がうまくできず、パニックになってしまいました。そのせいで母体に酸素が行き届かなくなり、赤ちゃんにも影響が出るんじゃないかと心配でした。手が冷たくなったり痺れたりして、本当に辛かったです。

interviewer:テンパりやすい方やパニックになりやすい方にとっては、痛みが少ないことで落ち着いて出産に臨めるんですね。

R.Eさん:そうですね。無痛分娩なら痛みが抑えられるので、リラックスして心拍数も安定した状態で出産できると思います。そういう方には本当におすすめです。出産の心配事が減る分、落ち着いて進められるのが大きなメリットだと思います。

interviewer:ありがとうございます。最後に、R.Eさんから「これだけは言っておきたい」と思うことがあれば、ぜひお願いします。

R.Eさん:そうですね。先ほども少し触れましたが、金額のことを考えると、やはり余裕があるならもっといろんな病院を調べてみるべきだったかなと思います。これから無痛分娩を考える方には、事前にしっかりリサーチをして、自分に合った病院を選んでほしいですね。

interviewer:大切ですね。

R.Eさん:私の場合、つわりがひどすぎて、一気に体重が5~6キロも落ちてしまい、頭がうまく回らない状態で病院選びをしなければなりませんでした。思考力も落ちていて、ただ目の前のことで精一杯だったので、選択肢を十分に検討できませんでした。もしパートナーが協力的だったり、変更が可能な状況であれば、もっといろいろ調べて比較してみるのが良いと思います。

interviewer:確かに、しっかりリサーチして自分に合った病院を選ぶことが大切ですね。

R.Eさん:はい、そう思います。

interviewer:これで以上になります。本日はありがとうございました。

R.Eさん:こちらこそ、ありがとうございました。

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